ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.6(2012/04/26〜30) H
【位ヶ原山荘 − ノリクラサミット】
夕方の位ヶ原山荘。
山頂方面でのスキー・ボードを楽しんだあと戻ってきたメンバー。今日は定期的に開催されるノリクラサミットのため位ヶ原山荘に集まります。いつもノリクラにお越しになる方々が、たまには集まって夜中まで語り合うというものです。メンバーには「冬山のノリクラを楽しむ」という共通点を持ち、今日はビーコントレーニングを実施します。
普段、ノリクラに入山してスキー・ボードを楽しんでいますが、なかなかこのようなトレーニングの場を設けることができないのが現状です。
「ビーコンの電波の飛び方はこのように...」と、 説明の隙をついて... |
説明の途中ですが、すでにクロスサーチ |
遭難者に見立てた物にビーコンを同梱して、雪の中にあらかじめ埋めておきます。もちろんメンバーには埋設地点は内緒にしておきます。ビーコンから発信される電波には、発信方向の特性があって、必ずしも発信方向が埋没方向を示していない場合があります。
そんな説明をしているうちに、別のメンバーが埋没地点まで一気に近づき、クロスサーチを開始。
クロスサーチの練習 | 救助まで約15分 − ぎりぎり合格! |
ピンポイントで探し当てるのもクロスサーチの練習には重要ですが、実際にはもうここまで近づいたら早く掘り出したほうが効率的でしょう...今日のトレーニング結果は、捜索開始から救助まで約15分。埋没後15分から生存率が急激に低下すると言われていますので、ぎりぎり合格点といえるでしょうか。
そして、ここからがノリクラサミットの本番...
生ビールで乾杯! | 朝から「生ビール、生ビール...」 |
乗鞍岳春山バスの運行開始に伴い、位ヶ原山荘でも生ビールの販売が始まります。今日は朝から「生ビール、生ビール」と連呼するメンバーもいらっしゃったほど。やはり、そんな楽しみがあるからこそ、重い荷物を持った登行もこなせるのかもしれませんね。
そして、夕食の時間が始まると、すぐに宴もたけなわに...
朝から晩まで、おばかな話でメンバーを盛り上げ続けます。このあとも、夜遅くまで和気藹々とした時間が続きます。
ノリクラサミットのメンバーにとってのノリクラのハイシーズンはやはり厳冬期のパウダーシーズン。そんな時期がおわって春山シーズンとなり、さらには目に優しい新緑の季節が近づいてきています。
ノリクラには厳冬期のパウダーだけでなく、四季折々に色々な楽しみ方を与えてくれます。そんな季節感を楽しむために、冬だけでなく、一年を通してノリクラサミットを開催して行き、ノリクラの魅力を再発見していただけたら幸いです。
<編集後記>
ゴールデンウィーク前半の様子をお伝えいたしましたが、一年のうちでこの時期が最も変化の激しい時期かもしれません。乗鞍岳春山バスの運行開始は、スキーヤー・ボーダーの方々に持っても、また、観光客の方にも大きな意味があると考えられます。
特にこの時期の乗鞍高原は、水芭蕉などが見頃の時期を迎えるものの、三本滝や善五郎の滝などの各名勝には残雪が残っていて、グリーンシーズンよりも散策スポットが限られています。そのため、春山バスで間近に雪山を見て触れられる所は、観光客にとっては貴重な体験でしょう。実際、乗鞍高原内に宿泊して、春山バス第二便(観光センター10時45分発)で位ヶ原山荘にむかえば、下山バスが発車するまでの約一時間は、位ヶ原山荘付近を散策することができます。
スキーシーズンであれば、スキー場を目的にお越しになる方をメインとした対応で問題ないと思いますが、スキーシーズンが終わったあとは、ノリクラに数多く存在する見所をいかにアピールするか(開拓するか)が重要であり、訪れた方にうまく伝えられるかというプログラムが必要なのかもしれません。
春山バスから眺める車窓は、現時点では雪の壁を謳い文句にすればよいでしょう。しかし、これから雪解けが進んで、新緑の美しさが誰の目にも留まるほどの鮮やかさを放つようになってくるはずです。ダイナミックな雪の壁はノリクラなどの限られた山岳道路にしか存在していません。しかし、新緑はノリクラ以外にもあり、謳い文句にならないかもしれません。そんなマイナーなものをどのように謳ってゆくかということも、一考しても良いのかもしれません。
■ご注意■
今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)
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