ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.14(2009/08/12〜15) C
【高山植物】
高山植物は、種類も分布もピークを迎えています。
ウサギギク(花) |
こちらはウサギギク。
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小さな筒状花が、外周から徐々に咲く(左画像 → 右画像) |
ウサギギクを始めとしたキク科の仲間は、中央部分が小さな花(筒状花)の集合体(頭花)を形成しています。そして、二枚の画像を比べるとお分かりの通り、筒状花は、外周から徐々に開花しています。
大きな舌状花は、紫外線を強く反射して、虫をおびき寄せる |
そのため、キク科の植物は、開花している時期が長く、それだけ、受粉の機会を長く保つことができ、さらに、頭花の外周にある、いわゆる花弁(舌状花)は、頭花以上に紫外線を反射させ、受粉に欠かせない虫をおびき寄せる機能を果たします。そのため、キク科は、植物の中でも、もっとも、進化した種類といえます。
チングルマ(花) | 糸状の花柱が、今後、風車状のさく実に |
大雪渓エリアのいたるところで咲き乱れているチングルマ。花が終わると、稚児の風車のような さく果が、チングルマ(稚児車)の由来となっていますが、チングルマの花柱は、ご覧のように糸状になっていて、花が終わったあと、さらに伸びて、風車を形成します。
モミジカラマツ(花) | 白い花糸は雄花 − 花弁はありません |
そして、こちらのモミジカラマツ。白い花糸は全て雄花、花弁はなく、萼も開花すると落ちてしまいます。
セリバシオガマ(花) | オヤマリンドウ(つぼみ) |
そして、セリバシオガマが咲き始め、オヤマリンドウのつぼみが大きくなり始めると、秋へと季節が移ってゆきます。
ミヤマクロスゲ(花) | 頂小穂は雄性、側小穂は雌性 |
ミヤマクロスゲの草原も、花が咲き始めています。よく見ると、穂先が二種類あることに気付きます。一番穂先につく頂小穂は雄性で、側小穂は雌性です。(→ Next)
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