ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.16(2014/08/23〜24) E

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(Update:2014/08/28)

 

【8月24日(日)、雨降りから青空へ、天候変化の激しい一日】

シャトルバス始発便 − 朝一番は青空が広がる

最後のページでは、取材二日目の8月24日(日)の一日の様子をお伝えします。こちらはシャトルバス始発便。先ほどまでの曇り空から青空が広がり始めました。

岐阜県側の乗鞍スカイラインは上部濃霧のため、自転車通行が規制されていますが、シャトルバスは両県ともAダイヤでの運行が始まりました。また、昨日の熊出没関連の入山規制はすべて解除されていて、今日は入山規制箇所はありません。

 

7時過ぎから雨が降り始める 8時前には土砂降りに

このまま天候が回復するかと思ったものの、7時過ぎから雨が降り始め、8時前には土砂降りに...

 

アスファルトが煙るほど激しい降り方に

激しい雨の降り方で、アスファルトが煙る様子も見られました。
昨日は始発便の前に同じような降り方があって、始発便の出発のタイミングに合わせて、急速に天候が回復しました。この降り方もそのときと同じような雰囲気です。

 

9時には雨が収まる − 山麓から雲が湧き上がる

この雨は1時間ほどで収まります。9時の三本滝の気温は19℃。この時点で、自転車は数十台登って行ったものの、先ほどの大雨でその大半は下山されたとのこと。天候の回復と同時に、山麓からは雲が一斉に湧き上がる様子が見られます。昨日も天候の回復と同時に同じような現象が見られ、今日も同じ経過をたどっているようです。

 

35号カーブ手前で道路の陥没

三本滝ゲートからペアピンカーブ二つ目の35号カーブ。その手前にご覧のように道路中央に穴が開いています。

35号カーブの場所
【参照】ノリクラガイドマップ
県道乗鞍岳線カーブ番号版
現時点ではシャトルバスなどの運行に支障はない

35号カーブの位置はこちらの地図をご確認下さい。(→ ノリクラガイドマップ 県道乗鞍岳線カーブ番号版
現時点では、シャトルバスなどの交通に支障となる状況ではありませんが、穴の開いた部分はアスファルトの下が大きな空洞になっていて修復工事が必要な状況です。なお、ご覧のようにパイロンで規制されていて、自転車の下山走行では、35号のヘアピンカーブを抜け切った先にパイロンがありますので注意が必要です。

 

「先日はパンク修理でお世話になりました。後からもう一人...」

大きく手を振るこちらのヒルクライマー。「先日はパンク修理でお世話になりました。後からもう一人登ってきますから...」

 

「さっき行ったのは、先日パンクした人だ!Webで載ってたぞ!」

その数分後、「さっき行ったのは、先日パンクした人だ!Webで載ってたぞ!」...そんな一瞬のやり取りですが、結構楽しいものです。さて、そのWebですが、もちろんノリクラ雪渓カレンダーのことで、ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.14(2014/08/09〜10) A の中ほどに掲載させていただきました。

そして、9時前あたりからの天候の回復で、続々とヒルクライマーがやってきます。開門から9時までの間に三本滝ゲートを通過した自転車は、10台程度しかなかったものが、12時時点で74台をカウントしています。雨上がりと同時に次から次へと訪れるヒルクライマーの様子は、まさに雨後の筍という言葉を連想させました。

 

位ヶ原山荘、この付近から風が強くなる

標高2350メートルの位ヶ原山荘。ちょうどこの付近から風が強くなってきます。

 

ここからが県道乗鞍岳線のメインステージ

この先の県境までが県道乗鞍岳線のメインステージ。山岳道路といわれる風景が広がります。

 

青空と雲の躍動感

山麓と比べて、空により近い森林限界の領域ですから、青空と雲の躍動感を間近に感じられるもの...

 

青空に向かって駆け上がる

雲ひとつない真っ青な快晴の空にめぐり合えたら、これ以上の状況はないと考えるのが一般的でしょう。しかし、今日のような千切れた雲が微妙に浮かぶ光景は、快晴とは異なった趣の光景です。

そして、9月第一日曜日(今年は9月7日)に開催される全日本マウンテンサイクリングin乗鞍に向けて、選手の方々のトレーニングが続けられます。

 

大雪渓のスキーヤー − いつもの常連の面々

さて、こちらは大雪渓。雪渓上部左側のバーンでは、夏スキーの常連がいつものようにお越しになっています。大雪渓の中でも雪渓上部左側は最後まで積雪が残るバーンですがかなりの急斜面で、今後、気温が低くなるとバーンが硬くなりますので、初心者や雪渓での滑走になれていない方は、ご遠慮下さい。

 

大雪渓ではモミジカラマツが見頃 コバイケイソウの群生には花が一つもない−今年ははずれ年

また、大雪渓一帯では、高山植物が咲き誇っています。ちょうど見頃を迎えているのはモミジカラマツ。ちなみに右の画像はコバイケイソウの群生ですが、こちらは全く花が咲いていません。

 

昨年のコバイケイソウの群生 − 昨年は当たり年
速報 2013/08/15

こちらはほぼ同じ箇所の昨年の様子。見事にコバイケイソウが咲き乱れています。コバイケイソウは数年おきに当たり年とはずれ年があります。昨年は「大当たり年」といっても良いほどでしたが、今年は言うまでもなくはずれ年です。ただ、はずれ年でもまったく咲かないということではなく、数が少ないという程度にとどまっているのがこれまでの傾向でした。今年のように全滅状態は非常に珍しいことで、昨年の「大当たり年」の反動でしょうか...

 

モミジカラマツ
花弁はなく雄しべの集まり
ガクは開花と同時に脱落

さて、モミジカラマツに話を戻して、何本もの糸状に集まっているのは雄しべで、モミジカラマツには花弁はありません。またガクもありません。しかし、、ガクはつぼみの外皮ですから、花弁のように元々なかったというわけでには行きません。モミジカラマツのガクは開花と同時に脱落し、その様子がちょうど右の画像からわかります。

 

スキーをするにしても、昼寝をするにしても、心地よい気候

正午の大雪渓の気温は14℃。スキーをするにしても、雪渓に横たわって昼寝するにしても、心地よい状態が続きます。ただ、こんな風にのんびりできるのもあとわずか。今後は心から冷え込む日が徐々に多くなって行きます。

そんな状態になっても、常連のスキーヤー・ボーダーの方々は、夏スキーならぬ秋スキーといってもよい時期まで通い続けることでしょう。お盆が終わってもノリクラのシーズンはまだまだ続きます。

 

【昨年の今ごろは?】

2013ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.16(2013/08/24〜25)

お盆期間中は晴天が続き、お盆が終わっても猛暑の毎日でしたが、この週末はこの晴天もどうやら一休み...全日本マウンテンサイクリングin乗鞍まであと1週間の大事なときに、大雨のために通行止めとなってしまいましたので、「お天道様の一休み」なんて のんきな状況ではありません。

取材一日目の8月24日(土)は、明け方に少し雨が降ったものの、日中に関しては穏やかな状況と言えます。ただ、日付が変わる前までの状況がひどく、23日(金)はお昼ごろから雨が降り始め、道路が川になるほどのひどい豪雨、そのため、シャトルバスは14時で運休となりました。そして、夕方から夜にかけては激しい雷雨となり、一夜明けた本日は、県道乗鞍岳線、及び、乗鞍スカイラインは雨量規制のため通行止め、特に乗鞍スカイラインでは、夕方になっても24時間累積雨量が規制を下回らないことが確実な状況のため、朝一番から終日通行止めと発表するほどでした。長野県側の県道乗鞍岳線は、宝徳霊神バス停付近や大雪渓駐車場付近、及び、富士見沢周辺で道路に土砂が流れ込んで、終日通行止めとなっていましたが、午後のパトロールで安全が確認され、15時30分に通行止め解除となりました。

取材二日目の8月25日(日)は、小雨の朝を迎えます。県道乗鞍岳線は通常通り6時からの開通となりましたが、乗鞍スカイラインは6時30分からの開通となり、シャトルバスの運行は7時から開始となりました。しかし、上部エリア濃霧のため、乗鞍スカイラインでは自転車の通行はできない状況が終日続きました。雨は周期的に強弱を繰り返し、大雪渓付近ではさらに濃霧がひどく、気温が10℃程度しかなかったため、じーっとしていると寒さを感じる状況。この天候ですから、大雪渓に訪れるスキーヤーも少なく、雪渓上部左側のモーグルコースに至っては、全く訪れるスキーヤーのいない状態でした。それとは逆に、全日本マウンテンサイクリングin乗鞍まで1週間となり、最後のトレーニングに訪れたヒルクライマーがびしょ濡れで登る様子が終日続きました。午後になって、雨は収まるものの濃霧は続き、生憎の一日となってしまいました。

 

<編集後記>

「若い人たちを牽引する...若い人たちが牽引する...」

スキーや登山においては、若年層の減少が見られるようになってからもうかなりの年月が経ちます。しかし、最近ではバブル時代のスキーヤーが親子連れでスキー場にリバイバルする現象や、山ガールという言葉に代表されるように、若い世代にも登山ブームが訪れています。

19歳の人だけスキー場のリフト券を無料で提供するなど、若年層へのてこ入れをする取り組みが各地のスキー場でも実施され、Mt.乗鞍でも行われています。やはり、今後のことを考えると、若い人の来場に期待するところが大きいと思います。仮に20歳になって止めてしまったとして、前述のように親子連れで再びスキー場に訪れるように長い目で見る必要があるかと思います。

夏シーズンにおいても、社会に出る直前の若年層を呼び込む取り組みがあってもよいのではと思うのです。現地で取材していると、スキー、登山、ヒルクライムなどは、幅広い年齢層にわたる競技であるのに対し、自転車で各地を旅するサイクリストは若年層が大半を占めていることを特に感じます。彼らの中には、ノリクラという日本一高いところをぜひとも克服したいと考えているケースが多く見られます。彼らはおカネは落とさない客層かもしれませんが、そういう目先の問題ではなく、先を見据えた取り組みが必要と感じます。彼らにとってよいと感じられるものがあれば、それ以外の層に対しても利便性が感じてもらえるはずです。

若い人たちを牽引すれば、今度は若い人たちに牽引してもらえる...そう考えたいですね。

 

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