ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.9(2011/07/07〜09) @

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(Update:2011/07/14)

 

 

前回のノリクラ雪渓カレンダーより、取材日を平日(木曜日・金曜日)に変更いたしましたが、県道乗鞍岳線の土砂崩れ通行止めや乗鞍スカイラインの雨量規制通行止めが重なり、取材日を変更して、ノリクラ雪渓カレンダーをお届けします。

7月7日(木)は、小雨の降る朝を迎えます。長野県側の県道乗鞍岳線の通行止めが続いていることもあって、今日は乗鞍スカイラインからのアクセスです。畳平の8時前には少し青空がのぞき、天候の回復が期待されたものの、霧雨から次第に雨脚が強くなり、10時の肩の小屋付近では横殴りの雨。前を向いて歩くことが困難なほどです。この天候のため、肩の小屋に訪れる登山の方はほとんどなく、スタッフの方も普段はできない料理の練習をされる様子もあります。春の竹林では雨が降ると一気にたけのこが伸びますが、大雪渓のバーンも今日のように雨が降ると、たけのこ状の氷柱があちこちにできます。また、雨に加えて、終始濃霧に包まれ、今日はほとんど取材にならない一日となりました。

7月8日(金)は、昨晩からの雨が止んで曇り空ですが、乗鞍スカイラインは連続雨量規制のため通行止め。天候は次第に回復傾向を見せ、10時頃には青空が広がるようになります。訪れたスキーヤー・ボーダーの方々もシャトルバスの運行開始を待つものの、一向にその気配はなく、ほおの木平バスターミナルには終日運休の掲示がされます。午後になると完全に青空となりますが、24時間累積雨量をもとに通行規制を実施するため、今回は終日通行止めという状況となってしまいました。また、長野県側の県道乗鞍岳線の復旧工事が夕方までに完了し、明日からの開通が決定しました。さらに、この日は、東海地方の梅雨明けが発表されました。昨年より9日早く、平年より13日も早い梅雨明けです。

そして、7月9日(土)は、やや雲の多い朝を迎えます。久しぶりに運行を再開した乗鞍高原〜畳平シャトルバスに、スキーヤーの方々が乗り込むところから今日一日が始まります。天候は次第に回復傾向となり、10時ごろにはモクモクとした入道雲が青い空にわき上がり、夏のノリクラの雰囲気が漂う大雪渓が見られます。バーンも緩んで夏スキー本番を迎え、それを裏付けるように、関東甲信地方にも梅雨明けが発表されました。昨年より8日早く、平年より12日も早い梅雨明けです。そして、岐阜県側の殿下平総合交流ターミナルでは、明日開催される 第8回 乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムの大会受付が行われました。

それでは、梅雨明け直前の悪天候の初日、そして、梅雨明けを迎えた大雪渓の様子を合わせてお伝えします。また、7月10日(日)に開催された、第8回 乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム の特集は、7月20日頃、掲載予定です。

◎ 今回の目次

Page-1 : 【7月7日(木)、ほおのき平駐車場】       【乗鞍スカイライン】
Page-2 : 【肩の小屋へ】       【肩の小屋】
Page-3 : 【7月9日(土)、観光センター前】       【大雪渓までの沿道の風景】
Page-4 : 【大雪渓に到着】       【雪渓下部 T】
Page-5 : 【雪渓下部 U − モーグルコース】       【雪渓下部 V】
Page-6 : 【雪渓中段 T】       【雪渓中段 U − ジュニアレーシング】
Page-7 : 【雪渓上部 T】       【雪渓上部 U − 基礎キャンプ】
Page-8 : 【畳平、お花畑】       【昨年の今ごろは?】       <編集後記>
 

 

【7月7日(木)、ほおのき平駐車場】

ほおのき平駐車場

こちらは6時前のほおのき平駐車場。7月以降は長野県側の観光センターからの様子をお伝えすることが多いのですが、すでに お知らせ にてご案内しましたとおり、三本滝ゲート付近の土砂崩れにより、県道乗鞍岳線は7月5日(火)より通行止めとなっています。

そのため、上部エリアに向かうためには、当面の間、岐阜県側の乗鞍スカイラインのみです。

 

朝から雨

5時前から雨が降り始めます。気温は16℃、暑くも寒くもないコンディションです。

 

バスターミナル − 人出はありません

今日は天候悪化の天気予報が出ていて、さらに平日ということも重なり、訪れる方はご覧とおり皆無...

 

畳平も天候不良 今日はBダイヤ

畳平の気温は9℃と、山麓のほおのき平駐車場との開きはさほど大きくありません。おそらく、上空にも暖かい空気が流れ込んでいるのかもしれません。そして、昨日の段階で今日の午前中の降水確率が50%でしたので、今日は運行本数の少ないBダイヤ。ご覧になるとお分かりかと思いますが、時間帯によっては、2時間もの運行間隔があります。そのため、Bダイヤが適用された日は運行時間に注意が必要で、下山には時間に余裕を持ったスケジュールで行動されることをお勧めします。ただ、畳平発 下り最終便はどちらのダイヤも同じ16時50分です。(10月は15時50分)

 

シャトルバス始発便

平湯温泉を出発したシャトルバス始発便が到着します。6月までの始発便は、ほおの木平駐車場を6時55分に出発しますが、7月〜9月は一時間早い5時55分です。(10月は再び6時55分です)

 

ほおのき平からの乗客は2名のみ。小雨の続く中をシャトルバスは畳平に向けて出発です。

 

【乗鞍スカイライン】

平湯峠

それではここからは乗鞍スカイラインの様子をお伝えします。

 

三週間前の平湯峠付近
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2011/06/17〜18) @
今週の平湯峠付近
緑の密度が高くなる

乗鞍スカイライン沿道も6月中は所々に残雪が見られましたが、7月ともなると、その様子もかなり少なくなり、緑の美しい季節へと進んで行きます。こちらは平湯峠付近の様子ですが、三週間前に訪れた6月中旬と比べると、緑の密度がかなり高くなっている様子が伺えます。

 

三週間前の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2011/06/17〜18) @
今週の乗鞍スカイライン(4kmポスト付近)
 
三週間前の猫の小屋跡地
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2011/06/17〜18) @
今週の猫の小屋跡地
 

マイカー規制前にあった夫婦松料金所を1kmほど進んだ4kmポスト付近も、そして、標高2200m付近の猫の小屋跡地付近も、ご覧のように三週間前とはかなり緑の色合いに違いがあることがわかります。

 

森林限界

そして、森林限界を超えると、緑の変化に違いが見られることがわかります。

 

明暗の緑のコンビネーション

森林限界近くに達すると、広葉樹に加えて、落葉しない針葉樹が分布するようになり、針葉樹の深い緑と広葉樹の明るい緑のコンビネーションが楽しめるエリアとなっています。

 

霧の中に新緑が映える

森林限界付近では濃霧が流れ込むことが多く、深い緑の背景に水墨画のように立ち込める霧がモノトーンの世界を作り出し、そんな光景をバックに広葉樹の明るい緑はさらに輝きを放っているのです。

 

四ッ岳カーブ − 残雪が見られる 猫岳 − V字谷から霧がわきあがる

そして、乗鞍スカイラインの中でもっとも積雪量の多い箇所を通過する四ッ岳カーブは、さすがにまだ残雪が残っている様子が見られます。その向こうに見られる猫岳の斜面ではV字の谷から霧がわきあがってくる様子が見られ、霧に包まれている箇所と、その手前の霧から免れているところのトーンの違いが山を立体的に見せてくれて、こんなシーンを撮影するために、よい霧が立ち込める瞬間を待つカメラマンも多いのではないでしょうか?

 

桔梗ヶ原

7月ともなればそろそろ高山植物の季節。こちらの桔梗ヶ原の沿道をよく見ると...

 

コイワカガミ ミヤマクロユリ

コイワカガミが群生を作っています。かなりの密度で群生していますので、おそらく、シャトルバスの車窓からでもはっきりと見られることと思います。また、右の画像のようにミヤマクロユリもたくさん咲いています。しかし、通り抜ける車窓からこの様子を見ることはちょっと難しいかもしれません。

 

三週間前の鶴ヶ池雪渓
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2011/06/17〜18) @
今週の鶴ヶ池雪渓
雪解けが進み、滑走禁止

畳平に到着する手前に鶴ヶ池雪渓が広まります。岐阜県側で唯一滑走が認められているエリアです。滑走エリアは画像中央に見られる雪渓ですが、この雪渓に向かうためには周囲のハイマツ帯に立ち入らなければなりません。そのため、今シーズンの滑走はすでに禁止となっています。

今後は、長野県側の大雪渓のみが滑走可能エリアとなります。

 

畳平

鶴ヶ池雪渓を過ぎると、乗鞍スカイライン終点の畳平に到着です。 Next

 

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