ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.14(2006/08/12) E

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(Update:2006/08/18)

 

【高山植物】

ミヤマアキノキリンソウ(花)

大雪渓エリアは高山植物の開花のピークを迎え、数多くの花を見かけることができるようになって来ました。しかし、開花する花の種類を見ると少しずつ、秋へ近づきつつあるように感じます。こちらのミヤマアキノキリンソウは、梅雨が終わって夏本番を迎えるころに咲くシナノキンバイやミヤマキンバイなどより、少し遅れて開花を始めます。

画像のミヤマアキノキリンソウは車道沿いのものですが、これから大雪渓エリアでも数多くのミヤマアキノキリンソウが咲き出すことでしょう。

 

イワオトギリ(花)

大雪渓エリアではイワオトギリも、夏のピークを少しすぎかけたころに最盛期を迎える高山植物です。鮮やかな黄色の花弁が特徴で、葉は赤く紅葉し、秋になっても楽しませてくれます。所々、赤い実のようなものが見られますが、こちらはつぼみで、まだまだ、これから花をつけていくことがわかります。

 

エゾシオガマ(花) 大抵、数本で群生している

大雪渓エリアでは、ヨツバシオガマより少し遅れて咲き始めるエゾシオガマ。きれいなピンク〜紫のヨツバシオガマがよく目立つためか、大雪渓エリアでは、エゾシオガマのほうが若干少ないように感じます。しかし、適応力としてはエゾシオガマの方が強いようです。また、エゾシオガマは、大抵、数本で群生しています。それでも目立たないのは、つぶれかかったような花の形のためでしょうか?

 

ショウジョウバカマ(実)

雪解けのころに咲き出した高山植物は、もう、実の季節を迎えています。こちらは6月下旬〜7月上旬。ハクサンイチゲが咲きだすころと同時期に咲くショウジョウバカマ。花茎は花の時期よりもずいぶん伸びて30センチ以上になっています。右の画像のようにしっかりとした実ができていますが、ショウジョウバカマはロゼット状に広がる葉先が地面に付くと、そこから新しい芽を出すこともあるようです。

 

コイワカガミ

こちらはコイワカガミ。場所によって開花の時期が異なりますが、ちょうど撮影した箇所では7月中〜下旬に開花していました。まるでヨツバシオガマが花の時期を終えた後のように真っ赤に染まっています。意外ときれいな赤色をしており、なにか別の高山植物で、このような種類があるのかと思わせるほどです。しかし、地表近くの根生葉をかき分けると、光沢のあるコイワカガミ独特の葉を見つけることができます。

 

◎ Topics − 高山植物を観察しながら

剣ヶ峰登山に向けて... 登山道を出発!

さて、前のページの登山道のコーナーの所でも申し上げましたが、大雪渓北側の肩の小屋に向かう登山道は、高山植物のlピークを迎えています。この時期の剣ヶ峰登山は、肩の小屋口バス停を下車し、バス停の北50メートル先にある登山道から出発することをお勧めします。

 

高山植物の観察(モミジカラマツ)

ちょっと足を止めるといたるところに高山植物が開花している様子を観察することができます。高山植物に興味のあるなら、肩の小屋まで公称25分とされていますが、倍近くかかってしまうかもしれません。

 

@ 目でよく見て...

A 葉の特徴を観察し... B 特徴をメモに書いてから、写真に収める

登山道を登って行くにしても、少し高山植物のことがわかると楽しいものです。ポピュラーな種類だけが簡単に解説されているガイドブックを持参し、照らし合わせながら歩くのが一般的ですが、ガイドさん同行なら、花の特徴を教えてもらえますので、名前だけなく、見分け方や名前の由来などの特徴をメモしながら、写真に収めると、なかなか楽しいものです。

ちなみに上の画像の高山植物はウサギギク。「野菊のような花に、茎から左右に広がる葉がちょうどウサギの耳に似ているところから、ウサギギクと呼ばれています。」と、ガイドさんなら説明してくれるはずです。

 

たった数十メートルでもたくさんの高山植物にめぐり合えました

登山口から数十メートルの間だけでも、何種類もの高山植物と出会うことができます。ここから先は、書き込んだメモをもとに復習しながら、肩の小屋まで進んでいきます。ただし、あまりにも熱心に観察しすぎると剣ヶ峰までたどり着けないのでご注意ください(笑)。

 

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