ノリクラ 雪渓カレンダー
 
Vol.18(2013/09/07〜08) @

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(Update:2013/09/12)

 

9月最初のノリクラ雪渓カレンダーをお届けします。
全日本マウンテンサイクリングin乗鞍が終わると、季節的にも気分的にも秋モードへ移行します。朝晩はもちろんのこと、日中でも暑さが気にならなくなってきて、季節の移り変わりを肌で実感できるようになって来ました。

取材一日目の9月7日(土)は、山頂が赤く染まった朝を迎えました。しかし、天候が良かったのも早朝だけで、9時過ぎには雨が降り始めてしまいました。大雪渓付近は雨と濃霧が交互に繰り返される状況です。マウンテンサイクリング大会が終了すると、お越しになるヒルクライマーは少なくなりますが、大雪渓前を通過するヒルクライマーが結構いらっしゃいます。ただ、皆さんびしょ濡れ...登っている間は良いものの、下りはかなりの寒さだったと思います。午後になると、雨と風が強くなり、その後は霧が濃くなって、天候の回復が全くなかった一日でした。

取材二日目の9月8日(日)は、朝から雨で、乗鞍スカイラインは雨量規制まであとわずかという状況。早朝は小雨だったものの、8時頃からやや激しい雨降りとなり、乗鞍スカイラインは9時に雨量規制通行止めとなり、シャトルバスも9時便で運休となりました。そのため、大雪渓にお越しに方は皆無。さらには10時頃になると大雪渓周辺には、いつもは見られない無数の滝が発生して濁流が激しく流れ落ち、道路も川のような状態になるほどでした。この大雨も午後には小康状態となり、夕方になるときれいな青空が広がり、大雨だったことすら忘れさせてしまうような一日の締めくくりとなりました。

9月に入りましたので、今週より紅葉情報をお伝えします。例年、紅葉は9月中下旬頃から見頃が始まりますので、現時点では部分的な色付きはあっても、紅葉が始まった様子は見られません。そのため、現時点では、紅葉が例年より早いのか遅いのか、また、良し悪しも推測できる状況ではありません。

大雪渓の積雪量は、先週と同様に昨年よりも多い状態が続いています。入口付近の雪渓下部は例年なら積雪がなくなるところですが、40メートル四方の大きさがあって、昨年より2〜3週間ほど遅い状態です。また、雪渓上部も全体的には昨年より3週間程度遅く、例年滑走不能となる雪渓上部右側も、まだ十分な広さが残されています。

 

◎ 今回の目次

Page-1 : 【9月7日(土)、観光センター前駐車場】       【観光センターから大雪渓へ、沿道の風景 T】
Page-2 : 【観光センターから大雪渓へ、沿道の風景 U】       【大雪渓に到着】       【雪渓下部 T】
Page-3 : 【雪渓下部 U】       【雪渓下部 V】       【雪渓中段】
Page-4 : 【雪渓上部 T】       【雪渓上部 U】
Page-5 : 【紅葉情報−大雪渓付近(標高2600〜2700m付近)】       【紅葉情報−宝徳霊神〜位ヶ原付近(標高2500m付近)】
Page-6 : 【紅葉情報−位ヶ原山荘付近(標高2350m付近)】       【紅葉情報−冷泉小屋〜魔利支天付近(標高2220〜2000m付近)】       【昨年の今ごろは?】       <編集後記>「8月の気温とこれからの気温の推移 − 今後の紅葉に一喜一憂」

【県道乗鞍岳線建設の「拓峰の碑」(三本滝ゲート)】     (Page-2)

●参考資料●
(位ヶ原・大雪渓・山頂方面 概要) − ノリクラガイドマップ(春〜夏スキー 山頂版)
(県道乗鞍岳線 概要) − ノリクラガイドマップ(県道乗鞍岳線カーブ番号版)

  

 

【9月7日(土)、観光センター前駐車場】

観光センター前駐車場

早朝6時の観光センター前駐車場。9月に入って、さらに日の出が遅くなり、この時間帯にならないと周囲が明るくなってきません。

 

5時30分、ようやく日の出

そして、こちらは日の出直後の5時30分頃の様子。ノリクラの峰々が赤く燃えて、東の空は朝焼けに染まっています。今日は一日の中でもっとも天候がよかったのは、この一瞬だったといってもよい状態でした。

お盆があけてから、週末ごとに天候が悪化するサイクルに陥っているようで、これからは周期的な天候の変化を繰り返す時期に入るため、しばらくこの傾向が続く可能性があります。

 

今日は訪れる方はまばら

夏休みが終り、また、来週からは3連休が始まるため、今週は端境期となります。また、天気予報もあまり芳しくない状況を伝えていることもあり、今週の観光センター前駐車場は閑散とした状況です。

 

シャトルバス始発便

上部エリアは強風が吹いているものの雨もなく、岐阜県側の乗鞍スカイラインは通行可能で、シャトルバスも通常運行が始発便から開始されます。

 

乗務員の方も防寒着を あたたかい格好で!!

乗務員の方は防寒着を羽織っていますね。いくら始発便といえども、先月までなら考えられない格好です。シャトルバス乗車券発売所の窓口ホワイトボードには「(畳平)気温 6:00 7℃、寒いのであたたかい格好で!!」と記されています。

なお、ご来光バスは9月から出発が30分遅くなり、観光センター4時10分発となります。また、シャトルバスの運行は9月末までです。

 

秋の気配が少しずつ たわわに実る

9月となれば、そろそろ秋の気配が感じられる季節。観光センターの木々をよく見てみると、ご覧のように実がたわわになっています。

 

ズミの実
これから赤く熟す
ズミの花(6月上旬)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.5(2013/06/08〜09) @

こちらの実は6月上旬にご紹介したズミ(酢実、別名:小梨)の木で、そのときは右の画像のように白い花をつけ、「ズミは秋には黄色または赤い小さな実をつけますが、その実が酸っぱいことからズミ(酢実)と呼ばれています。」と、コメントしております。

現時点ではまだまだ青い実ですが、これから赤く熟して行くことと思います。夏の花の時期が終わって、秋は結実と紅葉の季節が待っています。

 

【観光センターから大雪渓へ、沿道の風景 T】

それでは、ここからはいつものように沿道の様子をお伝えします。

 

鈴蘭バス停前 カエデが赤く貼り始める

こちらは観光センターを出発してすぐのところにある鈴蘭バス停。カエデが赤く紅葉し始めています。鈴蘭バス停のカエデは、8月からすでに赤くなり始める特徴があり、今年が特に早いわけではありません。

 

隣のカエデは丸裸 − サルの被害
=車外に食べ物やゴミの放置は厳禁=

今回お伝えしたいのは、紅葉し始めたということではなく、その左隣の丸裸のカエデ。以前はこちらもきれいな紅葉を見せてくれました。紅葉を始めた隣のカエデとまるで姿形が変わってしまった理由は、サルに木の皮を食べられてしまったためです。ご覧のように幹を見ると、無数に剥ぎ取られてしまった跡が残されています。

乗鞍高原一帯には、サル・イノシシやクマが普通に生息していて、たまたま、観光客などの人の目に触れていいないだけの状態です。観光センターなどではマイカーの下や屋根などにゴミなどを放置する様子がよく見られますが、不用意に野生動物を接近させる行為になりますので、車外には食べ物・ゴミを放置することは絶対に行わないように心がけて下さい。

 

県道乗鞍岳線(スキー場前バス停〜善五郎の滝駐車場間) − 拡幅工事が続く

スキー場バス停から善五郎の滝駐車場までの区間では、道路の拡幅工事が行われています。かつてはバス1台がやっと通行できる程度の狭さでしたが、左の画像のように斜面を削って拡幅し、さらには、右の画像のように掛橋と敷設して、大型車両の対向通行が容易にできる状態まで工事が続けられています。

マイカー規制後、シャトルバスなどの大型車両が通行できるように、拡幅工事が進められてきましたが、この区間の工事が終了すると、畳平までの全線で、ほぼ問題なく大型車両の通行ができる状態になります。

 

木々の色合いに変化が

夏の濃い緑から、少しずつ木々の緑に色合いの変化が感じられる状態となってきました。

 

赤い実がたわわに

しかし、葉の色合いの変化をよく観察していると、それ以上に大きな変化があることに気付くはずです。こちらの木々には赤い実がたわわになっていますね。

 

 

カンボクの花(6月中旬)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2013/06/21〜22) C
カンボクの実(今週)

これからの季節は赤い実ができる木々はたくさんあるので、判別がなかなか難しい状況かと思います。こちらはカンボク(肝木、スイカズラ科ガマズミ属)。左の画像に写る中心部分の小さな一つ一つの花が、赤い実を作っています。外側を縁取る花は装飾花ですから、実ができることはありません。葉が3裂になっているところが、見分けるための一つのポイントとなるでしょう。

 

ナツツバキの花(7月中下旬)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.11(2013/07/20〜21) @
ナツツバキの実(今週)
ノイバラの花(7月中旬)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.10(2013/07/13〜14) @
ノイバラの実(今週)
これから赤く熟す

夏に数多く咲いていた木々たちが実をつける様子があちこちで見られるようになって来ました。上の段はナツツバキ(夏椿、ツバキ科ナツツバキ属)。ヤブツバキなどの冬の椿は、椿油が取れますが、こちらの実から油がとれるという記述を見つけることはできませんでした。

また、下の段はノイバラ(野茨、バラ科バラ属)。ご覧のように実はまだ青い状態ですが、これから赤く熟して行きます。同じバラ科ですから、ナナカマドの実に似ています。しかし、枝には鋭い棘があるため、ナナカマドと見間違えることはまずないでしょう。 Next

 

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