ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.4(2018/06/02) B
【大雪渓から稜線へのアクセス、蚕玉岳〜朝日岳稜線】
全景画像 |
今年の大雪渓から山頂方面の積雪状況は、例年と比べて山頂・稜線付近の積雪が少なくなっていることが目立つところです。
剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線 楕円箇所が途切れると滑走不能に |
蚕玉岳〜朝日岳稜線 楕円箇所が途切れると滑走不能に |
左の画像は剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線、右の画像は蚕玉岳〜朝日岳稜線ですが、楕円形で示す最も狭くなっているいずれの箇所も、昨年より3週間ほど早い雪解け状況で、おそらく、次週末には積雪が途切れる可能性があります。
そして、右の蚕玉岳〜朝日岳稜線では全体的に雪解けが進んで、ほどんど積雪がない状態となっていて、極端に積雪の少なかった2016年に近い状況を見せています。
大雪渓から稜線へ |
この時期は大雪渓の左上から稜線に向けて直接登るルートが最もわかりやすいですが、その分、斜度もきついため、体力に自信がないとちょっと辛い所...
ガマンしてピッケルで登るのはちょっと辛い? |
そんな中、相方さんが遅れ始めています。お話をお聴きすると、ストックを忘れた彼女に自分のものを貸してあげたようで、短いピッケルに体を預けて登るのはシンドイようです...。それでもガマンして登るのはオトコの辛い所でしょうか?(笑)
柔らかい雪面はシールが効きにくい − スキーを背負ってツボ足で |
今日は午前中はしっかりとした日差しがあって、バーン表面がかなり柔らかい状態となりました。春スキーのゲレンデに近いコンディションです。そのため、シールで登攀する場合は、下地までしっかり蹴り込みながら登る必要がありますが、蹴り込みが弱いとズルっと不用意に滑ってしまいます。今日はそのような状況が多発し、スキー板を背負って、ツボ足で登るスキーヤーの姿が多くみられました。
いくらグサグサになっても、厳冬期のような沈み込みはありませんので、シールやスノーシューよりも、ツボ足やアイゼンのほうが、登りやすい状況だったかもしれません。
蚕玉岳〜朝日岳稜線 |
蚕玉岳〜朝日岳稜線は、先ほども申し上げたように雪解けがひどく、昨年より3〜4週間ほど早く、積雪が極端に少なかった2016年より、2週間程度遅い状況です。
最も狭い所で幅15メートル − 次週末には途切れる可能性が高い |
そのため、滑走ルートは稜線からというよりも、右寄りの朝日岳直下からスタートする形となります。そして、このページの冒頭でも申し上げたように、最も狭くなっている箇所は幅が15メートルほどしかなく、次週末には途切れる可能性が高く、そうなると、稜線からの滑走はできなくなります。その場合、摩利支天岳から大雪渓に滑り降りる急斜面で楽しむことになりますが、おそらく、こちらもそれほど長くは滑られないと思われます。
登山道が出始める |
雪解け部分には登山道が見えていて、この先、剣ヶ峰方面に向かう方は、ここで一旦スキー板を外して行くことになります。
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先週の権現ヶ池 ノリクラ 雪渓カレンダーVol.3(2018/05/26) B |
今回の権現ヶ池 昨年より3週間早い雪解け |
こちらは御岳の二ノ池に次いで国内2番目の標高に位置する権現ヶ池(ごんげんがいけ、標高2845m)。先週とあまり状況が変わっていませんが、おそらく、昨年より3週間ほど早い雪解けです。(昨年は濃霧のため画像がありません)
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2017年の蚕玉岳〜朝日岳稜線 2017ノリクラ 雪渓カレンダーVol.4(2017/06/03) C |
今回の蚕玉岳〜朝日岳稜線 昨年より2週間早い雪解け |
こちらが稜線部分。手前が朝日岳方面で、画像に写るなだらかなピークが蚕玉岳、それに続く奥のピークが主峰の剣ヶ峰です。こちらも昨年より2週間ほど早い雪解けです。
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2017年の朝日岳 2017ノリクラ 雪渓カレンダーVol.4(2017/06/03) C |
昨年の朝日岳 昨年より4週間早い雪解け |
朝日岳も昨年より4週間ほど早い雪解けです。
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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