ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.12(2013/07/27〜28) A

Top-page > Index > Page:   1  2  3  4  5  6

(Update:2013/08/01)

 

【観光センターから大雪渓へ、沿道の風景 U】

三本滝ゲート − この先マイカー規制

観光センターから7km先にある三本滝ゲート。マイカー規制はここから始まります。

 

かもしかゲレンデのニッコウキスゲ 見頃はそろそろ終盤

三本滝ゲートの隣のかもしかゲレンデには、ご覧のようにニッコウキスゲが咲いています。先々週から咲き始めましたので、そろそろつぼみの数もかなり少なくなってきました。おそらく今週で最後になるかと思います。

三本滝レストハウスの駐車場にマイカーを停めて、撮影にやってくる方も多く、状態のよい花を見つけ、三脚を構えてじっくりと撮影するカメラマンも少なくありません。

 

かもしかゲレンデを行く ヤナギランが赤くなってきた

さて、そのかもしかゲレンデをさらに進むと、ご覧のようにそろそろヤナギランの季節が近づいてきています。ただ、山麓の乗鞍高原のヤナギランはすでに見頃になっています。

 

道路わきの林の中 ゴゼンタチバナがまだ花をつけている

道路わきといえどもすぐ隣は林の中。そんな林を覗き込んでみると、林床を好む高山植物が数多く見られます。その代表格はゴゼンタチバナ。2週間前に花が咲きましたが、まだ、花をつけていますね。

 

2週間前のゴゼンタチバナ
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.10(2013/07/13〜14) A
今週のゴゼンタチバナ
実ができているのにまだ花が残る − 花ではなく総苞片だから

しかし、よく観察すると、4枚の花弁は残っているにもかかわらず、ご覧のように実が膨らみ始めています。花弁のように見える4枚は総苞片(そうほうへん)で、萼(ガク)を含めた花全体を包み込む器官です。

前のページでノリウツギの装飾花は萼であるため長く咲いていると申し上げましたが、ゴゼンタチバナの4枚の花びらは総苞片で、実ができても総苞片は落ちずに残っています。ノリウツギもゴゼンタチバナも本物の花弁ではないから長く残っている訳です。

 

カエデの葉 穂立ちする花 − オガラバナ

色彩豊かな目立つ花々が咲く中、カエデの木の中から、穂立ちする花が咲いている様子を見つけることができます。こちらはオガラバナ(麻幹花、カエデ科カエデ属)。秋になれば橙色に紅葉し、今よりももっと目立つ存在になるはずです。

オガラ(麻幹)とは皮を剥いだ麻の茎のことをいい、オガラバナの茎が麻幹のように柔らかいことから命名されています。また、別名を「ホザキカエデ(穂咲楓)」といい、右の画像のように穂のように咲く花の様子から呼ばれているようです。

 

二種類のカエデ(左・右)
葉っぱだけだと区別が付かない
一緒に見比べると違いがわかる
左:オガラバナ、右:ミネカエデ

よく似た仲間にミネカエデ(峰楓、カエデ科カエデ属)があります。オガラバナと花の形は全く異なります(ミネカエデはすでに実の時期となってしまいました)。しかし、葉の形はほとんど同じで、花期を逃すとその違いを見つけることが困難です。

ただ、右の画像のように並べてみると、ご覧のようにかなりはっきりと違いがあることがわかります。ミネカエデのほうが裂け目が深くなっています。県道乗鞍岳線沿道はオガラバナよりもミネカエデのほうが圧倒的に多い状態ですから、秋に黄色く紅葉したカエデ状の葉を見たらミネカエデと思ってもよいでしょう。

 

周辺の霧が抜け始める 冷泉小屋付近からは青空が

周辺に掛かっていた霧も、標高2230メートルの冷泉小屋付近までやってくると、青空がのぞき始めます。

 

位ヶ原山荘

さらに進んで標高2350メートルの位ヶ原山荘から先は森林限界となってきて、位ヶ原山荘を境に風景が一変します。

 

森林限界を超えて

位ヶ原山荘付近からは、周辺の木々が徐々に低くなり視界が開けてきます。

 

昨年の11号カーブ、ツアーコース入口
2012ノリクラ 雪渓カレンダーVol.12(2012/07/28〜29) @
今週の11号カーブ、ツアーコース
入口昨年より1週間遅い雪解け
昨年の位ヶ原お花畑
2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2012/07/28〜29) @
今週の位ヶ原お花畑
昨年より1〜2週間遅い雪解け

その先は位ヶ原の台地に到達します。台地といっても傾斜がないわけではなく、相変わらずの急勾配が続き、酸素が薄くなってくるため、ヒルクライムがさらに辛くなってくるエリアです。上段は11号カーブのツアーコース入口付近。先週と同様、昨年より1週間遅い雪解け。そして、下段は7号カーブの位ヶ原お花畑。こちらは昨年より1〜2週間遅い雪解けです。位ヶ原お花畑は、まだ大半が雪に閉ざされているため、高山植物の芽吹きはこれからです。

 

山頂付近に掛かっていた雲も抜け始めて、天候は回復傾向を見せ始めました。

 

5号カーブ − 昨年並み 4号カーブ − 昨年よりやや早い雪解け

宝徳霊神バス停のある5号カーブには、まだ積雪が残っていますが、その先の4号カーブは積雪はほぼなくなりました。5号カーブは昨年並みですが、4号カーブは昨年よりやや早い雪解けを見せています。

 

4号カーブを回ると大雪渓まであと少しです。

 

【観光センターから大雪渓へ、沿道の風景 V(ヒルクライム)】

取材二日目の7月28日(日) − たくさんのヒルクライマー(かもしかゲレンデ付近)

こちらは取材二日目の7月28日(日)の様子です。ご覧のとおり、たくさんのヒルクライムの方々が続々とやってきています。

 

午前中でヒルクライマー200名以上 − 今期一番の人出

午前中だけで200名以上のヒルクライマーが訪れました。もちろん、今シーズンが始まってから一番の自転車台数で、おそらく、シーズンを通してみても、これを上回る状況はほとんどないと考えられます。

 

シャトルバスが通過 − ぎりぎりすれすれ ヘアピンカーブは道幅いっぱい −通過まで一旦立ち止まる

県道乗鞍岳線(エコーライン)は三本滝ゲートから山頂方面はマイカー規制となっていて、ヒルクライマーには人気のコースとなっています。しかし、ご覧のように大型のシャトルバスが運行されていて、「自転車天国」というわけには行きません。

県道乗鞍岳線は道幅が狭い箇所が多く、全長が10〜12メートルもある大型バスの場合、道幅いっぱい使わないとヘアピンカーブを曲がりきることができません。そのため、バスが通過する際は細心の注意を払うと共に、場合によっては、バスが通過するまで一旦立ち止まるように心がけて下さい。

 

 ノリクラ一番の激坂
26号カーブ、荒田沢橋〜冷泉小屋間
二人乗り自転車(タンデム)
両者のペダリングが合わないと前に進まない

200台以上の自転車がやってくる中、本日一番の注目株はこちら...一人でこぐよりも二人のほうが馬力があってよさそうなものの、二人乗り自転車(タンデム)でのヒルクライムはかなりつらいとのこと。

左の画像は、県道乗鞍岳線の中でももっとも急勾配箇所である26号カーブ。ヘアピンカーブの前後の高低差をご覧になれば、勾配の厳しさは想像できることと思います。

 

気温12℃ − 長袖ジャージでもよいくらい、でも熱中症にも注意!

そんなつらいヒルクライムもきれいなロケーションが広がってくると、厳しさも忘れてしまうものです。この日の気温は12℃ほど。長袖のサイクルジャージでもよいくらいのコンディションです。

ここで、ヒルクライムにお越しの方へのアドバイスを申し上げます。

 

【ヒルクライマーへのアドバイス(レインウェアの持参、熱中症と水分補給可能場所、下山走行の注意点)】

レインウェア(防寒着)の持参 − 天候の急変と下山時の寒さを防ぐため

本格的にヒルクライムシーズンが始まり、晴れていれば下りでも全く寒さを感じない状態となってきました。しかし、天候状況によっては防寒着が必要となることが多く、軽量化のために荷物を減らしたとしても、レインウェアなどの装備は必ず持参して下さい。

熱中症予防と水分補給などの可能な場所

気温が低くても、熱中症には十分注意してください。特に水分補給が十分でない場合は途中で補給するようにしてください。

場所(観光センターからの距離、標高)

飲料水

売店(スポーツドリンクなど)

トイレ

三本滝レストハウス(7km地点、標高1800m) ○ (営業時間内) ○ (営業時間内) ○ (公衆トイレ)
位ヶ原山荘(15km地点、標高2350m) ○ (営業時間内) ○ (営業時間内)
大雪渓(18km地点、標高2600m) △ (沢水) × ○ (公衆トイレ)
終点畳平(20km地点、標高2702m) ○ (営業時間内) ○ (営業時間内) ○ (公衆トイレ)

持参したボトルがいつも以上に少なくなったときは、安全のため、上記の場所で水分補給をして下さい。上記の場所については、ノリクラガイドマップ 県道乗鞍岳線カーブ番号版 を参照して下さい。

めまい、失神、早い脈、筋肉の痙攣など、体調不良を感じたらムリに下山せず、周囲の走行者、バス・タクシーなどに救助を求めて下さい。(下山走行中に体調悪化して転倒事故の可能性あり。)

下山はキープレフトと徐行運転

今回も対向車線寄りを下山走行する自転車が多く、ヘアピンカーブで危険な状況に何度も遭遇しました。先の見えないヘアピンカーブを降りるときは、できる限り左側によって徐行するように心がけて下さい。スピードに任せて下山走行すれば、命がいくつあっても足りません。 Next

 

Copyright (C)   乗鞍大雪渓WebSite

Top ||   <<Back  1  2  3  4  5  6  Next>>