ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.7(2016/06/25〜26) A

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(Update:2016/06/30)

 

【春山バス、大雪渓に到着】

大雪渓に到着 −気温9℃、濃霧、視界30〜50メートル

春山バス始発便が到着した8時過ぎの大雪渓の気温は9℃、雨はほぼ収まっていますが、視界は30〜50メートル程度しかない濃霧です。

 

寒さに慌ててアウターを羽織る

少し北風もあって肌寒く、急いでアウターを羽織る様子があちこちで見られます。ノリクラでは夏になっても防寒着・グローブの傾向は必須で、急な降雨のためレインウェアも必須です。ですから、防寒着と雨具が兼用になるものを持参されることをお勧めします。

 

準備が整えば雪渓へと出発します。

 

「ちょっと無理じゃねぇ〜」 避難小屋へ

しかし、こちらのお二人、全く見えないバーン状況と肌寒さに少し躊躇されている模様...ちょっと迷われた結果、結論としては天候回復を待とうということで避難小屋に

 

避難小屋はオアシス

避難小屋はマイカー規制以降、登山者などが悪天候時に避難する場所がないことから建てられましたが、避難小屋があるおかげで、突然の悪天候時でもやり過ごすことが可能になりました。多くのスキーヤー・ボーダーの方々にはなくてはならない施設です。右の画像は翌日6月26日(日)の様子ですが、気温はさらに低く雨も降る状況のため、本日以上にたくさんの方が避難小屋に駆け込んでいました。

 

強風でバリケードが転倒するほど

さて、今日は終日濃霧で風が時間とともに少しずつ強くなって行きます。大雪渓より先の通行止めを示すバリケードもご覧のように風で転倒してしまうほど...こんな状況でも、雨に降られませんでしたから、何とか一日を送ることができました。

 

【雪渓下部 T、雪渓中段】

大雪渓入口 縦溝は少なくなる

ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。気になる縦溝ですが、細かなものは残っているものの、バーン整備をすれば滑走可能で、そのままでも滑り込めば、何とか滑走できるレベルと考えてください。

 

氷柱(たけのこ)が目立つ(雪渓中段〜雪渓下部)
=スキーキャンプ実施には鍬でバーン整備をお勧めします=

雪渓中段から雪渓下部にかけては、縦溝よりも再氷結による氷柱(たけのこ)がやや目立ってきました。まだ大きなものではないものの、今後成長して行きますので、スキーキャンプなどでお越しの方は、鍬でバーン整備をされることをお勧めします。

 

今回と同じ積雪量の昨年画像(7月下旬47メートル)
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.14(2015/08/08〜09) B
先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.6(2016/06/17〜18) E
今回の大雪渓入口
昨年より6週間早く、例年の8月上旬〜中旬並み

雪渓下部は右上の先週画像と比べると、岩の頭が若干見られます。昨年より6週間早く、例年の8月上旬〜中旬並みの積雪状況です。

 

今回と同じ積雪量の昨年画像(8月上旬65メートル)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.14(2015/08/08〜09) B
先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2016/06/17〜18) E
今回の大雪渓入口(63メートル)
昨年より6週間早く、例年の8月上旬〜中旬並み

岩の帯の先端から車道までの距離は車道からの距離は63メートル。昨年より6週間早く、例年の8月上旬〜中旬並みの状況です。

 

今回と同じ積雪量の昨年画像(7月中旬)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.11(2015/07/18〜19) B
先週の登山道入口
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2016/06/17〜18) E
先週の登山道入口
昨年より3週間早く、例年の7月下旬並み

大雪渓入口から北へ50メートルほどの所に肩の小屋への登山道入口があります。昨年より3週間早く、例年の7月下旬並みの状況。

 

今週の登山道入口(隙間9メートル)
昨年より4週間早く、例年の8月上旬並み

車道との間の隙間は9メートル、昨年より4週間早く、例年の8月上旬並みです。

 

登山道の傍らを見ると

入口付近では雪解けに伴い、登山道が姿がをあらわし、現在50メートル先まで雪解けが終わっています。そしてその傍らに目を向けると...

 

シナノキンバイ(中央)とコバイケイソウ(左) シナノキンバイはつぼみ
昨年より3週間早く例年の7月中旬並み

シナノキンバイが今にも咲きそうな勢いです。昨年より3週間早く、例年の7月中旬並みの状況です。左に見えるのはコバイケイソウ。昨年の大雪渓のコバイケイソウは花が少ない年でした。さて、今年の大雪渓のコバイケイソウは当たり年になってくれるでしょうか?コバイケイソウの開花は当たり年・はずれ年があって、図鑑などでは1年おきといわれていますが、大雪渓に関しては連続して当たり年だったりすることもあって、必ずしも法則通りとはいかないようです。

 

大雪渓から肩の小屋への登山道 積雪区間

大雪渓から肩の小屋への登山道の途中には、ご覧のように積雪区間が残っています。

 

積雪区間は45メートル、例年の7月中下旬並み 積雪期は急斜面区間を迂回してもOK

積雪区間は45メートルほどで、例年の7月中下旬並みの状況。おそらく、あと2週間程度でほぼ積雪はなくなると思います。また、この区間は比較的急斜面ですので、積雪のあるうちは雪渓内を迂回してもよいと思います(画像右)。

その場合、右の画像の青線ルートのように大雪渓入口から、緩い斜面を選んでモーグルコースの岩方面に向かうことをお勧めします。ただ、これは雪渓下部に積雪が残る時期までのことで、無雪期の夏山シーズンになったら、登山道のルートから逸脱されないようお願いいたします。また、青線ルート上ではスキーヤー・ボーダーが滑走されている場合がありますので、徒渉は滑走者への配慮していただき、濃霧でモーグルコースの岩方面が不明瞭なら、正規の登山道から入山するようお願いいたします。

 

今回と同じ積雪量の昨年画像(7月下旬)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2015/07/25〜26) B
先週のモーグルコースの岩
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2016/06/17〜18) E
今回のモーグルコースの岩
昨年より4週間早く、例年の7月中下旬並み

岩場がゴツゴツとしている大雪渓も、厳冬期以降はすべてのものが雪に閉ざされてしまいます。春になって雪解けが進んで最初に姿をあらわすのが画像の中央に写るモーグルコースの岩です。そのためモーグルコースの岩は、大雪渓の積雪量・雪解け状況を最も早く観測できるバロメーターとなります。7月になるとこの付近にモーグルコースが作成され、多くのスキーヤーが集まることから、モーグルコースの岩と呼称させていただいております。

積雪状況は、昨年より4週間早く、7月中下旬並みです。

 

今回と同じ積雪量の昨年画像(7月中下旬)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.11(2015/07/18〜19) B
先週の石碑の岩
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2016/06/17〜18) E
今回の石碑の岩
昨年より3週間早い雪解く、例年の7月上中旬並み

そして、モーグルコースの岩から南へ約100mほどのところに、大雪渓で二番目に姿をあらわす岩があります(石碑の岩)。昨年より3週間早い状況で、例年の7月上中旬並みです。

 

チングルマ−開花、昨年より4週間早い

こちらは毎年定点でお伝えしている石碑の岩にあるチングルマ。3週間前から芽吹きましたが、先週はつぼみができ、今週は開花となりました。昨年より4週間早い状況です。ただ、芽吹きが始まってから、つぼみ・開花に至るまでのスピードは例年と変わりありません。

 

今回と同じ積雪量の昨年画像(7月中下旬)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.11(2015/07/18〜19) B
先週の岩の下部のバーン
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2016/06/17〜18) E
今回の石碑の岩の下部のバーン
昨年より3週間早い雪解け、例年の7月中下旬並み

石碑の岩の下部のバーンでは、中央部分の岩やその周辺の状況から、昨年より3週間は早く、例年の7月中下旬並みの積雪状況です。

 

今回と同じ積雪量の一昨年画像(7月下旬)
2014ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2014/07/26〜27) B

昨年の石碑の岩 南側(雪渓上部→下部下山滑走箇所)
ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.6(2016/06/17〜18) E
回の石碑の岩 南側(雪渓上部→下部下山滑走箇所)
昨年より3週間早く、例年の7月中下旬並み

石碑の岩の南側には雪渓上部から雪渓下部へ滑り降りるエリアがあります。昨年より3週間早く、例年の7月中下旬並みで、あと1週間程度は雪渓上部から下部への下山滑走が可能かと思います。

 

雪渓中段の全景

こちらは雪渓中段の全景画像。中央の大岩に注目してみると...

 

今回と同じ積雪量の昨年画像(7月下旬)
ノリクラ 雪渓カレンダーVol.12(2015/07/25〜26
今回の中央の大岩
 

こちらが中央の大岩、昨年より4週間早い雪解け、例年の7月中旬並みです。

 

雪渓中段 − あと2週間ほど滑走可能

雪渓中段は雪渓上部から下部への下山滑走の途中にありますが、現時点ではまだ滑走可能ですが、あと2週間程度で分断されると推測されます。

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