ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.6(2012/04/26〜30) @
今年のゴールデンウィークは曜日の並びが良く、5月1日(火)、5月2日(水)の二日間のお休みを取ることができると、4月28日(土)から5月6日(日)までの九連休となる方も多いのではないでしょうか?
そんなゴールデンウィークの始まりと同時に乗鞍岳春山バスも運行開始が予定され、それに先立って4月26日(木)に春山バス試運転が行われました。例年よりも積雪量が多い箇所も見られましたが、いつもよりも幅広く除雪作業が行われていて、運行上の問題も見当たらないことから、予定通り4月28日(土)より運行開始が決まりました。
試運転当日の4月26日(木)と、27日(金)の午前中は、あまり良い天候ではありませんでした。しかし、4月28日(土)の春山バス運行当日は、これを待っていたかのように絶好の天気に恵まれ、運行開始初日に始発便から運行できたのは実に三年ぶりのこと。終日に渡って快晴の空が広がり、春山バスを降り立ったスキーヤー・ボーダーの方は、一斉に山頂方面に足取り軽く登って行きます。そして、稜線からは無数のシュプールが刻まれ、さわやかなそよ風の位ヶ原ではのんびりとお昼時を過ごす様子もありました。
29日(日)も快晴の朝を迎えます。午後になると薄い雲に包まれますが良い天候の一日です。また、三連休最終日の30日(月)は、どんよりとした曇り空。お昼頃になると、肌寒さすら覚える状況で、にわか雨が少し降るもののすぐに収まり、ゴールデンウィーク前半の三連休は、これまでになく良い天候で締めくくることができたのではないでしょうか?
今回は4月26日(木)から4月30日(月)までと長期にわたっての取材で、定期的に開催しているノリクラサミットのコーナーもあって、記事も9ページと長大になっていますが、どうか最後までご覧ください。
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
【4月26日(木)、観光センター前駐車場】
観光センター前駐車場 |
こちらは朝7時30分の観光センター前駐車場。
夜明け前から雨が降り出し、ご覧のとおりの生憎の天候です。
除雪の雪山もご覧の状態 | 北向き斜面でも残雪はもうありません |
気温は8℃。雨は徐々に収まりを見せ、止んでいる時間帯も少しずつ長くなってきます。そして、昨日、松本市内では26.5℃と夏日を観測するほど高い気温に見舞われました。そのため、観光センター周辺でもご覧のとおり、雪の残っているところの方が珍しいほどで、雪が比較的残りやすい北向きの斜面も完全に雪解けが終了しています。
先週は真っ白だった鳥居尾根ダウンヒルコースもご覧のとおりで、この一週間で雪解けスピードがかなり早くなっています。
周辺の山肌からは霧が湧き上がり、こんな様子を見ると季節が確実に春に移り変わったものだと感じます。
こちらは、観光センターの隣にある公園。ちょっとした広場になっていて、遠方からペットとともにマイカーでやって来られる方にとって、ペットの散歩などにはちょうどよい場所かもしれません。
さて、先週の ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.5(2012/04/21) @ で、大樋銀山(おおびぎんざん)の話に触れました。この公園の目立つ場所に大樋銀山に関する石碑が建てられています。
大樋銀山について詳細に書かれていますので、右の石碑に書かれている内容を転記します。
− 大樋銀山について −
大樋銀山は武田信玄が開いたといい伝えられている。江戸時代になると、松本藩代々の藩主がこの銀山の経営にあたったと「信府統記」に書かれている(顕彰碑の文)
寛文19年(1648)水野氏が入城したころも銀山は繁昌していて、町屋が1000軒もたちならんだと伝承さえあります。
万治2年(1659)忠職(とも)のころ、白銀が多く出て山辺と浅間に御殿の湯を建てたほどであった
また、元禄7年(1694)嶋々の伝馬人足の覚によると、銀山奉行らの人足は312人、牛212と記されている
天保1年(1830)橋場より大尾銀山へ米1475俵・天保6年(1835)1318俵あげたなどの記録がある。(乗鞍の歴史と民族
信毎書籍 他)
大樋銀山(鉛・金・銀・マンガン)の繁衰は時代により激しかったが、明治以降、明治24年頃まで採掘されていた。
現在鉱口跡は大樋の山麓から山頂まで、数多く見受けられるが、草木が茂り土が崩れ、山野化してしまった。
そして人々からも忘れ去られてしまい今はただ、金山平の寺正法庵跡あたりに無縁仏や犠牲者の墓が数墓立ち並んでいるだけである
そこで、平成14年春、大樋銀山の顕彰する有志の会を立ちあげ、大樋銀山の探究・究明と共に乗鞍高原観光の一拠点としてよみがえらせ、郷土再発見の一助にしたいものと賛同者の募金をつのり、この顕彰碑を建て大樋銀山を永久に語り継いでいこうとするものである
平成15年5月吉日 大樋銀山顕彰碑 建立 有志の会一同
石碑にはこのように記されていて、その当時の乗鞍高原一帯はかなりの繁栄が見られたことが良くわかります。石碑の文面の中に、「橋場(島々の隣の集落の地名)より、米1475俵・1318俵をあげた」と記されています。冷涼な乗鞍高原では稲作に不向きで、昭和40年代に千石平付近に貯水池を作り、冷涼な地域でも丈夫な品種で稲作が実施されましたが、現在でも米の作付けはなされていません。
たんなるスモモでもこんな奥深いエピソードがあったと知ることができれば、興味が倍増するものです。
【乗鞍岳春山バス試運転】
乗鞍岳春山バスは、ゴールデンウィークの始まる4月28日(土)から運行が予定されています。今日はそれに先立って、春山バス試運転が行われました。
乗鞍岳春山バスは、松本市、アルピコ交通株式会社、のりくら観光協会、乗鞍温泉旅館組合、乗鞍温泉民宿組合が連携して実施するもので、運行期間は4月28日(土)〜6月30日(木)までで、運行開始前に試運転を実施することが決められています。
また、実施主体の関係機関のほか、環境省、林野庁森林管理署などの関連機関、除雪を担当した建設業者、報道機関も同乗します。
小雨の降る中、早速、試運転バスに乗り込み、松本市担当者より配布された資料に目を通します。
関係者・報道機関の方々を乗せ、春山バス終点の位ヶ原山荘に向けて出発です。なお、この春山バス試運転は一般の方々の乗車を目的としたものではありませんのでご了承ください。(→ Next)
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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