ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.7(2018/06/23) C
【稜線へのアクセス】
山頂方面全景 | 登山道上の積雪区間は60メートル |
大雪渓は昨年と比べて1〜2週間ほど早い雪解けですが、右の画像のように山頂登山道の積雪区間は60メートルしか残ってなく、山頂方面は昨年より2週間以上早い状況です。
肩の小屋方面 −例年より1週間早い雪解け |
大雪渓から直接稜線へ登るルートはありませんので、肩の小屋を経由して山頂を目指すことになります。肩の小屋周辺は例年より1週間程度早い雪解けです。
キバナシャクナゲ |
コイワカガミ | ハクサンイチゲ |
先週お伝えしたキバナシャクナゲに続いて、コイワカガミやハクサンイチゲも咲き始めました。こちらも昨年よりもやや早めの開花です。
肩の小屋 − 7月上旬営業開始予定 | 公衆トイレ −今週から利用可能に |
肩の小屋は現在はまだ休業中で、おそらく、7月より営業再開されることと思います。また、左の画像をさらに左に進んだところに宇宙線観測所がありますが、その手前に公衆トイレがあります。先週まで利用できない状態でしたが、今週から利用できるようになりました。
【肩の小屋から稜線へ(山頂登山道)】
山頂への登山道は |
肩の小屋から山頂に向かう登山道。例年なら、6月上旬頃まで積雪が残っていますが、今年は5月中旬にはほぼ雪解けが完了していました。
レインウェアはカラフル |
雨が降っていますので、山頂へ向かう方・下山された方は全員レインウェアを着用されています。レインウェアは原色系が多く、このように大勢で歩いていると結構カラフルですね!
ここから積雪区間 |
積雪区間は60メートル 例年7月上旬まで積雪あり |
天気の悪い日はアイゼン携行を |
積雪が残っているのは、冒頭でもお伝えしたように朝日岳直下の約60メートルの区間です。ステップがしっかり切ってありますので、雪に慣れている方なら、アイゼンなしでも問題ありませんが、この時期お越しの方は雪に慣れていない(雪があるとは知らずに来ている)方が多く、アイゼンを着用して登る様子が見られ、また、アイゼンを着用されていない方の中には、慎重に下山する様子もありました。
例年、7月上旬までは積雪があり、天候の悪い日はバーンが硬くなりますので、アイゼン携行をお願いいたします。
【蚕玉岳〜朝日岳稜線】
蚕玉岳〜朝日岳稜線 |
こちらは蚕玉岳〜朝日岳稜線。稜線からの滑走エリアは完全に雪解けが完了し、朝日岳直下からのバーンも大雪渓の上端で積雪が途切れたため、滑走できない状態となってしまいました。
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昨年の権現ヶ池 2017ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2017/06/24) C |
今回の権現ヶ池 昨年より1週間以上早い雪解け |
御岳の二ノ池に次いで国内二番目の標高に位置する権現ヶ池(ごんげんがいけ、標高2845m)。昨年より1週間以上早い雪解けです。
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昨年の蚕玉岳〜朝日岳稜線 2017ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2017/06/24) C |
今回の蚕玉岳〜朝日岳稜線 昨年より1週間早い雪解け |
こちらが稜線部分。手前が朝日岳方面で、画像に写るなだらかなピークが蚕玉岳、それに続く奥のピークが主峰の剣ヶ峰です。こちらも昨年より1週間ほど早い雪解けです。
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昨年の朝日岳 2017ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2017/06/24) C |
昨年の朝日岳 昨年より3〜4週間早い雪解け |
朝日岳は昨年より3〜4週間ほど早い雪解けです。
【剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線】
こちらは蚕玉岳山頂。
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昨年の蚕玉岳山頂 2017ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2017/06/24) C |
今回の蚕玉岳山頂 − 昨年より1週間早い雪解け |
昨年より1週間ほど早い雪解けを見せています。
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昨年の蚕玉岳山頂 2017ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.7(2017/06/24) C |
今回の位ヶ原 −昨年より2週間早い雪解け |
稜線付近から見た位ヶ原。昨年よりも2週間ほど早い雪解けです。
拡大 |
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稜線から3分の1地点 − 完全にバーンは途切れて滑走不能 |
右の画像は稜線から県道乗鞍岳線までの区間の約3分の1程度まで滑り降りたところ。完全にバーンは途切れて滑走不能です。今年は4週間前にバーンが途切れましたが、昨年はまだ残っている状態でした。
高さ60センチ − 昨年より1.2メートルも少ない |
稜線から全長1kmの滑走ラインを滑り降りると県道乗鞍岳線の切り通し箇所にでます。切り通しの高さは60センチで、2017年は1.8メートル、2016年・2015年は積雪が途切れて測定せず、2014年は2.1メートル。2013年は1.2メートルで、2012年は2.6メートル、2010年は1.6メートル、2009年は1.3メートル、2008年は1.5メートルでした。
<編集後記>
「ヒルクライムには防寒着・レインウェア・フルフィンガーグローブが必須!」
7月に入ると、県道乗鞍岳線の三本滝ゲート以降の冬季〜県境間がの冬季閉鎖が解除され、本格的な自転車ヒルクライムのシーズンが始まります。おそらく待ち望んでいたヒルクライマーも多かったことと思います。また、「今年こそはノリクラに登ってみるぞ!」と、意気込んでいるビギナークライマーもいらっしゃると思います。
爽快な山岳地帯を駆け上るイメージがあるかと思いますが、梅雨明け前の7月は天候不順で気温も低めなんです。登っている時は良いものの、下山は寒さに震えながら降りて来なければならない状況は経験者でないとわからないものです。また、途中で雨など降りだしたら最悪で、手は悴んでブレーキを握る握力がなくなって、スピードオーバーでカーブに突っ込む事案は毎年発生しています。
ノリクラに於いて、下山で防寒着が必要ないのは、梅雨明け後のお盆期間中くらいしかありません。どんなに天候が良くても、防寒着か天候が怪しければレインウェア持参し、フルフィンガーのグローブも持ってきてください。
ノリクラで本当に暑いと感じるお盆前後以外は、日中を過ぎるとひや〜としていますから要注意です。
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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