【速報バックナンバー 2008年5月分】

(E-mail : WebMaster@norikura.org)

◎ 5月

★速報バックナンバー★ →|  Index

 

■2008年5月31日(土)■     ( 今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダーVol.3  ) 

@ 2008/05/31 08:45
雨が降り続きます
(春スキーバス 冷泉小屋〜位ヶ原山荘間)
A 2008/05/31 08:50
ストーブが手放せません
(位ヶ原山荘)

B 2008/05/31 11:35
縦溝が出来始めます
(屋根板)

C 2008/05/31 12:55
明日から春スキーバスは状況次第でここまで運行 
(大雪渓駐車場)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 朝からほとんどやむことを知らない雨に見舞われ、外で行動することが辛い一日となりました。
日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は1時間ほど前から降り始めた小雨がパラパラと続きます。気温は12℃、雪解けなどで水量が増したせいもあるのかもしれませんが観光センターの横を流れるワサビ沢を流れるせせらぎが静かな夜に目立つ存在になっています。いつもは西からやさしく流れる空気は東から生暖かさを伴って吹き、若葉が盛りを迎えたシラカバをやさしく揺らしています。そして、一夜明けた乗鞍高原はまとまった雨脚をみせる生憎の天候。気温は10℃とやや肌寒さすら感じる気候です。この天候ですからノリクラの峰々は全く拝むことはできず、それどころか山麓の山肌にも水墨画のような霧の流れに滲んでいます。6時30分ごろになって雨脚はおさまるもののそれ以上の好天はなく、強弱を繰り返しながら時間が経過します。8時の三本滝レストハウスの気温は10℃、雨が絶えず落ちてくる上空には太陽の輪郭すらありませんので、気温の上昇は全くありません。いつもなら春スキーバスに乗車するスキーヤー・ボーダーの方々が出発の準備を始める光景が繰り広げられる三本滝レストハウス前の駐車場には今日ばかりは一台も車はありません。それでもほぼ定刻どおりに春スキーバスがやってきます。バスの車内には観光センターから乗車された3名のスキーヤーの方のみです。三本滝レストハウスから望むかもしかゲレンデは上半分は霧に包まれて上部の視界はあまり期待できないように感じましたが、春スキーバスが進む県道乗鞍岳線はそれほど視界の状況を変化させずに位ヶ原山荘に到着します。また霧の状況と同様に雨も上部に向かっても変わりはありません。春スキーバスが到着した9時前の位ヶ原山荘は10℃。先ほどから比べれば雨の降り方は弱くなってきています。そして西から吹く風に少しばかり生暖かいものを感じるものの肌寒さを覚えるといった妙な天候で、ストーブがちょっと恋しい気候といっても良いでしょう。それでも天候には少しばかり変動が見られ、9時過ぎると徐々に空が明るくなり、それまで霧に包まれていて魔利支天岳や富士見岳が姿をあらわすようになり、太陽の輪郭が厚い雲の中からあわられるようになってきます。しかしそれも一瞬でその後は厚い雲に覆われてしまいます。
10時の屋根板は8℃。雨がほとんどやんできたのと同時に東から冷たい空気が入り込んでくるようになってきます。ウェアも徐々に乾き始めて天候が回復するかと思いましたが、それも30分とは持たず再び同じような降りかたを繰り返します。屋根板のバーンは先週と同じような縦縞模様が刻まれています。雪面もややぼこぼこした状態になっています。見た感じではそれほど大きな影響はないように感じた縦縞模様も先週よりも縦溝に近い状態となっていることから滑走すると結構気にになる存在となっています。
正午の位ヶ原は7℃。視界はさほど悪い状況ではなく、位ヶ原から望む剣ヶ峰・蚕玉岳・朝日岳は全体の半分程度まで確認できます。位ヶ原もハイマツ帯が多くなってきましたが、これらの山肌には幾筋ものハイマツの長い帯ができるようになって来ました。また、大黒岳の尾根はほとんど雪解けが終わってしっかりとハイマツ帯が姿をあらわしています。県道乗鞍岳線は大雪渓駐車場まで除雪が終わり、これまで位ヶ原山荘止まりとなっていた春スキーバスは状況次第で大雪渓駐車場(肩の小屋口バス停)まで運行されます。いつもなら乗鞍スカイラインのシャトルバスでお越しになる方がいらっしゃるはずの大雪渓エリアは乗鞍スカイラインが落石のため通行止めとなり、誰一人として見つけることができません。その乗鞍スカイラインも落石の除去と二次災害を防止する工事が完了し11時15分より開通しました。大雪渓にも縦縞模様が見られるものの、屋根板のような縦溝はなく思うようにコントロールできるスキーを楽しむことができます。そんな大雪渓のバーンにも例年通りクレパスが発生し始めています。まださほどの大きさではありませんが今後が心配です。午後になっておさまるどころか一層ひどくなり、14時の肩の小屋は4℃。雨と風がさらに強さを増してきます。この気温でも雪に変化することなく、絶え間なく降り続きます。
今日は上から下まで全身ずぶ濡れとなり、辛い一日となりましたが、これから梅雨の時期を迎えこのような天候の日が多くなることと思います。そんなシーズンでも芽吹きの変化などを楽しみながら過ごしたいものと考えています。明日は岐阜県側の乗鞍スカイラインで第5回乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムが開催されます。通行止めなどの措置はありませんので、シャトルバスは天候などの問題がなければ通常通り運行されます。
なお、今回取材分の ノリクラ雪渓カレンダーVol.3 は今週末掲載を予定しておりますのでどうぞご覧ください。(2008/05/31 19:20更新)
【6月より春スキーバスは大雪渓駐車場(肩の小屋口バス停)まで区間延長運行される予定です

これまで位ヶ原山荘まで運行されていた春スキーバスは6月より大雪渓駐車場(肩の小屋口バス停)まで延長して運行が予定されています。ただ、宝徳霊神バス停付近の5号カーブなどで高い雪の壁があって、雪解けによって切り通し部分の崩落などの問題があることから、明日朝のパトロールで延長運行するかどうかが検討されます。
また、区間延長して運行する便は始発の上り便だけでそれ以外の便についてはこれまでどおり位ヶ原山荘となりますので、大雪渓方面からの下山は一旦位ヶ原山荘まで屋根板などを滑り降りてくる必要がありますので、時間に余裕を持って行動してください。

| 速報バックナンバー | TOP |

■2008年5月25日(日)■     ( 今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダーVol.2  ) 

@ 2008/05/25 07:10
昨日から土砂降りが続きます
(位ヶ原山荘)
A 2008/05/25 08:45
山荘宿泊客の方は全員春スキーバスで下山
(位ヶ原山荘)

B 2008/05/25 13:35
午後になっても天候は回復しません
(大雪渓)

C 2008/05/25 16:20
この大雨でツアーコースはかなり雪解けが進みます 
(ツアーコースA番標識付近)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今日はほとんど終日に渡って雨が降り続き、昨日以上に憂鬱な一日となってしまいました。
昨日の速報でもお伝えしたように夕方から土砂降りの状態となり、日付が変わる頃には大雨に加えて風も強くなり始め、位ヶ原山荘の屋根はその突風に時折あおられながら夜明けを迎えます。朝6時の気温は8℃。この頃になると突風は収まってくるものの、それでも西からの強い風に横殴りの雨は依然と変わらず、外に出ることすら億劫になってしまいます。位ヶ原山荘付近は周辺の斜面から流れ落ちる雨水が滝のように激しい勢いで車道に流れ出し、道路は所々で川のような流れとなっています。7時の気温は9℃、次第に空に明るさを感じるようになるものの、雨の降りかたには変化が見られず、岐阜県側の乗鞍スカイラインは雨量規制のため通行止めの措置がとられました。しかし、位ヶ原山荘にやってくる春スキーバスは通常どおり運行され、始発便が定刻の8時44分に到着します。ただ、この天候のため乗客はゼロ。それでも折り返しの下り便には位ヶ原山荘に宿泊された方々が乗車して下山されました。朝から激しく降る雨に外に出歩こうと思う方々は皆無だったようで、宿泊された全員の方がバスに向かいます。
9時30分ごろになると雨の降り方が弱くなり始めますがそれ同時に視界も悪くなり、それまで見えていた屋根板の上部すらはっきりわからない状態になります。それでも上空の明るさは保ったまま推移します。11時の屋根板は8℃、再び雨の降りかたが強くなり、視界は回復傾向を見せます。しかしはっきり見えるのは魔利支天岳と富士見岳だけ、剣ヶ峰方面は全く確認できません。昨晩から降り続く雨で屋根板の雪面には雨水の流れた縦の模様が至るところで確認できます。それでもその縦の模様が溝にまでなっている所はなく、滑走上大きな問題にはなりません。ただ、雨に激しく叩かれたバーンはスプーンカットの前身の様な凹凸がみられ、梅雨の時期の大雪渓のバーン状態とよく似た現象が見られます。
正午の屋根板の気温は10℃ですが、一旦屋根板から位ヶ原に上がると絶えず西からの風が吹きつけるようになり、13時の大雪渓では6℃と気温が低下し始めます。県道乗鞍岳線は4号カーブを過ぎて大雪渓駐車場の数百メートル手前まで進んでいます。6月から春スキーバスが大雪渓駐車場(肩の小屋口バス停)まで延長運行される予定のため、それまでには大雪渓前まで除雪が完了することと思います。
屋根板では水分を含んだザクザクとした感触の雪面が位ヶ原に上がると雨がしみた箇所では所々でアイスバーン状態になり始め、シールでそんな所に差し掛かるとズルっと滑ることも時折あります。大雪渓でもこの雨で昨日よりも10センチほどの雪解けが見られ、雪が降った形跡は全くありません。午後になっても一向に天候の変化は見られず、14時の肩の小屋付近は4℃で室堂ヶ原から絶えず西からの強い風が吹き続き、横殴りの雨に顔を向けていられないほどの状態です。この気温でも降ってくるものは雪や霙ではなく完全に雨となっています。
こんな天候も夕方に近づくにつれて回復傾向を見せて、15時30分ごろには完全に雨がやんで山麓には太陽の光が差し込む様子が確認でき、16時ごろには位ヶ原でも青空と太陽の日差しを受けるようになり、ひどく濡れきったウェアが徐々に乾いてくると気分的にホッとした感覚が戻ってきます。
今日は外に出ずに過ごしていたほうがよい一日だったかもしれません。それでも大雪渓は雨で雪面が適度に締まって滑走性のあるスキーを楽しむことができたのが一番だったように感じます。
なお、今回取材分の ノリクラ雪渓カレンダーVol.2 は今週末掲載を予定しておりますのでどうぞご覧ください。(2008/05/25 20:20更新)
【ツアーコースの積雪状況(2008/05/25時点)

昨日からの大雨で各所でブッシュや切り株が出てきて、昨日は問題なかった箇所でも滑走できないエリアが出てきています。春スキーバス下り便を利用されたほうが良いでしょう。
<位ヶ原 → B番標識>
昨日はほとんど問題とならなかったD番標識の手前付近で切り株が見られるようになり、B番標識手前ではスキー一台分の滑走エリアしか残っていない箇所があります。
<B番標識 → A番標識>
A番標識手前は昨日はさほど問題となっていなかったものの、大雨で雪解けが進んでほぼ全面的に積雪がなくなっています。位ヶ原からかもしかゲレンデに下りる急斜面までの間でもっとも雪解けが激しい状況になっています。
<@番標識 → かもしかゲレンデへ降りる急斜面手前>
急斜面手前まで切り株をよけながらの滑走となりますが問題ありません。
<かもしかゲレンデへ降りる急斜面>
急斜面の上半分は積雪があるものの、小枝がかなり多く、急斜面の手前で板をはずして歩いて降りたほうが良いでしょう。急斜面からスキー場最上部部分に差し掛かるとクマザサの藪漕ぎとなります。三本滝レストハウスまで30分程度のの歩きとなります。
<かもしかゲレンデ>
雪はありません。板をはずして歩く必要があります。

| 速報バックナンバー | TOP |

■2008年5月24日(土)■     ( 今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダーVol.2  ) 

@ 2008/05/24 08:05
春スキーバス、今日は落ち着いた人出
(三本滝バス停)
A 2008/05/24 11:00
ツアーコースは急斜面手前まで滑走可
(ツアーコース入口急斜面)

B 2008/05/24 14:00
午後から雨、でも楽しそうに滑ります
(ツアーコースD番標識付近)

C 2008/05/24 16:05
雪原は徐々にハイマツに支配され始めます 
(位ヶ原)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今日は天気予報どおり、午後から雨となり、憂鬱な1日となってしまいました。
日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は上空に星も月も浮かんでいない単調な黒に覆い尽くされた夜空が広がっています。気温は16℃。この天候ですのでノリクラの山々の輪郭を確認することはできず、むしろ西の空は少しばかり霧がかかっているような感じがするものの、それすらわからない闇夜が広がります。そして、いつもなら西から顔をやさしくなでる空気のゆっくりとした流れすらない状態で、本当に単調な雰囲気の夜を迎えています。
一夜明けて、早朝の乗鞍高原は少しばかり薄い雲に包まれるものの、朝日を浴びたノリクラの雪肌が赤く染まる光景から始まります。6時の気温は14℃。しっかりとした朝日が観光センター駐車場に差し込むようになり、周辺の散策を楽しんだり、白く輝く稜線をカメラに収める方などもいらっしゃりすがすがしい朝を迎えています。出歩く方々も薄手のアウターを羽織っている様子で、特に寒さなどを感じる状態ではありません。早朝は全体的に青空が多かったものの、西の空は全体的に雲に覆われるようになりますが、それでも雲はほとんど動かず落ち着いて、周辺の木々からは小鳥の声が喧しいほどさえずります。
天気予報ではこれから雨となっていることもあって、いつもならたくさんのスキーヤー・ボーダーの方々が集まる三本滝レストハウス駐車場はかなり少なめ。7時30分の段階で10台ほどしかお越しになっていません。今日は観光センターから乗車される方も含めて、合計2台が運行され、38名の方が位ヶ原山荘に向けて出発しました。9時の三本滝レストハウスの気温は16℃、早朝から比べるとかなり青空の部分が少なくなってきたものの、それでも時折差す薄日はしっかりと地面に影を落とすほどで、蒸し暑さすら覚えます。そのためか、今日は顔を小さな虫がまとわりついて、口の中まで入ってきてしまうような状況です。それでもやはり天候は徐々に悪化の傾向を見せ、11時のツアーコース入口の急斜面では15℃で青空はほとんどなくなってきます。それでも上空の雲は一様に厚いわけではなく、薄い所とまだらの模様を描き、まだ十分な明るさを見せています。ほとんど風のない状態で、小鳥のさえずりが絶え間なく続き、雪面から突然ワサっと起き上がるクマザサに驚く以外は穏やかな状況といえます。本当に雨になるのか半信半疑です。
正午のツアーコース入口急斜面は16℃、日差しが完全になくなるものの、雪面からのひんやりとした感覚はなく、蒸し暑さが続きます。上空の雲の動きもほとんどなく天候の悪化をまだ感じません。しかし、12時30分頃からパラパラと降り始め12時45分ごろにはアウターを着ないといけないほどの状況となります。そしてそれまで動きのなかった雲が次第に北へ流れるようになってきて、遠景も霞むようになって鉢盛山すら隠れてしまいます。
その後も時折小雨になることはあっても完全にやむことなく、15時近くになるツアーコースから位ヶ原に上がる急斜面より先が完全に霧に包まれるようになってきます。それでもその後の位ヶ原は視界が回復してくるものの、気温は徐々に下がってきて16時の時点で4℃です。位ヶ原も白一面だった世界から大きなハイマツ帯が所々に出現するようになり、先週とは風景が変化し始めています。そして、17時の大雪渓では3℃まで低下します。それまでさほど強さを見なかった雨脚が一気に強くなり、西からの風も強まって横殴り状態になってきます。この気温でも雪ではなく雨で霙にすらなっていません。
この雨脚は速報を書く現在も変わりはなく、この雨でさらに雪解けが進むかもしれません。明日も雨が続きます。縦溝さえなければ滑走性には問題とならない雪面になるはずですが、雷鳥に出会うチャンスとなるかもしれません。(2008/05/24 21:30更新)
【ツアーコースの積雪状況(2008/05/24時点)

スキー場へ降りる最後の急斜面の手前までは板をつけたまま滑走できますが、それより先は歩いて降りることとなります。30分程度の歩きでですが、部分的に藪漕ぎに近いところもあり、春スキーバス下り便を利用されたほうが良いかもしれません。
<位ヶ原 → B番標識>
ブッシュがでてきた箇所が多くなってきていますが、滑走には問題ありません。
<B番標識 → A番標識>
A番標識付近がかなり細くなってきています。現在は滑走できますが時間の問題です。
<@番標識 → かもしかゲレンデへ降りる急斜面手前>
急斜面手前まで切り株をよけながらの滑走となりますが、問題ありません。
<かもしかゲレンデへ降りる急斜面>
急斜面の上半分は積雪があるものの、小枝がかなり多く、急斜面の手前で板をはずして歩いて降りたほうが良いでしょう。急斜面からスキー場最上部部分に差し掛かるとクマザサの藪漕ぎとなります。三本滝レストハウスまで30分程度のの歩きとなります。
<かもしかゲレンデ>
雪はありません。板をはずして歩く必要があります。

| 速報バックナンバー | TOP |

■2008年5月18日(日)■     ( 今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダーVol.1 ) 

@ 2008/05/18 08:50
春スキーバス、今日も大変な賑わい
(位ヶ原山荘前)
A 2008/05/18 11:55
のんびりとランチタイム
(大雪渓駐車場)

B 2008/05/18 13:30
稜線に向かって無数の足跡が一直線に
(肩の小屋〜朝日岳)

C 2008/05/18 16:20
今日は最後まで良い天気に恵まれました 
(ツアーコース位ヶ原急斜面)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 昨日と同様、今日も暑くもなく寒くもなく穏やかな天候のもと、ほぼ終日に渡ってきれいな青空に恵まれた一日を過ごすことができました。
早朝6時の位ヶ原山荘の気温は6℃、5時前にはもう太陽がしっかりと昇り始めるようになり、日の出から1時間以上が経過した頃にはもう高い位置まで太陽があります。しかし、上空は全体的に薄い雲に覆われ、その中に輪郭が包まれてしまっています。こんな状況ですから、山麓の乗鞍高原や遠景の山々は霞がかかり、まるで水墨画のような趣さえ感じさせてくれます。日差しの暖かさは感じるまでには至らないものの、6℃という気温を感じさせない穏やかな気候の朝が続きます。そして8時の位ヶ原山荘の気温は12℃まで上昇し、青空をスポイルしていた薄い雲が徐々になくなって真っ青な快晴の空が広がるようになってきます。春スキーバスの始発便が位ヶ原山荘に到着する時刻は8時45分のはずですが、1台目のバスが到着したのが8時20分。そしてしばらくして2台目が到着した後、乗客全員が下車したことを確認して2台とも再び三本滝バス停へと降りて行きます。今日は3台のバスが配車されましたが、三本滝バス停には昨日以上のスキーヤー・ボーダーの方がお越しになり、3台では全ての乗車できないため、最初のバスを早めに運行して折り返し運転を行い、最終的には6台分のバスが運行され、最後のバスが位ヶ原山荘に到着したのが9時20分頃で大変な混雑となりました。
すっかり晴れ上がった10時の屋根板の気温は8℃、強い日差しに囲まれているものの、少しばかりひんやりとした風がやさしく吹きぬけて行き、この時間帯としては雪面の緩み方が少ないように感じます。屋根板には5〜10センチほどの新しい雪の層があってツボ足で甲程度の沈み込みがあります。そしてシールで進むと表面をググッと若干沈む感触があり、少しばかり緩み始めているものの、まだ締まった部分も残っているといった状況です。位ヶ原に上がった11時の気温は10℃で西からの風が絶えず吹きぬけるようになります。そして屋根板で吹き抜ける風以上に冷たい空気を伴っていて、少しばかり汗ばんだ状態を落ち着かせてくれます。そしてこの頃から西から絶えず雲が流れるようになり、太陽も時折姿を隠すようになり、大雪渓や位ヶ原には太陽の前を流れる雲が描く光と影のグラデーションが走り始めます。6台の春スキーバスでお越しになったスキーヤー・ボーダーの方々の大半は山頂を目指して登って行き、また、乗鞍スカイラインのシャトルバスで畳平にお越しになった方々も山頂を目指してお越しになり、肩の小屋や大雪渓から朝日岳・蚕玉岳・剣ヶ峰の稜線に向かう方々は11時の時点でざっと120名ほどを数えることができます。今日のような良い天気ではまずは山頂に考えるのも不思議ではありません。
正午の大雪渓は10℃、雲行きは相変わらず西からもくもくと湧き上がる雲がゆっくりと東に流れ、上空全面が青空の快晴と、全面雲に覆われた状態が交互に繰り返すような天候となります。大雪渓にも無数のシュプールが残され、バーンは5センチ程度の柔らかい新雪の層の下にさらに10〜15センチほどの新雪の層が積もっている状態です。大雪渓でも他のエリアと同様、新雪が積もっても雪解けは進み、積雪量は全体的には昨年並みといえますが、所によっては昨年よりも少ないところもあります。
13時の肩の小屋は6℃、肩の小屋から見上げる朝日岳はハイマツの出ている所がほとんどないことから、肩の小屋から稜線に向けて一直線に無数の足跡が残されているのを確認することができます。今日の人出の多さを物語る一面といえます。朝日岳の山肌を上りはじめると、少しずつ雪面が硬くなってくるのを覚え、蚕玉岳〜朝日岳の稜線に到着した14時ごろになると若干表面がパリパリとなり、シールが滑り易い状態になってきます。そして、この頃になるとほとんど曇り空となって、遠景が霞み始めて穂高の稜線すらはっきりとしなくなります。多くの方はさらに隣の剣ヶ峰〜蚕玉岳の稜線から滑り降りられたようで、バーンは完全に荒れたゲレンデ状態。それでも少しエリアを変えればまだまだ柔らかいゾーンが残っていて若干重たい感触はあるものの丸くターンを描きながら柔らかい感触を十分楽しむことができました。
県道乗鞍岳線の除雪は宝徳霊神バス停のある5号カーブと大雪渓駐車場へ続く4号カーブの中間まで進んでいます。5月末には大雪渓駐車場まで除雪が完了すると考えられますが、それより先の畳平方面の除雪は当分先のことと思います。したがって大雪渓から畳平へお帰りの方は富士見岳周辺の道路の除雪が完了するまでかなりの急斜面をトラバースすることとなるため、アイゼンが必須ですのでご注意ください。アイゼンのない場合は一旦肩の小屋まで登り、そこから畳平を目指したほうが良いでしょう。ただし、その場でも途中に急斜面トラバースがありますので、アイゼンが必要な場合もあることを忘れないようにお願いいたします。
今日は夕方近くになって再び良い天気が戻ってきて、きれいな太陽の光を浴びながら今日一日を終えることができました。なお、今回取材分の ノリクラ雪渓カレンダーVol.1 は今週末掲載を予定しておりますので、どうぞご覧ください。(2008/05/18 20:50更新)
【ツアーコースの積雪状況(2008/05/18時点)

スキー場の最上部まではとりあえず板をつけたまま滑走できますが、部分的に滑走が困難な場所もあります。
<位ヶ原 → B番標識>
ブッシュが少しでてきた箇所がありますが、今日はたくさんの方が滑り降りたため、斜度のあるところでは少しコブができています。それ以外はほとんどなく問題ありません。
<B番標識 → A番標識>
基本的には昨日と変わりません。A番標識を過ぎたあたりにブッシュ・切り株が現れるようになってきましたので、注意しながらの滑走が必要です。
<@番標識 → かもしかゲレンデへ降りる急斜面手前>
昨日と同様ですが、切り株をよけながら滑走する箇所がありますので注意が必要です。
<かもしかゲレンデへ降りる急斜面>
上部の緩斜面から急斜面に降りる部分が完全に切れています。コース脇の林の中を滑り降りるか、板をはずして降りる必要があります。そこから下部の急斜面部部分は切り株やブッシュが目立ち、それらをよけながらの滑走となります。おそらく次の週末当たりになると滑走できない状態となる可能性があります。
<かもしかゲレンデ>
ほぼ全面雪がありません。ツアーコースを滑り降りてきたら、板をはずして歩く必要があります。

| 速報バックナンバー | TOP |

■2008年5月17日(土)■     ( 今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダーVol.1 ) 

@ 2008/05/17 08:25
春スキーバス、長蛇の列
(三本滝バス停)
A 2008/05/17 11:30
ツアーコースはここまで滑走できます
(ツアーコース急斜面入口)

B 2008/05/17 13:45
今日はお昼を過ぎてもさほどグサグサになりません
(ツアーコース)

C 2008/05/17 16:30
新雪の積もった楽しいバーン − 夕方はきれい晴れ上がる 
(位ヶ原)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今日は暑くもなく寒くもなく穏やかな天候と気候のもと、日没まできれいな青空に囲まれた一日を過ごすことができました。
日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は少しばかり日に傾き始めた十三夜の前日の明るい月が薄い雲が所々にたなびく夜空に煌々と輝いています。気温は10℃、寒さどころかいつものように西から顔をやさしくなでて行く風に心地よさを感じるほど。そんな穏やかな月夜の中で西の空にははっきりと高天ヶ原や剣ヶ峰が浮かんでいる様子をうかがうことができます。その稜線は夜空に目を慣らさなくてもうかがうことができ、さらには先週よりも明らかに黒い部分が多くなった高天ヶ原に雪解けの様子すらわかるほどの明るい夜空です。
そして一夜明けて早朝の乗鞍高原では朝日の輝きがはっきりと差し込むものの、その後は次第に雲が広がります。6時の気温は10℃、この頃になると完全に曇り空になり、6時30分頃になると次第に雨が降るようになってきます。しかしその雨も時折まとまった降りかたをみせるものの、7時を過ぎる頃から青空が所々にのぞくようになり、7時30分頃にはおさまりをみせるようになります。位ヶ原山荘へ向かう春スキーバスに乗車する方々がお越しになる三本滝レストハウスでは7時30分の時点で50台ほどの車が停まり、レストハウス正面のアスファルトの駐車場はほぼ満車で、隣の砂利の駐車場にも車が入るようになってきます。今日の春スキーバスは3台が配車されましたが、乗車できない方がいらっしゃり、最初に出発したバスが折り返し運転して合計4台のバスで160名の方が位ヶ原山荘へ向かって行きました。10時のかもしかゲレンデは12℃、やや雲が多いものの、晴れて日の差す時間が少しずつ長くなってきます。それでもひんやりとした風が吹きぬけて、日が差しても暑さを感じさせない状況です。そして、11時を過ぎる頃になると、ツアーコースを上部から降りてこられる方がやってくるようになります。どの方にお聞きしても位ヶ原より上部は滑り易い新雪が若干積もり、この時期としては最高の条件だったとおっしゃります。また、山頂方面には畳平からお越しになる方も加えて蟻の行列のごとくたくさんの方がお越しになったようです。
正午のツアーコース入口急斜面は14℃。少しずつ天候は回復傾向を見せてさらに青空が多くなってきます。午前中と変わらず冷たい空気に覆われて、日が差しても暑さを感じさせない状況が続きます。そのため、ツアーコースの雪質もさほど緩むことはなく、普段ならまずまずの条件といっても良いかと思いますが、上部があまりにも良いため、滑り降りてくる人は誰しも「滑りにくい」と口をそろえます。
ツアーコースはほとんど新雪がありませんでしたが、位ヶ原に登る最後の急斜面付近に差し掛かるとようやく新雪が降り積もる様子をうかがうことができます。そして、位ヶ原に上がるとさらに新雪の積雪量が増え、おそらく先週の土曜日の分も加えて、30センチほどの新雪のきれいな雪の層を確認することができます。午後になってきれいな青空が続くようになり、16時の位ヶ原は6℃と冷え込んでくるものの、いつもならもうそろそろ西の稜線に落ち始める太陽がまだ燦々と輝き、とても夕方とは考えられないほどの日の高さを感じさせます。そして17時になって魔利支天岳の頭上にようやく沈もうとする太陽が再びたなびき始めた雲に見え隠れするようになって今日一日が終わりました。明日も良い天気となりそうですので、今日以上にきれいなノリクラを楽しみたいものですね。
なお、今回取材分よりノリクラ雪渓カレンダー正式版の掲載を開始いたします。ただし、しばらくの間はツアーコースの取材などもあり、山頂方面の取材はもう少し先となりますのであらかじめご了承ください。(2008/05/17 19:50更新)
【ツアーコースの積雪状況(2008/05/17時点)

スキー場の最上部まではとりあえず板をつけたまま滑走できますが、部分的に滑走が困難な場所もあります。
<位ヶ原 → B番標識>
ブッシュはほとんどなく問題ありません。
<B番標識 → A番標識>
基本的には先週とあまり変わりません。A番標識を過ぎたあたりにブッシュ・切り株が現れるようになってきましたので、注意しながらの滑走が必要です。
<@番標識 → かもしかゲレンデへ降りる急斜面手前>
先週よりも滑走スペースで切り株が増えていますので注意が必要です。
<かもしかゲレンデへ降りる急斜面>
基本的には先週と同じ状況で、上部の緩斜面から急斜面に降りる部分がかなり細くなり、しかも斜度があって滑り降りるのに困難があります。自信がない方は板をはずしたほうが良いでしょう。そこから下部の急斜面部部分は切り株やブッシュが目立つものの、滑走エリアには比較的少ないため、問題とならないかと思います。
<かもしかゲレンデ>
ほぼ全面雪がありません。ツアーコースを滑り降りてきたら、板をはずして歩く必要があります。

| 速報バックナンバー | TOP |

■2008年5月11日(日)■  

@ 2008/05/11 06:45
積雪30センチ、まだまだ降り続いています
(位ヶ原山荘)
A 2008/05/11 07:10
モノトーンの世界が広がり、完全に冬景色
(屋根板入口)

B 2008/05/11 12:10
重たい新雪に苦戦しながら...
(屋根板)

C 2008/05/11 16:15
天候は夕方に回復 − 雪崩 長さ90m×幅10m
(ツアーコース位ヶ原急斜面)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は昨年10月で終了していますので、次期の活動開始までは不定期でお伝えいたします。
昨日に引き続き、今日もほぼ終日に渡ってモノトーンの世界が広がり、雪の降り止まない一日となりました。
昨晩から降り続く雪はおさまる気配を一向に見せず、早朝の5時30分ごろまで大粒のボタ雪が降り続きます。しかし次第に雪の粒小さくなり、ややおさまりを見せるようになります。6時の位ヶ原山荘の気温は2℃、昨日から降り続いた雪は山荘付近で30センチ程度になっていて、県道乗鞍岳線の路面でも5センチ以上の積雪となっています。このため、位ヶ原山荘に到着する1日3便の春スキーバスは全て運休となりました。この頃から次第に西からの風が吹き始め、雪の粒は小さくなってきているものの、吹雪の様相を呈するようになってきます。上空を覆う雲は厚く、太陽の輪郭すら見せない状況ですが、それも時間とともに明るさを増して、9時を過ぎる頃になるとようやくぼんやりと輪郭をにじませるようになってきます。この時期の太陽は強く、それを感じさせるかのように10時の位ヶ原山荘の気温は4℃とほとんど変わらないものの、山荘前のアスファルトはすでに表面の積雪を融かし始めるようになります。それと同時にクリスマスツリーの飾りつけのようなオオシラビソにもっこりと積もった新雪からポタポタと音を立てながら融け始めます。それでも降雪は一向に収まる気配を見せません。時折、太陽に光が強くなってくるようになると、日差しはないものの背に受ける暖かさを感じ、蒸し暑さすら覚えるようになってきます。11時の屋根板の気温は6℃。この頃になると雪面にうっすらと影ができるほどの状況になります。屋根板の積雪は少なくとも30センチはあります。この時期の降雪ですから決して軽いとは言えるものではなく、シールで登行するとククっと表面に割れ目が入りながら足裏に新雪の柔らかさが感じます。昨日の速報でもお伝えしたとおり、ツアーコースでは先週よりも50センチほど積雪量が減少していますが、広い屋根板では減少していることがなかなかわかりづらい状況ではあります。それでもダケカンバが増え、沢筋部分が窪んできてこれまでの一枚バーンからずつ変化を見せ始めています。そんな沢筋部分は降雪が溜まりやすく、シールでの登行時にトップが潜るほどの積雪量をみせ、若干ではありますが、久しぶりにラッセルの感覚を覚えるほどです。この頃になると、山麓から霧が湧き始め、ちょうど位ヶ原山荘の少し下あたりに滞留している様子をうかがうことができます。
正午の屋根板の気温は8℃、昨日から降り続いた雪が収まってきます。気温が上がってきて雪面が少しベタつき始め、重くてある程度深さのある新雪での滑走は一瞬でもトップを潜らせてしまうと一気に足をとられ、また板をひねろうとすることが全く許されない状況の中、新雪を求めて滑り降りてきたボーダーの方々は微妙なポジションを保ちながら滑り降りてきます。それでもトップが雪面に触れた瞬間、雪上でフロントフリップするのもまた楽しい状況ではあります。
その後は山麓から湧いてきた霧に覆われるようになり、13時の大雪渓は視界が100メートルを切る状態になり、もちろん位ヶ原も全く見えない状況になります。お昼頃に一旦やんだ雪が今度は細かな霙が降るようになり、それまで乾いていたウェアーが完全にずぶ濡れになる厄介な天候になってきます。大雪渓においても重く湿った雪質は変わらず、また、積雪量も先週から比べて明らかに減少していることがわかります。状況としては昨年並みかやや多い状態です。
この天候も夕方になると回復をみせ始め、15時ごろになると青空が現れるようになり、16時ごろになると今日はじめてはっきりとした太陽が西の空から今日一日分の光線をまとめて浴びせてくれるようになってきます。そんな西日に照らされたツアーコースの位ヶ原急斜面では長さ90メートル×幅10メートルの表層雪崩が起きているのを確認することができます。雪崩上部の発生部分では表層の新雪が完全にズレ落ちて、春の汚れたバーンがむき出しの状態となっています。位ヶ原へ上がる急斜面は下から見て右寄り部分は斜度があってこれまでにも度々雪崩が起きている場所でありますので、今日のように雪崩の発生し易い条件ではスキーで表面を切り込んだり、立ち入ることのないように注意が必要です。
今日は重たいながらも久しぶりの新雪の感覚を楽しむことができた一日となりなりました。5月も半ば近くになりますが、これからしばらくの間は天候が急変して今回のようにまとまった降雪に見舞われることもあり、決して穏やかな状況ばかりでないことを踏まえた行動が必要となります。そして雪崩にはもっとも注意が必要となる時期かもしれません。 
なお、ノリクラ雪渓カレンダー正式版の開始は次週の取材分から予定しており、今回はお休みさせていただきますのであらかじめご了承ください。(2008/05/11 20:50更新)
【ツアーコースの積雪状況(2008/05/11時点)

基本的には昨日とほとんど変わりありませんが、スキー場に降りる急斜面などやはり少しずつ状況に変化が見られます。
<位ヶ原 → B番標識>
ブッシュはほとんどなく問題ありません。
<B番標識 → A番標識>
昨日はほとんど見られませんでしたが、A番標識を過ぎたあたりにブッシュ・切り株が現れるようになってきましたので、注意しながらの滑走が必要です。
<@番標識 → かもしかゲレンデへ降りる急斜面手前>
先週よりも切り株が増えています。特に滑走スペースで顕著ですので、若干の注意は必要ですが、問題にはならないと思います。
<かもしかゲレンデへ降りる急斜面>
昨日よりも上部の緩斜面から急斜面に降りる部分がかなり細くなり、しかも斜度があって滑り降りるのに困難があります。自信がない方は板をはずしたほうが良いでしょう。そこから下部の急斜面部部分は切り株やブッシュが目立つものの、昨日もお伝えしたように滑走エリアには比較的少ないため、問題とならないかと思います。
<かもしかゲレンデ>
リフト降り場付近の平坦部はほとんど雪のない状態です。したがって、ツアーコースから滑り降り、一旦、板をはずす必要があります。ただ、その先のリフト沿いの急斜面はほとんど雪がなく、また、その隣の中級者バーンも車道へ降りる部分が高さのある切り通しとなっているため、上から見て一番右の初級者バーンを進んだほうが安全でしょう。その下の三本滝レストハウスに降りる最後のバーンもかなり雪がなくなっていますので、滑走面を気にされる方ははずしたほうが良い状態です。

| 速報バックナンバー | TOP |

■2008年5月10日(土)■  

@ 2008/05/10 08:10
雨から霙へ − 春スキーバスは終日運休
(かもしかゲレンデ)
A 2008/05/10 12:00
ツアーコースはなんとか全面滑走可能
(ツアーコース入口急斜面)

B 2008/05/10 14:30
静かなノリクラを楽しみます
(ツアーコース)

C 2008/05/10 16:00
午後は本格的な雪。出てきたばかりのハイマツも再び雪化粧
(位ヶ原)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は昨年10月で終了していますので、次期の活動開始までは不定期でお伝えいたします。
GWの初夏を思わせるような天候から一転し、今日は冬へ逆戻りした一日となりました。
日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は星も月も何も見えない夜空が広がっています。気温は8℃で寒さはありません。そして、いつものようにゆっくりと空気が肌をやさしくなでて行きます。周辺の木々はぼんやりとする中、全体を薄明るく光らせる木が所々にあります。平地ではもう1ヶ月以上も前に過ぎ去った桜前線がようやくやってきて満開の状態で迎えてくれます。
一夜明けて5時30分頃から雨が降り始め、6時の乗鞍高原の気温は6℃。この頃になると雨が降ったりやんだりを繰り返します。視界は問題となるようなことはありませんが、上部から次第に霧が降りてきて周辺の山々の頂がその霧の中に包まれて行きます。
この天候ですから観光センター駐車場にはお越しになる車はほとんどなく、先週のにぎやかな状況を想像できないほどです。そして、8時の三本滝レストハウスは4℃、一旦やんだ雨が再び降り出し、その雨が徐々に霙と変化し始めます。春スキーバス運行のために路面状況確認に出向いたバス会社の方の話では、この時点で魔利支天バス停付近から上部は霙から雪になっていて、今日の春スキーバスの朝の便は運休となりました。
先週までは地面はほとんど見えていなかったかもしかゲレンデもかなり雪解けが進み、所々でふきのとうが芽を出しています。10時のかもしかゲレンデは6℃、きょうは全く気温が上がらず、視界もゲレンデの上半分が霧に包まれてその様子を確認することができないほどです。そしてそれまで強弱を繰り返す降り方を見せていたものの、10時30分頃から霙から雪へと変わり、降り方もやや強くなってきて、かもしかゲレンデを貫く県道乗鞍岳線では路肩がうっすらと白くなり始めるほどです。
気温が上がらないことからゲレンデやツアーコースはツボ足で歩いても10〜15センチ程度の沈み込みで、ブッシュの脇といった踏み抜きやすい所を除けば、さほどの歩き難さはないようです。12時のツアーコース入口急斜面は2℃。降る雪がやや軽いものに変わり、すでに3〜5センチ程度の新雪が降り積もっています。うっすらと積もり始めた新雪でシールのグリップが良く効きき、思った以上に歩き易い状況となっていますが、汚れた春の雪面の箇所に差し掛かるとグリップを失って突然足をとられたりすることもあります。もうこの頃になると午前中に登って行った登山者の足跡が徐々に隠れるようになってきて、ツアーコースは冬の白さを取り戻し始めます。
午後になると降雪はさらに強くなり、バーンに積もる雪も次第に乾いたものになってきます。それと同時に降り積もる雪も結晶がはっきりとわかるものも増えてきて、冬に逆戻りしていることがこんなところからも良くわかります。14時になると気温は0℃まで下がり、ツアーコース上部では7センチの降雪となっています。どんどん降り積もって積雪量の増加を期待したいところですが、ツアーコースは全体的に先週よりも50センチ程度の雪解けが見られ、今日の降雪では焼け石に水といった所ですが、表面の柔らかい感触は冬から春先にかけての新雪といったところかと思います。
今日はほとんど風がなく、降る雪もほとんどまっすぐ落ちてくる状態で、いつもなら強い風であまり積雪が見込まれない位ヶ原でも16時の段階で15センチの降雪となっています。ツアーコースから湿った雪質の中を歩き、しっかりと水分を吸い込んだシールは位ヶ原に上がって冷え込んできた雪面に差し掛かると着雪がひどくなって団子状態となり、重くなったスキー板に閉口しながら登行しなければならないほどの気温の変化を見せてくれます。
まだまだ積雪量は大したことはないもののそれでも屋根板では久しぶりの新雪の感触を感じながらターンを繰り返すことができ、速報を書く現在もまだまだ降り続いています。
この降雪が続けば、明日も春スキーバスの運休が見込まれますので、新雪を求めて現地に出向く計画をされている方はシールやスノーシューなど登行ための装備や安全対策は必須となります。
 なお、ノリクラ雪渓カレンダー正式版の開始は次週の取材分から予定しており、今回はお休みさせていただきますのであらかじめご了承ください。(2008/05/10 19:10更新)
【ツアーコースの積雪状況(2008/05/10時点)

先週から比べると下部のエリアでかなり切り株が多くなってきています。
<位ヶ原 → B番標識>
ブッシュはほとんどなく問題ありません。
<B番標識 → A番標識>
部分的にブッシュがありますが、滑走スペースではありませんので問題ありません。
<@番標識 → かもしかゲレンデへ降りる急斜面手前>
先週よりも切り株が増えています。特に滑走スペースで顕著ですので、若干の注意は必要ですが、問題にはならないと思います。
<かもしかゲレンデへ降りる急斜面>
先週と比べて、急斜面上部ではかなり切り株の数が増え、斜度がなだらかになる下部ではブッシュが多くなってきていますが、滑走スペースは確保されていますので、滑り降りることは可能です。
<かもしかゲレンデ>
リフト降り場付近の平坦部はほとんど雪のない状態です。したがって、ツアーコースから滑り降り、一旦、板をはずす必要があります。
ゲレンデ全体で雪解けが進んでいるため、雪のあるところを探しながら滑ることとなりますが、何とか降りることは可能です。

| 速報バックナンバー | TOP |

■2008年5月4日(日)■   ( 今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.7 ) 

@ 2008/05/04 09:10
春スキーバス、スキーヤーで賑わう
(位ヶ原山荘)
A 2008/05/04 09:40
屋根板から山頂まで列が続きます
(屋根板)

B 2008/05/04 13:50
ひどく緩んだ雪質に足をとられます
(剣ヶ峰〜蚕玉岳間)

C 2008/05/04 15:45
ツアーコースはブッシュ等が目立つものの全面滑走可
(ツアーコース)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は昨年10月で終了していますので、次期の活動開始までは不定期でお伝えいたします。
昨日以上の良い天気に恵まれた今日の日差しの強さはまさに真夏を思わせるほどの状況を送ることができました。
早朝5時の位ヶ原山荘の気温は6℃、浅間山周辺などの東の空には少し雲がたなびきますが、稜線からしっかりとオレンジ色に輝く太陽が昇り始めます。見る見るうちに日差しは強くなってきて、温度計を見なければ、とても一桁の気温とは思えない気候で、前後左右から耳にすることのできる小鳥のさえずりに取り囲まれた快晴の朝を迎えます。そんな快晴の空が広がっても7時ごろの剣ヶ峰付近からは激しく北へ雲が流れる様子がうかがえます。しかし天候の悪化を予感させるような状況はそれだけで、春スキーバスが位ヶ原山荘に到着することになると稜線付近の雲は一切なくなり、スキーヤー・ボーダーの方々がやってくるのを待ち受けます。今日の春スキーバス始発便は9時に到着し、昨日より多い5台が運行されました。したがって、バスの到着した位ヶ原山荘前はスキー板などの荷下ろしや春山入山計画書(登山届)を記入される方でごった返します。それでも準備を整えた方から順次屋根板を登り始めます。この時期、多くの方がアイゼンもしくはツボ足のため、屋根板にはまっすぐ直登一本の踏み跡に一列になってつながるスキーヤーの列をうかがうことができます。まるでハイシーズンの登山道のような光景です。10時の位ヶ原山荘の気温はすでに16℃まで達し、それまで若干吹いていた風がなくなり、じーっとしていても汗がにじみ、ジリジリと肌が焦げてくる感覚を覚えます。1時間ほど前までは屋根板をツボ足で歩いても甲程度の沈み込みがどんどん緩んでゆく雪面では、完全に足首を超え、踏み抜いてしまうところさえあります。いつもなら急激に気温が上昇すると必ず雲が発生するものの、今日は一向にその気配はなく、屋根板から望む富士見岳は深い青色のバックに聳え立っています。屋根板や位ヶ原はこの一週間で急激に雪解けが進み、至るところでダケカンバの枝先が起き上がり、真冬の白一色の光景は春の汚れた雪にまだらの模様が描かれるのと同時に、大きなダケカンバの木が知らないうちに存在しているといった状況が発生し始めています。
東の空には雲が浮かんで南アルプスの峰々はその雲に頭を隠すものの、遠景の山々は比較的はっきりとしていて透明度の高い空気に包まれ、位ヶ原に上がった正午の気温は8℃。絶えず西からの涼しい風が吹き抜け、日差しの強さを弱めてくれます。そのため、シールで位ヶ原を歩いても昨日ほどの沈み込みは少ない状況です。
位ヶ原から望む大雪渓や剣ヶ峰・蚕玉岳・朝日岳の稜線付近は、朝の春スキーバスを降りて一斉に登って行ったスキーヤー・ボーダーの方々がゆっくりと進んで行く様子をうかがうことができます。12時の時点で大雪渓から朝日岳へ直登される方はざっと見て50名ほどの列ができています。13時の朝日岳直下付近の気温は12℃。もうどこもグサグサの雪質が広がっています。今日は朝日岳から大雪渓に滑り込むルートよりも剣ヶ峰〜蚕玉岳の稜線から滑り降りるルートに集中し、こちらのほうは春の午後のゲレンデと全く変わらない状態。昨日のベタベタした雪は多くの人に踏まれたこともあって、板に張り付く感触は少ないものの、板を踏み込んでも下からの押し戻しを感じにくい完全に緩みきった雪質に稜線から滑り降りてくる方の中には足がパンパンに張って何度も休みながら降りてこられたり、深く緩んだバーンにトップを食い込ませすぎて雪上でフロントフリップするボーダーなど、苦労しながらも楽しそうにノリクラの大斜面を楽しんでいらっしゃいました。14時を過ぎると快晴の青空に雲がのんびり流れるようになります。そのたびに位ヶ原には光と影のグラデーションが流れ、穂高をバックにしたその光景はカメラマンでなくてもワンショットを納めてみたいと思ってしまう光景です。
下りのツアーコースはスキー場まで問題なく滑走できますが、この雪質のため、位ヶ原山荘から発車する春スキーバスの下り便で下山する方もいらっしゃいました。
昨日に引き続き、今日も良い天候の一日を過ごすことができ、まずまずのGWを送ることができたように思います。なお、4月26日(土)から不定期でお届けしたGW期間中の速報は今回で最後となります。次回は通常通り週末ごとの掲載を予定しています。
なお、次期のノリクラ雪渓カレンダーを開始するまでの期間中は、今回のように不定期で速報をお伝えする予定です。今回取材分の ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.7
は今週末の掲載を予定していますのでご覧ください。 
また、5月3日(土)から運行となった春スキーバスの運行ダイヤなどは、お知らせ−2008シーズン GW〜6月末の位ヶ原山荘行きのバス(春スキーバス)の運行について<1日3往復に増便> をご覧ください。 (2008/05/04 19:40更新)
【ツアーコースの積雪状況(2008/05/04 16時時点)

数日前と比べると下部のエリアで切り株が見え隠れするなど変化が見られます。上部の位ヶ原からツアーコースへ降りる急斜面から@番の札付近までは斜度変化の部分で少しコブができ始めているもののそれ以外はほとんど変化はありません。しかし、@番札付近からスキー場へ降りる急斜面手前付近の区間で切り株が所々見えるようになってきています。また、スキー場へ降りる急斜面ではかなりブッシュが出てきて、切り株の数も多くなってきています。ただ、どちらも注意すれば滑走には問題ありません。また、それより下部のかもしかゲレンデも場所を選べば三本滝レストハウスまで滑走はできます。
5月6日(火)までのGW 期間中はバーン状況をしっかり見ながら滑走すれば問題ありませんが、その次の週では場所によっては、滑走部分が制限されるところがでてくることと思いますのでご注意ください。

| 速報バックナンバー | TOP |

■2008年5月3日(土)■   ( 今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.7 ) 

@ 2008/05/03 08:50
春スキーバス、運行開始!
(位ヶ原山荘)
A 2008/05/03 09:10
バスを降りたら一斉に登ります
(屋根板)

B 2008/05/03 14:20
厳しい日差しにどこもベタベタの重い雪質
(剣ヶ峰〜蚕玉岳間)

C 2008/05/03 15:45
ツアーコースに帰るシュプールが無数に刻まれます
(位ヶ原)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は昨年10月で終了していますので、次期の活動開始までは不定期でお伝えいたします。
今日は厳しい日差しにさらされて、春を通り越して初夏を思わせるような肌を焦がす天候の一日となりました。
5時前からすでにしっかりとした青空が広がり、東の空にたなびく雲が若干赤く染まりながら、朝日が昇ってきます。6時の位ヶ原山荘の気温は6℃。この気温でも全く寒さはなく、すでに高く昇ってきた太陽の光線は澄んだ空気の中をストレートに届く様子がわかります。その澄んだ空気に包まれているため、ノリクラの峰々は真っ青な西の空にこれ以上のコントラストはないのではないかと思うほどのビビッドな色彩を放っています。強い日差しに照りつけられて、位ヶ原山荘前の県道乗鞍岳線では除雪でできた切り通しの雪の壁からは雪解け水が路面に流れているものの凍結している様子はなく、切り通しの壁からアスファルトに崩れ落ちた雪の塊はあっという間に融けて行くほどの勢いがあります。このため、三本滝ゲートから位ヶ原山荘までの車道においても凍結部分はなく、6時30分ごろに位ヶ原山荘へパトロールにやってきたはバス会社の方が問題なく通行できる状況を確認されて下山します。この時点で山麓の観光センターや三本滝ゲートのバス停にはすでにたくさんの方がお越しにいらっしゃるとのことでした。8時の位ヶ原山荘の気温は12℃。早朝と比べると上空は筋状の雲がたなびき始めるものの穏やかな状態は相変わらず続きます。日差しの強さはどんどん増して、少し動くだけで蒸し暑さを感じるほどです。
春スキーバスはスキーヤー・ボーダーの方々が大半を占め、板の積み込みなどに時間を要するため、例年、ダイヤが遅れがちですが、今シーズン最初の春スキーバスがほぼ定刻の8時45分に位ヶ原山荘に到着します。この便は4台のバスが運行され、130名の方が位ヶ原山荘までやって来られました。バスから下車されたスキーヤー・ボーダーの方々は屋根板を登行準備を始める所からノリクラの春スキーが始まりますが、今年からは全てのスキーヤー・ボーダーの方々を対象に登山届の提出をお願いしており、バスの車内で手渡された書類を山荘前で記入される姿があちこちで見られました。また、今年から滑走エリアについても区域が設けられています。
9時過ぎには大半のスキーヤー・ボーダーの方々は屋根板から山頂方面を目指します。この時点で雪面は完全に緩み、シールでの登行ではさほど問題はないものの、ツボ足での登行ではかなり踏み抜く状態で、エッジのあるスノーシューやアイゼンがあったほうが沈み込みが軽減されると思います。この急激な気温の上昇のため、上空の青空にはモクモクとした夏を思わせるような雲が湧き上がるようになり、屋根板や富士見岳の山肌には雲の動きに合わせて光と影のグラデーションが変幻自在に流れて行きます。10時の位ヶ原山荘の気温は16℃、南からの柔らかい風が若干吹くものの、吹き汗ばむ陽気が一層と強くなってきます。しかし、上空の雲が多くなり、時折太陽が隠れるとそよ吹く風にクールダウンさせられる感覚がよみがえってきます。
この陽気のため、今日はどこをとってもベタベタの雪質。緩んだ雪質になるとシールでのトラバースでは表層がズレ落ちてスリップするものの、今日は表層からさらに奥まで緩んでしまったため、スキーがもぐりこんで逆にトラバースし易い状況を作り出してくれます。
12時の屋根板は10℃。ほぼ全面雲に覆われ、火照った顔が生き返ってくる感覚を覚えます。それでもひんやりした感覚はなく、雪面は相変わらずベタベタの状態が続きます。
普段なら魔利支天岳などのエリアも人気ですが、今日は本当にたくさんの方が大雪渓・山頂方面に集中し、13時の段階で朝日岳直下で10名ほど、剣ヶ峰〜蚕玉岳の沢筋で15名近くの方がいます。その後もこの人数はほとんど変わらず、そのため、山頂直下から大雪渓にかけてはたくさんのシュプールが刻まれ、あまりにもたくさんのシュプールが入り乱れた状態となり、完全に食い尽くされた状態になっています。正午近くに上空を覆い尽くした雲は13時過ぎには再び青空が広がり、ジリジリと肌を焦がす強い日差しも戻ってきます。大雪渓付近から位ヶ原方面を見下ろすと東の空にはモクモクとした夏のような感じを思わせる雲が目線の高さに一列に並び、こんな光景を見ていると大雪渓で夏スキーをしている感覚にさせさせられます。
このきれいな天候のため、太陽がかなり傾きかけても山頂付近から滑走してこられる方はまだまだいらっしゃいます。しかし、今日は夕方になってもベタベタの雪質は全く変わらず、山頂付近の急斜面ですらフォールラインに絡む時間を長くとってもスピードに乗れない雪質です。16時の位ヶ原は12℃とこの時間になっても冷え込みのない状態が続き、真昼と同じ状況のまま太陽は西の空へ落ちて行きます。
春スキーバス運行初日の今日。こんなに良い天気に恵まれ、訪れた方はおそらく全て満足されたことと思います。
なお、次期のノリクラ雪渓カレンダーを開始するまでの期間中は、今回のように不定期で速報をお伝えする予定です。今回取材分の ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.7
は今週末の掲載を予定していますのでご覧ください。 
また、今日から運行となった春スキーバスの運行ダイヤなどは、お知らせ−2008シーズン GW〜6月末の位ヶ原山荘行きのバス(春スキーバス)の運行について<1日3往復に増便> をご覧ください。 (2008/05/03 21:40更新)

| 速報バックナンバー | TOP |

■2008年5月2日(金)■   ( 今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.7 ) 

@ 2008/05/02 08:00
山頂に向けて出発!
(かもしかゲレンデ)
A 2008/05/02 12:00
板に張り付く滑らない雪質
(ツアーコース)

B 2008/05/02 16:10
雪原にも雪解けの様子が見られます
(位ヶ原)

C 2008/05/02 16:40
春スキーバスは明日から運行開始
(位ヶ原山荘)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は昨年10月で終了していますので、次期の活動開始までは不定期でお伝えいたします。
今日は徐々に朝の日差しがなくなって行くものの蒸し暑さが続く一日で、GWの谷間ということもあって、本当に静かなノリクラを楽しむことができました。
明け方の乗鞍高原は西の空のノリクラの峰々の上空に雲の帯がたなびいていたものの、6時を回る頃になると次第に青空が広がる良い天気の朝を迎えます。気温は8℃でさほどの寒さはありません。GWの前半からそのまま連続してお休みの方もいらっしゃり、観光センター駐車場にはいつもよりも車の出入りがやや多く、車から降りてきた観光客の方々は、特に上着を羽織る様子もなく、周辺の散策を楽しんでいらっしゃいます。青空が広がって行くものの、上空は絶えず薄い雲に覆われ、青さがしっかりとしないのが残念です。そして、8時の三本滝レストハウス前駐車場の気温は14℃、駐車場には車が10台ほど止まっていてすでにツアーコースへ出向いた方もいらっしゃったようです。先週はレストハウス前の舗装された箇所のみしか除雪されていませんでしたが、ゲレンデ寄りにある未舗装の駐車エリアも一部除雪が進んでいて、GW前半の休日では満車で駐車できなかった状況も少しは解消されることと思います。
今日はほとんど風を感じない一日で、徐々に広がる上空の雲に太陽の日差しがどんどん弱くなっていきますが蒸し暑さを感じます。9時のかもしかゲレンデは14℃。時折、東から弱い風が蒸し暑さを和らげてくれます。そのかもしかゲレンデは一部で地面が見え始めるものの、県道乗鞍岳線の切り通し以外はツアーコースからの滑走は可能です。そして、10時近くになると、空の青さはほとんどなくなり、かもしかゲレンデ上部から眺める高天ヶ原や剣ヶ峰の白い山肌が空の色と同化し始めて来ました。日差しがどんどんなくなってきてそれまでの薄日がほとんどなくなり始めたため、11時のツアーコース入口の気温は13℃とほとんど変わりません。雪解けとともにツアーコースの状況が気になる所で、その中でももっとも感心があるのはツアーコース最初に始まる急斜面の状況ですが、昨日の速報でもお伝えしたように若干のブッシュがあるものの問題はなく、GW中は登行も滑走も可能かと考えられます。ただ、この一週間の積雪量の減少と雪質の変化はかなり大きく、特に雪質は春の汚れたものに完全に置き換わっています。そのため、登行ではシールの裏に張り付き、ツアーコース内の滑走は所々にある急斜面以外ではほとんど直滑降でも失速するほどの状況です。
正午のツアーコースは12℃。この頃になると太陽はかろうじて雲の中に見え隠れする程度となり、先ほどまではっきりしていた高天ヶ原と剣ヶ峰はその中腹より山頂は完全に姿を隠してしまいます。
ツアーコースから位ヶ原へ上がる最後の急斜面付近にやってくるとようやく冷たい風に変わってきますが、それでも雪質は全く変わらず、グサグサというよりもベタベタといった表現のほうが正しい状況です。いつもなら位ヶ原に登ると急激に冷え込んで雪質も大きく変化しますが、今日はツアーコースと全く変わらないベタベタの雪質。ツアーコース以上に斜度がない位ヶ原は直滑降でもストックで漕がないといけない箇所すらあります。その位ヶ原でも少しずつ雪解けが見られ、それまで白一色だった雪原にも埋もれていた小さなダケカンバたちが頭を出し始めています。
乗鞍高原から位ヶ原山荘まで1日3往復する春スキーバスは明日から運行開始が決定し、位ヶ原山荘前にもバス停が設置されました。運行開始が決定されたものの、当日の天候や路面状況により運休となることがありますのでご注意ください。運行ダイヤなどは、お知らせ−2008シーズン GW〜6月末の位ヶ原山荘行きのバス(春スキーバス)の運行について<1日3往復に増便> をご覧ください。 (2008/05/02 19:30更新)

| 速報バックナンバー | TOP |

■2008年5月1日(木)■   ( 今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.7 ) 

@ 2008/05/01 06:00
朝はきれいに晴れ上がる
(屋根板)
A 2008/05/01 10:55
春スキーバス試運転、5月3日(土)運行開始決定!
(位ヶ原山荘)

B 2008/05/01 13:35
午後から完全に曇り空
(位ヶ原)

C 2008/05/01 14:05
ツアーコースは全面滑走可能です。
(ツアーコース入口急斜面)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今期の取材活動は昨年10月で終了していますので、次期の活動開始までは不定期でお伝えいたします。
今日は午前中の早い時間は良い天気を見せたものの、その後はややどんよりとした天候の一日となりました。
朝6時の位ヶ原山荘はやや薄い雲に覆われるものの、次第にはっきりとした青空が広がるようになります。気温は6℃、絶えず弱い風が西から吹くものの、その風に寒さはありません。そして、車道の切り通しの雪の壁から路面に流れ出た雪解け水は早朝の段階でも凍結していませんでしたので、最低気温は氷点下にならなかったようです。
5月上旬のこの時期は最低気温が氷点下となる日がまだまだ多く、雪解け水が再凍結して春スキーバスが運休になることが多々ありますが、今日はその春スキーバスの試運転が実施されました。長野県、松本市の自治体関係者や地元の旅館組合・民宿組合の方などが松本電鉄のシャトルバスに乗車し、実際の車両を通行させて路面状況や除雪状況など、運行に支障となる箇所がないかなどをチェックし、各関係者での協議の末、予定通り5月3日(土)から運行が開始されることとなりました。道路は除雪作業が完了していないことから、ガードロープやカーブミラーなどが設置されていないため、細心の注意のもとで運航されることが申し合わされました。
今日の天候は早朝の晴天から徐々に青空が失われ、9時の位ヶ原山荘の気温は12℃、切り通しの雪の壁からポタポタと落ちる雫の音と小鳥のさえずり以外は何もない静かな情景が広がっています。試運転バスが到着した11時頃は完全に曇り空になりますが、バスから降りてこられた方々もさほど寒さを感じていないようで、位ヶ原山荘に駆け込む方よりも、雪に覆われている周辺の景色をカメラや携帯電話で撮影しながら周辺の様子を眺めていらっしゃいます。
正午の位ヶ原山荘は少しばかり太陽がのぞいて蒸し暑さを感じるほどの状態。それでも気温は14℃とさほどの変化を見せません。しかし、その太陽も再び雲に覆われるようになります。13時の屋根板はほぼ完全に曇。4月26日(土)に降り積もった表層の新雪が解け始め、屋根板を初め、富士見岳など周辺の山肌は汚れた春雪が見え隠れしたまだら模様となっています。また、雪面はツボ足だとかなり踏み抜いてしまうほど緩み、シールでの登行でも若干沈み込みを感じるほど。そして、シールの裏で雪が団子になったり、斜めにトラバースすると表層がズレ落ちてシールが滑り、なるべく直登するルートを選びながら登って行く必要があります。
そして全体的に雪解けが進んでいる様子が見られ、剣ヶ峰や魔利支天山頂直下では数日前よりも岩の頭が若干増えてきているように感じます。
5月3日(土)からGWの後半がスタートし、春スキーバスを利用してツアーコースなどを滑走される予定の方もいらっしゃるかと思います。前述のとおり、ツアーコースも数日前の新雪と汚れた春雪が入り混じり、今日はかなりグサグサな状態となりました。そのためかなり滑走性が悪く、緩斜面ではスキー板がとまってしまうほどですので、特にボードの方はストックを持参されるなどある程度の対策を講じたほうが良いかもしれません。
春スキーバスは本日の試運転の結果、5月3日(土)からの運行開始が決定されましたが、当日の天候・路面状況で運休されることもありますのでご注意ください。また、運行ダイヤなどは、お知らせ−2008シーズン GW〜6月末の位ヶ原山荘行きのバス(春スキーバス)の運行について<1日3往復に増便> をご覧ください。 (2008/05/01 18:30更新)
※ 本日更新予定のノリクラ雪渓カレンダープレリリース版Vol.6(2008/04/26〜27)はもうしばらくお待ちください。

| 速報バックナンバー | TOP |


| Index | Top-Page |

Copyright (C)  乗鞍香辛料監視委員会