ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.21(2019/09/28) B

 

 

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(Update:2019/10/03)

  

【雪渓下部】

雪渓下部−6週間前に積雪はなくなる

ここからはいつものように大雪渓の様子をお伝えします。雪渓下部の積雪は6週間前の段階でなくなりました。例年、雪渓下部の積雪がなくなるのは9月第1〜3週あたりで、近年では8月中に消滅するケースはほとんどなく、今年は異常に早い雪解けでした。

 

大雪渓入口のウラジロナナカマド

大雪渓入口のナナカマドは全体的に紅葉が進んできました。現時点では葉の状態はまずまずですが、さらに色合いが進んだ場合、枯れてしまう可能性があり、これ以上の色付きは期待できないかもしれません。近年はこのようなナナカマドが多く、真紅に色づくものはほとんどなくなっています。

 

ハイマツ帯を縁取るように赤く染まる

大雪渓のウラジロナナカマドは、ハイマツ帯を縁取るように分布していて、紅葉の時期になるとその様子が良くわかります。

 

石碑の岩
冷え込みが厳しくなって、チングルマも一気に紅葉が進んだ

こちらは石碑の岩のチングルマ。先週までは足踏み状態だった紅葉が一気に進み、やはり気温の影響が大きかった模様です。

 

昨年の大雪渓入口付近
2018ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.20(2018/09/22) A
今回の大雪渓入口付近
昨年より1週間程度紅葉が遅い

今年は1週間程度紅葉が遅いため、昨年と比べるとまだ色合いが薄い状態です。しかし、昨年の画像を見るとすでにピークを過ぎた状態となっていて、おそらく、次週末には昨年と同じようにピークを過ぎた状態となる可能性が高いと考えられます。

 

ハイマツの実を穿り出す ハイマツの実を飲み込んで喉元に溜め込む

この時期、ハイマツの上を忙しそうに飛び回っているのはホシガラス。冬に向けてハイマツの実を蓄えようとしています。左の画像では、岩場でハイマツのマツボックリから実をほじりだしています。そして、右の画像のように実を飲み込んで喉の付け根に貯め込みます。喉元が異様に膨らんでいるのがおわかりでしょうか?これを雪の影響のない場所に戻し、冬場の食糧にします。

 

【雪渓上部】

雪渓上部全景

それでは雪渓上部の様子をお伝えします。雪解けが進むと中央から尾根が縦に伸びて、雪渓上部を左右に分断します。右側での滑走は8月下旬〜9月上旬まで。左側は9月下旬から10月上旬まで滑走可能ですが、左側はかなりの急斜面で、下が岩場になっていますので、雪渓での滑走に慣れた上級者のみとなります。

ただ、今年は雪解けが早いため、右側では例年より3週間以上早く雪解けして先週で消滅し、左側はまだ雪渓が残っていますが、例年より1ヶ月以上早い雪解けとなっています。

 

昨年の雪渓上部左側
2018ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.21(2018/09/29) B
今回の雪渓上部左側が

こちらは雪渓上部左側。大雪渓の中でも急斜面のバーンが広がり、シーズン終盤まで積雪の残るエリアです。昨年と比べて半分以下まで小さくなっています。

大雪渓エリアの中でも最も遠方に位置することから、他のエリアが滑走可能なこの時期は訪れる方は少ない状況です。しかし、今後、他のエリアが滑走できなくなって、雪渓上部左側しか滑走できなくなる8月下旬頃になると、冷え込みの影響からバーンは硬くなってきて、スプーンカットのほか、大きな氷の柱が一面に現れ、初心者の滑走は困難な状況になって行きます。さらに、雪渓上部左側は他のエリアよりも急斜面であることに加え、バーン下部は全面岩場であるため、滑落すれば大怪我となる可能性もあります。

雪渓下部や雪渓上部右側で、ある程度雪渓でのスキーに慣れたうえで、お越しいただくことを強く求めます。天候の加減でバーンが少しでも硬くなると、事故に直結します。今年はバーンが例年よりも急斜面になっていますので、初めての方はご遠慮くださいますようお願い致します。

 

落書きの岩−雪渓下端まで123メートル
すでに昨年の10月末よりも長くなっている

今回は濃霧のため、雪渓下端と落書きの岩の距離は測定できませんでしたが、先週とほぼ同じと考えられますので123メートル程度です。

 

先週の右寄り部分(積雪あり)
ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.20(2019/09/21) B
今回の右寄り部分(積雪がなくなる)

先週まで残っていた右寄り部分の積雪はもう完全になくなりました。

 

左寄り部分 − 長さ30メートル×横幅45メートル

そして、残っている左寄り部分。長さ30メートル×横幅45メートル。先週と比べてわずかに小さくなっていますが、ほぼ同じ大きさです。

 

先週の左寄り部分
ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.20(2019/09/21) B
今回の左寄り部分
下端部分は1〜2メートル雪解けしている

こちらは左寄り部分。ポールが置かれている場所の位置から下端部分は先週よりも1〜2メートル程度雪解けしていることがわかります。

 

バーン表面は硬くないが滑走には整備が必要

バーン表面はそれほど硬くなく、アイゼンなどがあれば歩くことができる硬さ。ただ、うねり・縦溝がありますので、滑走するにはバーン整備が必要となります。

 

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