ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.25(2012/10/27〜28) A
【歩いて登る − 大雪渓までの沿道の風景 T】
![]() |
暖かな日差しの中 |
この日の気温は12℃。日差しが十分降り注ぐ中では、薄着で十分なコンディションです。
![]() |
![]() |
日陰は路面凍結 |
しかし、一旦日陰に差し掛かると、10月23日(火)の降雪が残り、ご覧のように積雪凍結が見られます。24日(水)以降は、晴れた日が続いていましたが、日陰の部分は何日たっても積雪凍結が続きます。そのため、冬季閉鎖となってもおかしくないわけです。
![]() |
![]() |
摩利支天、33号カーブ | 細い小路に分け入る |
こちらは摩利支天バス停の一つ下のカーブ(33号カーブ)。ちょうど、鳥居尾根登山道が合流する地点です。そのカーブ手前に細い小路があります。33号カーブの位置は、 ノリクラ ガイドマップ (県道乗鞍岳線カーブ番号版) をご覧ください。
![]() |
![]() |
数体の石仏が安置 | 摩利支天 − 不動明王を勧請して参拝しやすくした場所 |
その岩盤には数体の石仏が安置されています。コロナ観測所がある摩利支天岳(標高2872メートル)の頂上から不動明王を勧請して参拝しやすくしたものだとされ、また、一説では霊神にしても不動明王にしても一気に頂上近くまで登れず、何百年もかけて天に近づくための一つの祭祀場であったとされています(参考:安曇村誌)。
本来、摩利支天とは仏教の守護神である天部の一つですが、この場所がこのように呼ばれる所以が隠されています。
![]() |
![]() |
摩利支天から先は登山道へ |
そんな摩利支天から先は、車道を離れて登山道を登ります。
![]() |
![]() |
新雪を踏みしめるサクサクとした足裏感覚 | 新雪を触れれば、話題はバックカントリへ |
木陰の多い登山道は車道よりも融けずに残っている雪が多く、新雪を踏みしめる軽い足音がサクサクと耳に伝わり、今シーズン初めての新雪の感触を触れるとバックカントリースキーヤーとしては心踊るもの。会話の中心も「パウダー」に自然と傾いて行きます。(パウダー : 新雪・深雪のこと。また、その状況での滑走を指す。)
![]() |
⇒ | ![]() |
先週の冷泉小屋下 23号カーブ 2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.24(2012/10/20〜19) A |
今回の冷泉小屋下 23号カーブ 完全に落葉 − モノトーンな光景に |
「三連休の頃は綺麗な紅葉が広がっていたのに、全然違う風景になってしまいましたねぇ...」 左の画像は先週のものですが、1週間違うだけでもご覧のように大きな違いがありますから、三連休の頃とは全く別物といってもよい状態でしょう。
![]() |
冷泉小屋へ |
車道と登山道を交互に使いながら、標高2200メートルの冷泉小屋付近まで到達します。
![]() |
![]() |
この赤い枝はなんですか? − クロウスゴの今年枝 | 今年枝にブルーベリーがたわわに実っていたはず |
冷泉小屋付近で見つけた枝先が赤い木。「この赤い枝はなんですか?」
紅葉がすっかり終わった殺風景な中に見つけた赤い枝。おそらく、落葉前なら葉で隠れて、赤い枝先の存在など気にも留めなかったでしょう。赤い枝先が目立つこちらの木はクロウスゴ。赤い枝は今年伸びた部分(今年枝)で、ブルーベリーの一種であるクロウスゴは、夏の終りから秋にかけて、今年枝にたわわに実が付いていたはずです。
普段は気にも留めなかったものでも、季節を変えて訪れてみると、意外な発見ができるものです。
![]() |
冷泉 |
こちらは冷泉。明治時代までは修験者の修行の場とされていました。先ほどの摩利支天もそうであるように、乗鞍には信仰の山である証が随所に見られます。
![]() |
![]() |
「厳冬期になると、このくらいまで雪が積もるんだよね」 | 話題はバックカントリーばかり... |
でも、バックカントリースキーヤーの見方は違います。「厳冬期になると、この滝が埋まって、おそらくこのくらいまで雪が積もるんだよね...先シーズンの冷泉前の車道部分は、キャタピラ走行のために切りとおしができちゃって、下山するのに苦労しましたよ...」
![]() |
![]() |
厳冬期の入山は歩くことが前提の世界 |
厳冬期の乗鞍入山は、雪の中を歩いて登ることができなければ不可能で、歩くことが当たり前の世界となっています。そして、自分が歩くことができるエリアまでが、その人の入山可能範囲とも言えます。
![]() |
![]() |
新雪がさらに増える − 10センチ程度の積雪 |
冷泉小屋を過ぎると登山道の大部分は雪に覆われてきます。ストックで突き刺して10センチ程度。でも、踏み固められていない新雪ですから、スリップする心配もありません。
![]() |
![]() |
軽い足取りで一気に... | 位ヶ原山荘に到着! |
軽い足取りでペースダウンも全くなく、一気に登って行くところは、さすがに厳冬期のノリクラの常連の強靭さ。位ヶ原山荘に到着しても、まだまだ余力が残っています...(→ Next)
■ご注意■
今回の大雪渓関連の記事はノリクラ初心者の方を対象にしておりません。ノリクラデビューをお考えの方は来年の夏シーズンをご検討ください。
これからの時期は天候の急変により降雪・凍結などで冬山の様相を呈します。今後、大雪渓に新雪が降った場合でも、急斜面とアイスバーンが残っていて、この時期にノリクラの雪渓で滑走されたことのない方や、ソフトブートのボードの方は絶対にお越しにならないようお願いいたします。
Copyright (C) 乗鞍大雪渓WebSite |
|