【速報バックナンバー 2018年6月分】

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◎ 6月

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■2018年6月23日(土)       (今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダー Vol.7
 
   (ご注意 :今回の記事はバックカントリ ー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。 ツアーコースマップ → ノリクラガイドマップ 冬スキー 版<対象時期:12月末〜4月末> )  
 

@ 2018/06/23 09:20
乗鞍岳春山バスは今月末まで運行
(大雪渓・肩の小屋口バス停)
A 2018/06/23 09:20
大雪渓に到着と同時に雨 − 急いでレインウェアを!
(大雪渓前)

B 2018/06/23 11:45
降ったりやんだりを繰り返す
(大雪渓下部 − アルペンボード)

C 2018/06/23 13:30
気温が低く、積雪区間はアイゼンが必要
(山頂登山道 − 積雪区間は60メートル)
その他の画像が本文末尾にあります。

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今日は残念ながら予報よりも早めに雨が降り出し、あいにくの一日となりました。

<乗鞍高原、観光センター前駐車場、春山バス発着場所変更>
早朝6時の乗鞍高原は、曇り空のの朝を迎えます。気温15℃で暑くもなく寒くもないコンディション。ひばりがいつもよりも低めに飛び、顔には虫がひどくまとわりつく様子は今シーズン初めてこと。本格的な夏を迎えるために避けて通れない体験です。そのため、防虫ネットで顔を覆うボーダーの方もいらっしゃいました。

観光センター前駐車場は、明日6月24日(日)に開催される乗鞍天空マラソンの大会会場となるため、昨日夕方から大会が終わるまで、車両乗り入れ禁止となっていて、春山バスを利用する方々は、周辺の駐車場に止めることになります。また、春山バスも乗り入れできないため、今日だけは車道沿いの路線バスの停留所にて発着となりました。

今日の春山バス始発便は2台、61名を乗せて大雪渓に向けて出発しました。なお、明日の春山バスは乗鞍天空マラソンのため全便運休です。大雪渓・山頂方面にお越しの方は、岐阜県側の乗鞍スカイラインのシャトルバスをご利用下さい。こちらは通常通り運行されます。

<乗鞍岳春山バス、雪壁と大雪渓>
春山バスは6月30日で今シーズンの運行が終了され、7月1日からはシャトルバスへとバトンタッチします。春山バスの車窓は新緑がいっぱいに広がり、冷泉小屋から位ヶ原山荘にかけては、針葉樹の深い緑と広葉樹の明るい緑のパッチワークが見事!先週よりも鮮やかになっています。そして、位ヶ原山荘を過ぎると、新緑と残雪が織りなす見事なロケーションが広がり、この光景もこの時期にしか見られない貴重なものです。そして、大雪渓手前の5〜4号カーブの雪壁は、概ね5.6メートルの高さがあって、4号カーブ内側は4メートルの高さがあり、昨年よりも1.3メートルほど少ない状態です。

春山バスが大雪渓に到着した9時過ぎに雨が降り始めます。春山バス到着と同時に降り始めたといってよい状況です。気温は10℃ですがそれほど寒いという感覚はなく、皆さん、急いでレインウェアを着込むものの、やや蒸し暑さすら覚える状況です。雨はこの先一時的に収まることはあっても、ほぼ終日降り続きました。

雪渓下部のモーグルコースには3レーンがあり、下から見て右側のレーンを整備するコブ管理人は「今日は硬くてスコップだけじゃなく鍬も必要。板が走りやすいコンディションなのでしっかり板を押さえないと...」と、おっしゃっていました。レーンの長さは29コブ×103メートル。スタート付近に石の頭が出始めたため若干短くなっていますが、まだまだ、十分滑走可能な状況です。

また、モーグルバーンよりも南寄りの緩斜面のエリアでは、今日もアルペンボーダーの方々がゲートを設置して練習をされています。こちらでも硬めのバーンに板がはじかれる様子が見られましたが、綺麗に整備されて、滑りやすい環境を整えていたと思われます。

全体的には、大雪渓入口付近や肩の小屋周辺で、縦溝やスプーンカットが一部で見られるものの、再氷結に伴う氷柱やアイスバーンはほどんどありません。ただ、バーンが硬めであるため、多少の縦溝・うねりでも、滑りにくいと感じるかもしれません。

<大雪渓から稜線方面>
正午の肩の小屋の気温は8℃、このころから、雨の降り方がやや強くなって来たものの、風はそれほどではなく、視界は午前中と変わらず良好で山頂方面もはっきり見えます。肩の小屋から先の山頂方面の登山道は、朝日岳直下に積雪区間が60メートルほどあります。しっかりステップが切ってありますが、今日はバーンがやや硬めで、雪に慣れている方は、登りも下りもほぼ問題ないものの、慣れていない方は、アイゼンを装着されていました。

14時の稜線の気温は8℃、ほとんど風もなく、雨降りを除けば、穏やかな一日だったといえます。

【稜線方面と位ヶ原山荘への下山滑走ルート】
D 全景

F 蚕玉岳〜朝日岳稜線
登山道の積雪区間は
60m、今日はアイゼンが必要


画像D<全景>: 大雪渓入口から肩の小屋に向かう登山道は、画像出写っている部分(全体の下半分)は積雪があり、誘導ロープに沿って登ってください。ルートを外れると行き止まりになります。
画像E<蚕玉岳〜朝日岳稜線> : 肩の小屋からの山頂登山道は、画像の箇所で積雪が60メートルあります。ステップ(踏み跡)が切ってあり、雪が柔らかい日は、アイゼンなしで登山・下山できますが、今日のように冷え込んでバーンが硬い場合、雪に慣れていない方や、バーンが硬いときはアイゼンが必要です。

速報掲載は通常土曜日ですが、次回速報は7月1日(日)の予定です。今回取材の ノリクラ雪渓カレンダー Vol.7 は今週末掲載予定です(2018/06/23 20:30更新)

 

【6月23日(土)速報 − そのほかの画像 (クリックで拡大)】

 

【Mt.乗鞍営業終了以降の乗鞍岳春山アクセス方法(4〜6月、ツアーコース、春山バス、乗鞍スカイライン)】

4月8日(日)でMt乗鞍スキー場の営業が終了し、それに伴い、県道乗鞍岳線の除雪、乗鞍岳春山バスの運行開始などにより、ツアーコース入口や大雪渓・山頂方面へのアクセス方法が変わってきます。下記を参照のうえ、入山されるようお願いいたします。
特にスキー場営業が終わってから、県道乗鞍岳線の休暇村〜三本滝開通までの間。4月8日(月)〜4月17日(火)までは、休暇村から全山自力で登行することとなりますので、ご注意ください。
  スキー場〜三本滝ゲート
(標高1600〜1800m)
三本滝ゲート〜ツアーコース入口
(標高1800〜2000m)
ツアーコース入口〜位ヶ原
(標高2000〜2500m)
位ヶ原方面〜大雪渓
(標高2500〜2600m)

●4月7日(日)まで

(Mt乗鞍営業期間)

リフト乗車 リフト乗車 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等)

4月8日(月)〜17日(火)11時

(休暇村ゲート開門前)

徒歩(休暇村G、スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等)

4月17日(火)11時〜27日(金)

(休暇村ゲート開門後)

マイカー(県道乗鞍岳線) 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等)

4月28日(土)予定〜5月下旬

(春山バス運行開始後)

マイカー(県道乗鞍岳線) 乗鞍岳春山バス(乗鞍高原〜位ヶ原山荘:標高2350m) 徒歩(スノーシュー等)

5月下旬〜6月30日(土)

(大雪渓延長運行開始後)

マイカー(県道乗鞍岳線) 乗鞍岳春山バス(乗鞍高原〜大雪渓:標高2600m) ※6月24日(日)は天空マラソンのため運休
【岐阜県】5月15日(火)〜 乗鞍スカイラインシャトルバス(ほおのき駐車場〜畳平:標高1230〜2700m


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■2018年6月16日(土)       (今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダー Vol.6
 
   (ご注意 :今回の記事はバックカントリ ー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。 ツアーコースマップ → ノリクラガイドマップ 冬スキー 版<対象時期:12月末〜4月末> )  
 

@ 2018/06/16 10:30
ハイクアップがツラい〜
(大雪渓下部 − モーグルコース)
A 2018/06/16 11:10
アルペンボーダー大集合!
(大雪渓下部 − 今日もレース大会)

B 2018/06/16 13:10
今シーズン最後の春山スキー − 稜線から大滑降
(蚕玉岳〜朝日岳稜線)

C 2018/06/16 13:25
澄み渡る晴天とひんやりとした空気に包まれ爽やかな一日
(鶴ヶ池)
その他の画像が本文末尾にあります。

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 梅雨の晴れ間とか梅雨の中休みというレベルでは収まらない今日の気候...澄み渡る青空が広がり、ひんやりとした空気に包まれた爽やかな一日を送ることができました。

<乗鞍高原、観光センター前駐車場>
早朝6時の乗鞍高原は、晴天の朝を迎えます。気温12℃とひんやりとした高原の朝といった雰囲気です。ただ、山頂方面はモクモクとした雲に覆われ、その様子が確認できません。観光センター前駐車場は20台ほどで、週間天気予報で雨マークが表示されていた時期があったため、少し人出が少ない模様です。そのため、春山バス始発便は3台・67名と少な目で、その大半が大雪渓でトレーニングを行うモーグラーとアルペンレーサーの方々でした。

さて、先週見頃を迎えた一の瀬つつじ園のレンゲツツジは、少しピークを過ぎつつある状態ですが、まだ、見頃が続いています。綺麗な青空にビビッドなオレンジはこの時期しか見られない色彩です。そして、それに代わるように、フランス菊やあやめがあちこちで咲き始めています。

<乗鞍岳春山バス、雪壁と大雪渓>
春山バス始発便が出発するころになると、山稜方面の雲がすっきりと抜けて、快晴の青空が広がるようになります。車窓の新緑はさらに色合いを増し、また、新緑前線が標高の高い所へと進んで行きます。その様子は、針葉樹の深い緑に広葉樹の若い緑が入り始め、二色の緑のパッチワークが見事な情景です。そして、位ヶ原山荘を過ぎると一気に銀世界へと移り変わり、雪壁で有名な5号カーブから4号にかけては最も高いところは8.4メートルですが、垂直に切り立った部分は6.2メートルもあって雪の壁が聳え立ちます。なお、4号カーブの内側の積雪は4.3メートルで、昨年よりも2.2メートルほど少ない状態です。

春山バスが大雪渓に到着した9時過ぎの天候は、紺碧の快晴が広がります。気温は6℃、この時期としてはかなり低い気温ですが、強い日差しと調和して、程よい気候となっています。今日は稜線まで登る春山スキーヤーは皆無で、大雪渓でトレーニングするモーグラーとアルペンボーダーが大半でした。

雪渓下部のモーグルコースには2レーンが整備され、整備を終えたコブ管理人は「今日のコブは100%の出来栄え」と、おっしゃっていました。コースの長さは先週と同じく31コブ×107メートルで、適度に柔らかい雪質に恵まれて、最終便の発車間際まで多くのモーグラーが滑っていました。また、ゲートを設置するアルペンボーダーのグループは、タイムトライアルのレースを行うなど、完全に7月以降の夏の大雪渓と変わらない光景が繰り広げられました。

なお、大雪渓のバーンは、全体的に縦のうねりが見られるようになってきたものの、再氷結による氷柱やアイスバーンはほとんどなく、柔らかい状態でした。また、肩の小屋口登山道から肩の小屋方面は、まだ半分以上が積雪に覆われています。天候の悪いときはアイゼンが必要となります。

<大雪渓から稜線方面>
正午の肩の小屋の気温は6℃、この時期、晴れた日中で一桁の気温を示すことは珍しく、ただ、強い日差しにそれほどの寒さはなく、アウターなしでもほとんど問題ないコンディションです。肩の小屋からの登山道には積雪はなく、下の画像FGのように朝日岳直下に一部積雪が残っているにすぎません(積雪区間100メートル)。ルート上にはステップが切ってあり、今日のように晴れた日はアイゼンなしでも登ることが可能ですが、悪天候時は必要な場合があるかもしれません。

午後になっても、天候・気温ともにほとんど変化なく、稜線からは遠景の山並みをくっきりと楽しむことができ、梅雨の時期であることを忘れさせる一日でした。

【稜線方面と位ヶ原山荘への下山滑走ルート】
D 全景 E 剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線
丸印箇所で分断され、上部からの滑走は不可

F 蚕玉岳〜朝日岳稜線
登山道の積雪区間は
100m、通行注意

G 積雪区間 − ステップが切ってある
雪に慣れていない方やバーンが硬いときはアイゼンが必要


画像D<全景>: 肩の小屋に向かう登山道は、ほぼ全面積雪があり、誘導ロープに沿って登ってください。ルートを外れると行き止まりになります。
画像E<剣ヶ峰〜蚕玉岳> : 稜線から3分の1のところ(丸印部分)は、積雪がなくなり分断されました。そのため、上部からの滑走はできなくなりました。
画像FG<蚕玉岳〜朝日岳稜線> : 肩の小屋からの山頂登山道は、画像の箇所で積雪が100メートルあります。ステップ(踏み跡)が切ってあり、今日のような雪が柔らかい日は、アイゼンなしで登山・下山できますが、雪に慣れていない方や、バーンが硬いときはアイゼンが必要です。

次回速報は6月23日(土)の予定です。今回取材の ノリクラ雪渓カレンダー Vol.6 は今週末掲載予定です(2018/06/16 20:30更新)

 

【6月16日(土)速報 − そのほかの画像 (クリックで拡大)】


【Mt.乗鞍営業終了以降の乗鞍岳春山アクセス方法(4〜6月、ツアーコース、春山バス、乗鞍スカイライン)】

4月8日(日)でMt乗鞍スキー場の営業が終了し、それに伴い、県道乗鞍岳線の除雪、乗鞍岳春山バスの運行開始などにより、ツアーコース入口や大雪渓・山頂方面へのアクセス方法が変わってきます。下記を参照のうえ、入山されるようお願いいたします。
特にスキー場営業が終わってから、県道乗鞍岳線の休暇村〜三本滝開通までの間。4月8日(月)〜4月17日(火)までは、休暇村から全山自力で登行することとなりますので、ご注意ください。
  スキー場〜三本滝ゲート
(標高1600〜1800m)
三本滝ゲート〜ツアーコース入口
(標高1800〜2000m)
ツアーコース入口〜位ヶ原
(標高2000〜2500m)
位ヶ原方面〜大雪渓
(標高2500〜2600m)

●4月7日(日)まで

(Mt乗鞍営業期間)

リフト乗車 リフト乗車 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等)

4月8日(月)〜17日(火)11時

(休暇村ゲート開門前)

徒歩(休暇村G、スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等)

4月17日(火)11時〜27日(金)

(休暇村ゲート開門後)

マイカー(県道乗鞍岳線) 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等)

4月28日(土)予定〜5月下旬

(春山バス運行開始後)

マイカー(県道乗鞍岳線) 乗鞍岳春山バス(乗鞍高原〜位ヶ原山荘:標高2350m) 徒歩(スノーシュー等)

5月下旬〜6月30日(土)

(大雪渓延長運行開始後)

マイカー(県道乗鞍岳線) 乗鞍岳春山バス(乗鞍高原〜大雪渓:標高2600m) ※6月24日(日)は天空マラソンのため運休
【岐阜県】5月15日(火)〜 乗鞍スカイラインシャトルバス(ほおのき駐車場〜畳平:標高1230〜2700m)


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■2018年6月9日(土)       (今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダー Vol.5
 
   (ご注意 :今回の記事はバックカントリ ー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。 ツアーコースマップ → ノリクラガイドマップ 冬スキー 版<対象時期:12月末〜4月末> )  
 

@ 2018/06/09 09:20
気温10℃、梅雨とは思えない爽やかな風
(大雪渓・肩の小屋口バス停)
A 2018/06/09 11:00
夏モーグル、今年も始まりました!
(雪渓下部 − モーグルコース)

B 2018/06/09 10:45
秋を思わせるような高い空
(大雪渓上端)

C 2018/06/09 13:55
今日の雪質は最高! −  何度も登り返しちゃった
(剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線)
その他の画像が本文末尾にあります。

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 6月6日に関東甲信・東海地方の梅雨入りが発表されましたが、今日はそんなことを全く感じさせない気候に包まれ、まるで秋のような爽やかな一日を送ることができました。

<乗鞍高原、観光センター前駐車場>
早朝6時の乗鞍高原は、快晴の朝を迎えます。気温は11℃でひんやりとした空気に包まれます。観光センター前駐車場は25台程度とやや少な目。それでも、今シーズン最後の春山スキーを締めくくろうとお越しになったスキーヤーの姿があちこちで見られます。それと同時に、コース整備用のスコップを持つモーグラーや、ロングポールを抱えて春山バスの列に並ぶアルペンスキーの方々の姿もあって、6月上旬だというのに、すでに春山スキーから夏スキーへとシフトしている様子がうかがえます。

この時期の花といえばレンゲツツジが知られるところで、一の瀬つつじ園のレンゲツツジがほぼ満開状態になりました。少し出てきた緑の葉芽が、まぶしいオレンジ色の花に交じってアクセントを添えていて、晴天と残雪のノリクラをバックに撮影するカメラマンの姿が数多くみられました。

<乗鞍岳春山バス、雪壁と大雪渓>
今日の春山バス始発便は3台、108名を乗せて大雪渓に向かいます。新緑が広がる車窓をよく見ると、ムラサキヤシオツツジのビビッドなピンクが映え、ヤマザクラがあちこちで淡く咲いている様子も見られます。そして、位ヶ原山荘を過ぎると一気に銀世界へと移り変わり、雪壁で有名な5号カーブから4号にかけては最も高いところは8.4メートルですが、垂直に切り立った部分は6.7メートルもあって雪の壁が聳え立ちます。なお、4号カーブの内側の積雪は4.6メートルで、昨年よりも2メートルほど少ない状態です。

春山バスが大雪渓に到着した9時過ぎの天候は薄い雲がたなびくものの綺麗な青空で、気温は10℃と、連日30℃近い蒸し暑い日々をおくる平地と比べるとうらやましいほどの爽やかさです。今日は山頂方面に登る方は数少なく、ほとんどが大雪渓での夏スキーを楽しむ方々が大半で、モーグルコースにはいつものコブ管理人の姿があって、今年も週末を中心にコース整備にいそしむとのことでした。本日整備したモールコースは31コブ×110メートルとかなり長く、今シーズン初めてのハイクアップはなかなか辛そうでした。

大雪渓北側にある肩の小屋口登山道から肩の小屋方面は、ほぼ全面積雪に覆われ、ルート識別のため、中信森林管理署のグリーンサポートスタッフによって、誘導ロープが設置されました。ルートから外れると行き止まりとなるため、必ず、このロープに沿って登るようにしてください。

このほか、アルペンレーシングのクラブや、ゲートを設置するボーダーのグループの姿もあって、ほぼ、真夏の大雪渓と変わらない賑やかな状況となりました。

<大雪渓から稜線方面>
正午の稜線の気温は14℃、日差しもさほど強くなく、爽やかな風に包まれ、本当に梅雨なのか疑ってしまうほど。バーンは柔らかく、縦溝や再氷結でできた氷柱などはほとんどないため、絶好の春山スキーを楽しめるコンディションで、おそらく、5月からの春山シーズンの中で、最もコンディションが良い一日だったと思います。

【稜線方面と位ヶ原山荘への下山滑走ルート】
D 全景 E 剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線
最も狭い所
は幅2メートル − あと数日で途切れる

F 蚕玉岳〜朝日岳稜線
登山道の積雪区間は120m、通行注意

G 積雪区間
雪に慣れていない方やバーンが硬いときはアイゼンが必要


画像D
全景>: 肩の小屋に向かう登山道は、ほぼ全面積雪があり、ルートがわかりにくい状態ですが、本日、誘導ロープが設置されまました。ロープに沿って登ってください。ルートを外れると、行き止まりになります。

画像E<剣ヶ峰〜蚕玉岳> : 稜線から3分の1のところ(丸印部分)は、積雪はつながっていますが、一旦スキー板を外して歩く必要があります。あと、数日で途切れると思われ、その後は、稜線直下の積雪が徐々に減少して、滑走不能になります。

画像F<蚕玉岳〜朝日岳稜線> : 大雪渓から登るルートは、ご覧のとおり途切れてしまいました。今後は肩の小屋から夏道を登ることになります。肩の小屋からの夏道は画像の右端部分までは全く積雪はありません。ご覧の積雪区間は120メートルあり、ステップが切ってあるため、積雪が柔らかければ、アイゼンなしで登ることが可能ですが、雪に慣れていない方、気温が低くバーンが硬いときはアイゼンが必要になります。

なお、大雪渓から位ヶ原山荘への下山滑走のルートは滑走可能ですが、ブッシュが多くなり、本日、下山したスキーヤーは、途中で何度かスキーを外して下山したとのことでしたのでご注意ください。

次回速報は6月9日(土)の予定です。今回取材の ノリクラ雪渓カレンダー Vol.5 は今週末掲載予定です(2018/06/09 20:30更新)

 

【6月9日(土)速報 − そのほかの画像 (クリックで拡大)】

 

【Mt.乗鞍営業終了以降の乗鞍岳春山アクセス方法(4〜6月、ツアーコース、春山バス、乗鞍スカイライン)】

4月8日(日)でMt乗鞍スキー場の営業が終了し、それに伴い、県道乗鞍岳線の除雪、乗鞍岳春山バスの運行開始などにより、ツアーコース入口や大雪渓・山頂方面へのアクセス方法が変わってきます。下記を参照のうえ、入山されるようお願いいたします。
特にスキー場営業が終わってから、県道乗鞍岳線の休暇村〜三本滝開通までの間。4月8日(月)〜4月17日(火)までは、休暇村から全山自力で登行することとなりますので、ご注意ください。
  スキー場〜三本滝ゲート
(標高1600〜1800m)
三本滝ゲート〜ツアーコース入口
(標高1800〜2000m)
ツアーコース入口〜位ヶ原
(標高2000〜2500m)
位ヶ原方面〜大雪渓
(標高2500〜2600m)

●4月7日(日)まで

(Mt乗鞍営業期間)

リフト乗車 リフト乗車 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等)

4月8日(月)〜17日(火)11時

(休暇村ゲート開門前)

徒歩(休暇村G、スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等)

4月17日(火)11時〜27日(金)

(休暇村ゲート開門後)

マイカー(県道乗鞍岳線) 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等)

4月28日(土)予定〜5月下旬

(春山バス運行開始後)

マイカー(県道乗鞍岳線) 乗鞍岳春山バス(乗鞍高原〜位ヶ原山荘:標高2350m) 徒歩(スノーシュー等)

5月下旬〜6月30日(土)

(大雪渓延長運行開始後)

マイカー(県道乗鞍岳線) 乗鞍岳春山バス(乗鞍高原〜大雪渓:標高2600m) ※6月24日(日)は天空マラソンのため運休
【岐阜県】5月15日(火)〜 乗鞍スカイラインシャトルバス(ほおのき駐車場〜畳平:標高1230〜2700m)


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■2018年6月2日(土)       (今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダー Vol.4
 
   (ご注意 :今回の記事はバックカントリ ー経験者を対象としたもので、ツアーコース初心者の方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。 ツアーコースマップ → ノリクラガイドマップ 冬スキー 版<対象時期:12月末〜4月末> )  
 

@ 2018/06/02 09:25
乗鞍岳春山バスの運行は5/31より大雪渓まで延長
(大雪渓・肩の小屋口バスバス停)
A 2018/06/02 09:55
親子揃ってのノリクラ通い − 10年目を迎えました
(大雪渓入口)

B 2018/06/02 12:00
午後から周期的に霧が立ち込める
(蚕玉岳〜朝日岳稜線直下)

C 2018/06/02 12:35
ノリクラに舞う − プロライダー桑原裕希
(剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線)
その他の画像が本文末尾にあります。

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 6月最初の速報をお伝えします。乗鞍岳春山バスが5月31日より大雪渓・肩の小屋口バス停まで延長運行されて今日は最初の週末。延長運行を待ち望んでいたスキーヤー・ボーダーの方々がたくさんお越しになり、賑やかな雰囲気に包まれた一日でした。

<乗鞍高原、観光センター前駐車場>
早朝6時の乗鞍高原は、雲一つない快晴の朝を迎えます。気温は8℃とひんやりとしています。もちろん、山頂方面はくっきりと青空に浮かび、富士見沢まで除雪が進んでいる様子が確認できます。そのため、富士見沢上部から位ヶ原山荘への滑走は不能になり、誤って除雪箇所に転落する可能性がありますのでご注意ください。そして、7時を回ると日差しの暑さを感じるようになり、エゾハルゼミの鳴き声が森の中にやさしく響きわたり、初夏の雰囲気を醸し出しています。一の瀬園地のつつじ園は少しずつレンゲツツジの花が咲き始めていますが、まだこれからといったところ。昨年より1週間早いものの、ほぼ例年並みの状況かと思われます。

8時を回るころになると、観光センター前駐車場も70〜80台ほどのマイカーで賑わうようになり、今日の乗鞍岳春山バス始発便は4台・181名を乗せて大雪渓へと向かいます。

<延長運行された乗鞍岳春山バスと大雪渓>
春山バスの車窓からの風景は新緑の明るい緑がいっぱいに広がり、季節の移り変わりを感じる状態ですが、位ヶ原山荘から先はまだ完全に雪景色。所々でバスの背丈以上の積雪がみられ、5号カーブから4号にかけては最大10メートル、概ね7メートルの雪の壁が聳え立ちます。なお、4号カーブの内側の積雪は5.3メートルで、昨年よりも1.5メートルも少ない状態です。

春山バスが大雪渓に到着した9時過ぎの天候は晴ですが、少し山頂方面に雲がかかり始めます。気温は14℃でひんやりとした雰囲気です。今回の延長運行に合わせて、大雪渓トイレ・避難小屋も利用可能になりました。そして、延長運行が始まった最初の週末には必ず訪れる親子のボーダーとも久しぶりの再会。今年で10年目とのことで、「最初の年に来た時のWebSiteをもう一度見て来ましたよ!」との挨拶をいただけると、長年継続してきた甲斐があるものだと、しみじみ感じるものです。

また、大雪渓まで延長されたため、山頂方面に向かう山スキーヤー・ボーダーに加えて、夏の常連スキーヤーが大雪渓にモーグルコースを作り始めました。最終的に30コブ以上のラインが完成した模様で、これから紅葉が始まる10月上旬まで、長い夏スキーのシーズンが始まります。

<大雪渓から稜線方面、稜線からの見事なエアー>
午前中は暑いくらいの日差しでしたが、11時頃から雲が多くなり、日差しがさえぎられます。それでも、バーンはかなりザクザクな状態まで緩み、シールではグリップが効きにくい状態となって来たため、ツボ足に切り替えて登るスキーヤーの姿もありました。

正午の稜線の気温は14℃、お昼前からひんやりとした空気に入れ替わり、この後、気温は下がり14時頃には8℃まで低下します。

そして、剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線では、大きなエアを決めるスキーヤーが何度も登り返してトライする様子があります。フリーライドのプロライダー
桑原裕希さん(perkperformance、nanoCamp!!)、今シーズンの滑り納めに景色のよい所で飛んでみたいとのことでお越しになった模様。位ヶ原の唐草模様にフワリと乗っかるような大きなエアで周囲の登山客などを魅了していました。

 

【稜線方面と位ヶ原山荘への下山滑走ルート】
D 全景 E 剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線
最も狭い所で幅8メートル − 昨年より3週間早い雪解け

F 蚕玉岳〜朝日岳稜線
最も狭い所で幅15メートル − 昨年より3週間早い雪解け

G 大雪渓から位ヶ原山荘への下山ルート

上の画像のとおり、稜線からの滑走は現時点では問題ないものの、雪解けが進んで、幅が狭くなっている箇所が見られるようになってきました。おそらく、1週間ほどするとこの部分で途切れるかと思われ、昨年より3週間ほど早い雪解けです。

次回速報は6月9日(土)の予定です。今回取材の ノリクラ雪渓カレンダー Vol.4 は今週末掲載予定です(2018/06/02 20:35更新)

 

【6月2日(土)速報 − そのほかの画像 (クリックで拡大)】


【Mt.乗鞍営業終了以降の乗鞍岳春山アクセス方法(4〜6月、ツアーコース、春山バス、乗鞍スカイライン)】

4月8日(日)でMt乗鞍スキー場の営業が終了し、それに伴い、県道乗鞍岳線の除雪、乗鞍岳春山バスの運行開始などにより、ツアーコース入口や大雪渓・山頂方面へのアクセス方法が変わってきます。下記を参照のうえ、入山されるようお願いいたします。
特にスキー場営業が終わってから、県道乗鞍岳線の休暇村〜三本滝開通までの間。4月8日(月)〜4月17日(火)までは、休暇村から全山自力で登行することとなりますので、ご注意ください。
  スキー場〜三本滝ゲート
(標高1600〜1800m)
三本滝ゲート〜ツアーコース入口
(標高1800〜2000m)
ツアーコース入口〜位ヶ原
(標高2000〜2500m)
位ヶ原方面〜大雪渓
(標高2500〜2600m)

●4月7日(日)まで

(Mt乗鞍営業期間)

リフト乗車 リフト乗車 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等)

4月8日(月)〜17日(火)11時

(休暇村ゲート開門前)

徒歩(休暇村G、スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等)

4月17日(火)11時〜27日(金)

(休暇村ゲート開門後)

マイカー(県道乗鞍岳線) 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等) 徒歩(スノーシュー等)

4月28日(土)予定〜5月下旬

(春山バス運行開始後)

マイカー(県道乗鞍岳線) 乗鞍岳春山バス(乗鞍高原〜位ヶ原山荘:標高2350m) 徒歩(スノーシュー等)

5月下旬〜6月30日(土)

(大雪渓延長運行開始後)

マイカー(県道乗鞍岳線) 乗鞍岳春山バス(乗鞍高原〜大雪渓:標高2600m) ※6月24日(日)は天空マラソンのため運休
【岐阜県】5月15日(火)〜 乗鞍スカイラインシャトルバス(ほおのき駐車場〜畳平:標高1230〜2700m)


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