ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.15(2018/08/18) @
この週末あたりまでお盆休みという方も多かったと思います。残念ながら、今年のお盆休みは天候が芳しくありませんでした。先週までは好天・猛暑がずーっと続いていただけに、この1週間の天気は本当に悔やまれるところで、今年の夏は異常気象に振り回され続けています。
8月も後半となり、来週はノリクラで最大のイベント、全日本マウンテンサイクリングin乗鞍が開催されます。それを前に今回も多くのヒルクライマーが訪れ、自転車入山数は407台と、8月12日の421台に次ぐ記録なりました。シーズン中に400人台が二日も記録されたことはこれまでなく、今年は本当にヒルクライマーが多いことがわかります。また、大雪渓は道路沿いの雪渓下部は滑走不能となり、モーグルコースは雪渓上部左側へと移りました。今年は昨年よりも3週間程度早い雪解け状況で、しかも雪渓上部左側は例年になく急斜面になっています。ノリクラはこれから急速に秋へと進み、バーンは急速に硬くなってきますので、より慎重に安全に滑走されるよう願うところです。
そして、お盆が過ぎれば、本格的な夏は終わりに入り、夏らしいノリクラも今シーズンはそろそろ見納めとなってきます。
【観光センター前駐車場】
観光センター前駐車場 |
早朝6時の観光センター前駐車場。お盆休みは15日で終了された方が多いかと思いますが、1週間連続してお休みという方もいらっしゃるようで、今朝の観光センター前駐車場は170台と、空きスペースがわずかになっている状態です。
気温は10℃と、連日の猛暑から解放され、秋のような涼しい・寒い朝を迎えました。前日8月17日には北海道の大雪山系の黒岳で全国で最も早い初雪を観測し、これは観測史上最も早い記録となりました。このまま秋へと進むことはないと思いますが、このように涼しい日が訪れるようになったことは、季節が次へと進んでいる証拠かと思います。
低く垂れこめた雲 |
天候はご覧のとおり、周辺の山をも飲み込む低く垂れこめた雲に包まれています。
雲間から晴れた山頂 − 山頂方面は雲海の上 |
この現象は雲海を下から見ている状況ですから、おそらく、山頂方面はきれいに晴れ上がているはずです。現に右の画像では雲海を構成していた雲が部分的に抜けて、青空に輝く山頂を覗き見ることができました。
シャトルバス始発便 |
今日のシャトルバス始発便は2台が運行されました。
バス運転手さんは防寒着を着て | 下山用のウインドブレーカーをきて出発 |
冒頭で申し上げたように、6時の気温は10℃、昨日から秋の空気を伴った高気圧に覆われて、標高の高いノリクラでは寒い朝を迎えました。こちらのバスの運転手さんは、ご覧のように防寒着を着用され、8月とは思えない光景です。また、ヒルクライムの準備をされているこちらのお二人、下山用のウインドブレーカーを早くも着用しています。
山麓でどんよりした天候でもあきらめないで − 山頂はきれいに晴れ上がっていることも |
山麓ではどんよりとした天候でも、山頂方面はきれいに晴れ上がる様子はこれまでにもお伝えしました。ですから、あきらめずにお越し頂くのが大切です。
申し遅れましたが、来週8月26日(日)は、全日本マウンテンサイクリングin乗鞍開催のため、大会会場となる観光センター前駐車場閉鎖、県道乗鞍岳線通行止、シャトルバス運休となります。なお、岐阜県側の乗鞍スカイラインの通行とシャトルバス運行は、通常通りですので、山頂・大雪渓方面にお越しの方は、岐阜県側に回ってください。
【全日本マウンテンサイクリングin乗鞍開催に伴う規制内容】 |
規制内容 | 規制日時 |
観光センター前駐車場閉鎖 | 8月24日(金)夕方〜8月26日(日)夕方 |
県道乗鞍岳線通行止め (観光センター前〜県境) |
8月25日(土)18:00〜8月26日(日)12:30 |
シャトルバス運休 | 8月26日(日)ご来光便〜12時便 |
※
このほか、8月25日のシャトルバス観光センター乗降場所変更や路線バスの運休などがあります。 ※ 岐阜県側の乗鞍スカイラインの通行とシャトルバス運行は通常通りです。 |
【大雪渓までの沿道の風景】
綺麗な快晴が広がって来た |
それでは、ここからはいつものように大雪渓までの沿道の様子をご覧下さい。先ほど、観光センター周辺に低く垂れこめた雲は7時30分頃から抜け始めて、綺麗な快晴となりました。
夜泣峠 − 見事な雲海に自転車の足を止める |
休暇村を超えた先にある夜泣峠。こちらでは、山麓にたまっている雲海の様子を間近に見ることが可能で、自転車の方々が足を止めて、カメラのシャッターを押す様子が続きます。
自転車旅行中の大学生グループ 渋峠・美ヶ原・諏訪湖花火と県内の名所を巡る |
そんな雲海をずーっと眺めているのは、出発から12日目を迎えた自転車旅行中の大学生のグループ。大学の自転車部の活動の一環で、グループごとにそれぞれのルートで走り、29日に全員が河口湖に集合するとのこと。こちらのグループは、長野県入りしてから、国道最高標高地点の渋峠や、浅間温泉から美鈴湖に至る激坂が有名な美ヶ原、そして、15日には全国的に有名な諏訪湖の花火と、ポイントをちゃんと抑えたスケジュールをこなし、今日は自動車道最高標高地点がある県道乗鞍岳線から高山へ抜けるとのこと。
三本滝ゲート − この先マイカー規制 |
そして、観光センターから7km先にある三本滝ゲート。ここからマイカー規制が始まります。
三本滝ゲートの傍らには... | ネジバナ(ねじれたもの) | ネジバナ(直線のもの) |
三本滝ゲートの傍らには、ピンクの小さな花が無数に咲いています。中央のネジバナは左巻きですが、中には右の画像のように直線のものもあり、また、右巻きのものもあります。ノリクラでは例年9月上旬に開花している姿をよく見かけますので、今年は2週間程度早い状況です。畳平のお花畑でも、高山植物の開花状況が昨年より2週間早く、今年はノリクラ全域で同じような傾向になっている模様です。
かもしかゲレンデを通過 | ヤナギランが綺麗に咲き誇る |
三本滝ゲートを通過すると、ヤナギランが綺麗に咲いているかもしかゲレンデを走り抜けます。
秋空の中、自動車道最高標高地点の県境を目指して |
気温は18℃前後で、通常の8月下旬よりも5℃〜10℃程度低く、気候的には秋のヒルクライムです。
「ノリクラでは、いつくらいまでヒルクライムができますか?」という質問を受けることがあります。お盆を過ぎると、下山では間違いなく防寒着が必要な状況になりますが、登りに関しては真夏のヒルクライムと変わらないと思います。9月中はよほど冷え込んだ日でない限り、下山の防寒対策を整えれば問題ありません。そのため、9月下旬から10月上旬の紅葉シーズンになると、カメラをぶら下げて登る方もたくさんいらっしゃいます。
また、10月中旬以降になると、登りでも寒さを覚える状況になりますので、実質的に9月下旬から10月上旬頃がヒルクライムのタイムリミットでしょうか?
位ヶ原山荘 |
観光センターから15km先にある標高2350メートルの位ヶ原山荘。
秋空がいっぱい |
この先から始まる森林限界以降は、秋空がいっぱいに広がります。雲の感じが何とも言えないですね。
県境方面を走るシャトルバス | つづら折れを走るヒルクライマー |
この付近からはこれまで登って来たつづら折れの道路から、これから登る県境方面まで一望できるロケーションが広がります。ヒルクライマーやシャトルバスが豆粒のように確認できます。
真正面に山頂がそびえる |
標高2500メートルの位ヶ原11号カーブ。ここまで登ってくると、山頂を真正面に確認できるようになります。
高天ヶ原・剣ヶ峰をバックに | 長袖でちょうど良い |
秋空に広がる雲 | やっぱりノリクラは最高 |
この先は空が主役のロケーション。雄大に広がるノリクラの稜線すら小さく見えるほどの空の広がりを感じられます。
カメラが手放せない | ダイナミックな雲が躍る |
「渋峠や白馬などを回ってきましたが、この風景は最高...」と、カメラが手放せない様子でした。県境までこんな風景ばかりですから、登っているよりも止まっている時間のほうが長くなってしまうかもしれませんね。
今日の自転車入山数は407台で、8月12日の421台に次ぐ記録となり、シーズン中、400台以上の日が二日も記録されたことはなく、今年は例年になくヒルクライマーが多い年となっています。
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