全日本マウンテンサイクリングin乗鞍2018

(2018/08/25〜26) @

 

 


 

今年は7月上旬から8月お盆まで記録的な猛暑が続きました。そのため、安定した天気が続き、週末ともなれば、かつてないほど多くのヒルクライマーで賑わいました。この猛暑が始まる直前は西日本を中心に大雨による災害が発生し、岐阜県側で開催される予定だった乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムが中止に追い込まれる事態となり、本大会は昨年以上に注目される状況となっています。

そして、「ヒルクライム界の山の神」と称される森本誠選手の9勝目がかかる大会でもありました。昨年は史上最高8勝で村山利男選手と肩を並べ、その歴史を塗り替えることができるかが掛かっています。また、今年はチャンピオンクラスに初めて中学生選手と女子選手が出場することも記録的なことだと思います。

今年の全日本マウンテンサイクリングin乗鞍は約4400名もの選手が出場し、一般クラスの選手の人気によって支えられています。また、チャンピオンクラスはその中の300名程度ですが、本大会を牽引する大きな存在といえます。

本大会が始まる少し前のことになりますが、夏の高校野球が終わりました。今年の高校野球は、103年ぶりに秋田県の県立農業高校が決勝に出場し準優勝に終わったものの、優勝した名門私立高校よりも大きな話題となりました。全日本マウンテンサイクリングin乗鞍に一年をかける選手は一般クラスでもチャンピオンクラスでも多いはずです。「今年の大会は面白いぞ!」と、言えるような大会にしていきたいものですね。

それでは、今年も大会の様子をお伝えしたいと思います。なお、過去の大会の様子は、ノリクラ ヒルクライム・マラソン大会関連(全日本マウンテンサイクリングin乗鞍) から、ご覧頂くことができます。

 

◎ 今回の目次

Page-1 : 【8月25日(土)、大会受付 T】       【8月26日(土)、大会受付 U】
Page-2 : 【8月26日(日)、大会当日】       【チャンピオンクラス、スタート】
Page-3 : 【チャンピオンクラス、レース展開 − 優勝は?】
Page-4 : 【続々とゴールへ】        【レースが終わって待機場所へ − 入賞選手の談笑・感想】       【レースはまだまだ続きます】
Page-5 : 【表彰式】        <編集後記>

●過去の大会特集●
ノリクラ ヒルクライム・マラソン大会関連(乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム)

 

 

 

 

【8月25日(土)、大会受付 T】

大会会場

こちらは大会会場の観光センター前駐車場。明け方は豪雨・雷雨のひどい天気でしたが、雨は午前中にはほぼ収まり、晴れ間が見えるようになってきました。

 

会場には続々と選手の姿が

本大会では選手受付がレース前日に行われるため、必ず前日に現地入りする必要があります。今回のエントリー数は4356名とほぼ例年並みの参加者ですから、当日受付は時間的にムリがあり、現在のスケジュールに至っていると思います。

かつては計測チップを実車に取り付けての動作テストが行われていた都合から、自転車の持ち込みが必須でしたが、最近は足首に巻くバンドタイプに変更され、動作テスト自体もありませんので、必ずしも自転車でお越しになる必要はありません。ただ、会場周辺はかなり混雑するため、宿泊先にクルマを置いて自転車来る方も結構いらっしゃいます。

 

大会本部 − 新人スタッフと

こちらが会場内にある大会本部。全日本マウンテンサイクリングin乗鞍は、松本市、のりくら観光協会、松本商工会議所、松本観光コンベンション協会、長野放送で作られる実行委員会で運営されています。事務局の皆さんは、ツール・ド・美ヶ原も運営されていて、スタッフはベテラン揃い。そんな中、「こいつは今年から参加しているんですよ。」と、新人を紹介していただきました。

今回はレース中に多数の選手が蜂に刺されるなど、大会運営には不測の事態が発生するのはつきものです。そんな中でも、迅速に対応され大半の選手が軽傷で済んだ模様です。

 

スポーツジャーナリスト 橋本謙司氏
ノリクラについて「ここは私の自転車の原点です。」

最初にお会いしたのは、スポーツジャーナリストの橋本謙司氏。自ら自転車レースに参加し、その体験を記事にされており、全日本マウンテンサイクリングin乗鞍にも毎年参戦。自ら選手であるため、有力選手とのつながりも多く、机上で書くだけでは得られないナマのレポートが好評!「今年はトップ選手のゴールから2分以内にインタビューを開始したい!」と、今年は自己最高の57分台を目指します。

「ここは私の自転車の原点です。」と、おっしゃる橋本さん。大学の頃、夏休みにテントを持参して一週間掛けて信州を自転車旅行している時、新島々からノリクラに登って来た日がこの大会の日で、自転車がいっぱいあってビックリ!その時初めてノリクラを登り、それをきっかけに、翌年からこの大会に出場するようになったとのこと。「他のレースとかに出場してもスイッチ入らないけど、このレースは山から力がもらえる感じがします。」と、明日は特別な一日になりそうです。

 

13時選手受付開始 村山 利男選手(左)
本大会6連勝・通算8勝の記録は前人未到

そして、13時より選手受付が開始されます。有名選手だって、みなさんと同じように受付を行います。こちら(左)は、本大会でレジェンドと呼ばれる村山 利男選手、6連勝・通算8勝という前人未到の記録を持つ偉人。さらにすごいのは、その後も、本大会でチャンピオンクラスで上位の位置を維持し続けること。

 

突然、「サインください!」と、差し出されたご自身の著書に快く応じて

その受付の最中に「サインください..」と、ファンの方が差し出したのは色紙ではなく村山選手の著書。「えぇ〜っ、僕のサインでいいの?」と、快く応じる村山選手。これは一生の宝物になったことでしょう!

 

続々と有力選手の姿が見られるようになると、テレビ局など報道関係の方もインタビューに忙しそうです..

 

本大会9勝目がかかる森本 誠選手 強い選手がいますから今年は荒れた勝負になるかも..

ゼッケン番号001。森本 誠選手。ヒルクライム界では「山の神」の称され、本大会9勝目がかかっています。

「全く分からないですね。体調自身は問題ないけど、先週もタイムアタックできてなく、自分がどこまで仕上げられたのかがよくわかっていません。やはりは田中・加藤君の二人は強いですよ。調子が良いというよりも本当に強いんですよ。ヒルクライムは勝負勘じゃなく本当に強いのが勝つんですよ。だから、今年は荒れた勝負になることを期待します。おとなしく走るんじゃなく、みんな、どっかんどっかん暴れまわってくれた方が、自分にもチャンスがあるんじゃないか..

9勝目がかかっているけど、そこは何とか行きたいんですが、全体的にハードル上がってきているので...。でも、みんなのレベルが上がってきて、選手層が厚くなってくるのは必然的なことで、あるべき姿だと思います。」と、おっしゃってくださいました。

今回は多くの選手・関係者が、「有力選手同士の熱い戦いになる」と、予測しております。

 

中込 由香里選手(昨年2位)と中込 辰吾選手

「今年の女子の選手は面白いと思いますよ」と、話してくださったのは昨年女子2位の中込 由香里選手。今年は常連の選手以外に、有力なロードレーサーが出場するとの情報があり、「もちろん、私もレースに絡んで行けるように頑張りますが、どんな展開になるかわからないですよ...」と、ベテランの中込選手ですら、予想がつかない展開になりそうです。

 

色々な大会に出たけど結局残ったのは乗鞍だけ 完走目指して頑張ります

「やっぱり他にはないですよね、このロケーションと標高は...。ほかの大会にも出てたんですが、森林限界を超えて景色に見せられるところはノリクラしかなく、最終的に出場する大会はノリクラだけになってしまいました。」と、おっしゃる左のお二人。おそらく、出場する大半の選手が同じような気持ちで本大会に臨んでいらっしゃるんだろうと思います。

そして、「今年もお会いできてよかった〜」と、駆け寄ってきて下さった右の方。「練習には1回だけ、それも三本滝でリタイヤだったんです。だから完走だけ目指して頑張ります。」と、タイム云々ではなく、出場できることが何よりうれしい...。本大会はそのような方々で支えられています。

 

チャンピオンクラス初の中学生選手、篠島 瑠樹選手

昨年ジュニアクラスで1位の篠島 瑠樹選手。まだ14歳の中学生ですが今年はチャンピオンクラスに鞍替え。チャンピオンクラスに中学生選手が出場するのは史上初のこと。テレビ局からのインタビューがさっそく始まります。

「目標は森本選手、今年は森本さんに勝ちたいなと思ってチャンピオンクラスに出場することにしました。しっかり森本さんについていき、最後はスプリントで勝負できるかなと。やはり、森本さんが一番強いので、そこにくらいついて行きたいです。」

 

目標は森本選手!

インタビューの最後に「明日は絶対森本さんを倒します!」と、言い切ってしまいました〜。大丈夫かなと思いましたが「でもそういう高い目標がないと負けちゃうんじゃないかと...(笑)」と、自分への良いプレッシャーをかけているようですね。

昨年から身長が10センチも伸び、体格もがっちりとしてきて、とてもジュニアで出場し続けられる体型ではなく(笑)、明日はどこまで森本選手にくらいついて行けるか楽しみです。

 

【8月26日(土)、大会受付 U】

高橋あず美さんのミニライブ − ライブを見つめる女の子

会場内では、地元乗鞍高原出身のシンガーソングライターの高橋あず美さんのミニライブが始まりました。そのステージの真下から見つめる小学生の女の子。

 

ステージから降りて一緒に歌います

お父さんと一緒に毎年お越しになっているようで、高橋さんを真剣に見つめる様子に、高橋さんは思わずステージから降り、一緒に歌う様子は微笑ましい一幕でありました。

 

チェーンの清掃・注油のサービス

さて、こちらは会場内の出店ブース。特に人気だったのは有名グリスメーカーのブースで、無料でチェーンの清掃・注油を行っていました。

 

「明日は少しでも良いタイムが出るといいなぁ〜」

固着した古いグリスを除去し、新しいオイルを塗ったチェーンは新品同様に...「明日は少しでも良いタイムが出るといいなぁ〜って思っています。」と嬉しそうです。

 

熱心に接客する筧 五郎選手

こちらはウェアで有名なサンボルトのブース。そこには熱心に接客する筧 五郎選手の姿がありました。

 

筧 五郎選手 田中 裕士選手(昨年2位)

色々な選手に声を掛けられながらも、色々な商品を熱心に説明。しかし一般選手の中には、「いや〜1時間切るような人たちなら効果はあるだろうけど..」と、敬遠しがちに商品を見る様子もありますが、そんな人たちにも気さくに声をかけていらっしゃいました。

そこでお会いしたのは昨年2位の田中 裕士選手。

 

「やっぱりこの男ですよ〜」と森本選手が指さすのは田中 裕二裕士選手

森本選手が「やっぱりこの男ですよ〜。今年はこの男と3回走ったんですが、ほんとに元気ですよ!」と、指さすのは田中 裕士選手。「あんまり絞ってないです。今年はパワー系クライマーになろうかと...。」と、今までになく調子が良いとおっしゃっています。

普段から選手同士での練習・試走を重ねることが多く、昨年3位の中村選手について「俊介も強くなったなぁ〜、試走で走ったときはめっちゃ早かったですよ。」と..。ほかにも数多くの選手の名前が挙がり、明日のレースは熱い戦いになりそうな雰囲気が明白です。

「でも、最後はどっかでスプリントして出ないとね。今年は、いや今年も、位ヶ原以降の勝負だと思いますけどね。」と、最後までもつれ込むレースになりそうです。

 

GOKISO − 筧選手のバイクに手を加える

そして、GOKISOのブースで筧選手のバイクに手を入れているのは近藤会長。

 

GOKISO 近藤会長

森本選手を支え、名古屋の町工場を有名自転車部品メーカーに押し上げたのは、この人といってもよいでしょう。

 

悪魔おじさんも受付に スタッフに笑われてますよ!

どこに行っても人気なのは悪魔おじさん。全日本マウンテンサイクリングin乗鞍だけでなく、ほかの大会でも選手を応援しながらレースに転戦されています。記念品を配るスタッフもこの姿に笑いが止まりません(本当に笑い続けてました〜箸が転がったかのように..(笑))。

 

いつものわんちゃんと再会

そして、いつものわんちゃんとも再会し記念撮影。レース前日の受付は、いろいろな人とお会いできるよい機会であり、他の大会では前夜祭を開くなど、地元と選手との交流を深める取り組みをしているところもあります。

 

明日はよい天気になりますように

午後からは天候が回復したものの、依然として霧雨が時折降る不安定な天気。さて、明日は天気に左右されずに開催できるでしょうか?

 

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