ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.25(2013/10/26〜27) @
今シーズン最後のノリクラ雪渓カレンダーをお届けします。
台風27号の影響が懸念されましたが、ノリクラにはあまり影響は見られず、シーズン最後まで無事に通うことができました。
取材一日目の10月26日(土)は、雨の朝を迎えます。低く垂れ込めた雲にどんよりと包まれて、観光センター前駐車場は訪れる人のほとんどない静かな状況です。この雨も9時過ぎにはほとんど収まり、上部エリアではお昼前には天候が回復し始めます。そして、晴れた位ヶ原から望む乗鞍高原方面には重厚な雲海が広がっていてそれは見事な光景。午後になると天候の回復にあわせるように風が吹き始め、気温も低下し始めます。正午の大雪渓ではプラス5℃だった気温は、15時の山頂ではマイナス4℃まで冷え込みます。夕方になって、再び雲が広がり、標高2350メートルの位ヶ原山荘付近では日没にあわせるように吹雪に近い状態へと天候が悪化し、道路も少しずつ白くなる状況となりました。
取材二日目の10月27日(日)は、昨晩からの降雪・強風で路面は部分的に積雪凍結となり、明け方まで吹雪に近い状態が続きました。位ヶ原山荘付近から望む屋根板方面は真っ白に雪化粧が施され、ダケカンバやウラジロナナカマドはどれも枝先までびっしりと着氷してしています。そして、次第に青空が見られるようになりますが、天候が完全に回復傾向を示すのは午後になってから。しかし、午後の山頂付近は天候が回復しても激しい暴風が吹きぬけて、そんな荒れ狂う雲の流れの合間から冠雪した位ヶ原や高天ヶ原のパノラマが眼下に広がれば、山頂までやって来た甲斐もあるものです。また、午後になっても気温の上昇はなく、びっしりと着雪したダケカンバの枝振りは新鮮度がそのまま冷凍保存され、斜光に見事に輝く様子は、今シーズン最後の美しさを放っていました。
紅葉情報は 1ページ目 からお伝えします。大雪渓・位ヶ原の上部エリア(標高2700〜2500メートル)や、冷泉小屋から摩利支天の中腹エリア(標高2200〜2000メートル)では、すでに紅葉は終了してしまいました。そして、今週は山麓の乗鞍高原(標高1500〜1400メートル)の紅葉が見頃を迎えました。昨年と比べて1週間ほど遅い状況です。
それでは今シーズン最後のノリクラ雪渓カレンダーをご覧ください。
■ご注意■
今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。
【10月26日(土)、観光センター前駐車場】
観光センター前駐車場 |
こちらは観光センター前駐車場。
低い雲が垂れ込め、弱い雨が降り続く | 訪れる方は皆無 |
台風27号の影響が懸念されましたが、夜半から若干強めの雨が降る程度にとどまっています。そして、6時現在もまだ小雨が続いています。気温は6℃、観光センター周辺の山々をも飲み込むほどの低い雲が垂れ込めています。すでに夜明け時刻は6時を回るようになってしまいましたが、今日は夜明けの時刻となっても、周囲はまだ薄暗い状況が続いています。
ご覧の通り、観光センター前駐車場にお越しのマイカーはほとんどありません。
10月最後の週末を迎え、グリーンシーズンも残りわずかですが、やはり台風接近ともなれば、訪れる方が皆無になってしまうのは仕方ないことでしょう。
シャトルバス乗車券販売所 − 運休 |
こちらはシャトルバス乗車券販売所。カウンターのホワイトボードには「運休」の文字があります。長野県側の県道乗鞍岳線は、全線雨で通常通り7時に開門されて通行可能ですが、岐阜県側の乗鞍スカイラインでも全線雨でも、気温が1.5℃と低い状態から凍結の恐れがあると考えられて、通行止めとなりました。そのため、シャトルバスも運休です。
こちらは観光センター前の売店。
10月30日まで営業 − 「終わってしまうと寂しいね」 |
今日は訪れる人がありませんが、それでもご覧の通り、営業が始まっています。天気が悪くても人出が少なくても、どんなときでも毎日決まった時間から営業を始めることが大事。今シーズンは10月30日まで営業が続けられ、来年はゴールデンウィークの始まる5月から営業再開されるとのこと...
「営業が終了するとヤレヤレっていう感じですが、でもやっぱり寂しさはありますね。」おそらく、大半の方々は同じような感覚を抱いているのではないでしょうか?
遅れていた紅葉もようやく見頃になる |
乗鞍高原の紅葉は、例年10月中旬あたりから始まりますが、今年は進捗がおそくて、10月下旬になってようやく見頃を迎えました。今週はせっかくきれいな紅葉に包まれているのに、それを見てもらう人々が少ないのは少し残念ですね。
【紅葉情報−乗鞍高原 (標高1500〜1400m付近、観光センター・一の瀬)】
★見頃(例年の見頃:10月中下旬)★
乗鞍高原の紅葉がようやく見頃・ピークを迎えました。
今シーズン最後を飾る錦絵 |
どこもかしこも赤や黄色に囲まれていて、乗鞍高原一帯を散策するだけでも一日を楽しく過ごせるほどです。
鈴蘭バス停 |
こちらは観光センターからすぐのところにある鈴蘭バス停。こちらのカエデは他に先駆けて紅葉が始まりますが、今週になってピークを迎え、周辺の紅葉とほぼ同じ状況です。
こんなきれいな紅葉に囲まれたバス停ならば、バスを待つ間も楽しく過ごせそうですね。
ハラハラと舞い落ちる紅葉のシャワーと錦の絨毯 |
落葉が始まりだした場所では、ご覧のような錦の絨毯が広がります。頭上も足元も見事な色彩で、まさに紅葉のシャワーに全身が包まれます。
一の瀬園地 |
こちらは一の瀬園地、観光センター前の県道乗鞍岳線と乗鞍上高地スーパー林道が交差する十字路を南へ約2kmほど進むと、この場所に到達します。
大カエデ |
一の瀬園地の奥にある大カエデ。大カエデの場所がわからないという方がいらっしゃいますが、ノリクラ雪渓カレンダー Vol.22(2013/10/05〜06) で、 【一の瀬大カエデへの行き方】(Vol.22 Page-8) を掲載しておりますので、ご確認ください。
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先週の大カエデ ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.24(2013/10/19〜20) D |
今週の大カエデ 落葉が目立つ |
先週の段階でほぼピークの状態を迎えました。今週はご覧のとおり、まだきれいな色合いがあるものの、かなり落葉が目立つ状況となってきました。
足元は真紅の絨毯 |
しかし、ガッカリする必要はありません...足元は真紅の絨毯が広がり、こちらをモチーフにした撮影では、頭をひねりながら構図を考えるのが楽しいところです。
一の瀬 座望庵駐車場からのカエデ − こちらはまだ見頃 |
大カエデのピークを見逃してしまった方は、こちらのカエデがオススメです。こちらは座望庵駐車場からの様子。真っ赤に燃えるカエデがすぐに目に留まるはずです。
善五郎の滝駐車場付近から濃霧に包まれる |
一の瀬園地から県道乗鞍岳線に戻り、善五郎の滝駐車場付近から、濃霧に包まれるようになって来ました。観光センターや一の瀬では全く濃霧はありませんでしたので、乗鞍高原一帯が霧に覆われているわけではなく、上空からの雲が低く垂れ込めている状況といえます。
善五郎の滝 遊歩道 − 黄金色に包まれる |
善五郎の滝への遊歩道は、先週まではまだ緑の状態が多かったものの、今週になってようやくきれいな黄金色が広がってきました。ただ、今週はピークを少しすぎてしまい、落葉がかなり目立ちます。昨年より1週間遅い状況です。
鈴蘭橋 |
善五郎の滝駐車場からさらに進んで、こちらは鈴蘭橋。
昨年の鈴蘭橋 2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.25(2012/10/27〜28) E ↓ |
先週の鈴蘭橋 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.24(2013/10/19〜20) D ↓ |
今週の鈴蘭橋 ピークが過ぎて落葉が目立つ |
鈴欄橋でも先週はまだ色付きの遅い状況でしたが、今週はピークを過ぎて落葉が目立つ状況となってしまいました。(→ Next)
■ご注意■
今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。
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