ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.25(2012/10/27〜28) F
【あとがき】
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【気温マイナス10℃ −
初日の出】 速報(2012/01/01) |
2012シーズンのWebSiteの連載は、2011年12月から開始した速報、2012年3月からのノリクラ雪渓カレンダープレリリース版、そして、2012年5月からはノリクラ雪渓カレンダー正式版と続き、11月を除くほぼ一年間の様子を毎週お届けいたしましたが、2012年10月末を持って一旦終了いたします。
あとがきでは、この一年間の様子を振り返ってみたいと思います。
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【所々、板をはずして急斜面を登る】 ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版 番外編(2011/12/24〜25) A |
【みんなで鍋を囲む幸せ】 ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版 番外編(2011/12/24〜25)B |
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【新春初滑り!!】 速報(2012/01/01) |
【午後から小雪が舞う】 速報(2011/12/24) |
ウインターシーズン序盤は、雪不足に悩まされました。厳冬期の厳しいところはマイナス10℃を上回る寒さと視界の全く効かない吹雪の厳しい環境が絶えず続き、どんよりとしたモノトーンばかりの状況は気分的にもグレーな色調になってしまうものです。
しかし、それ以上に問題なのは、冒頭のとおりの雪不足。積雪のないツアーコースはブッシュが隠れるほどの降雪がなく、藪漕ぎもできないほどの状況で、位ヶ原方面へは登山道や車道を利用しなければならない状況でした。また、滑走できるレベルの積雪がないことから、下山も登りと同じ程度の時間が掛かるほど。
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【日没まで快晴無風の穏やかな一日でした】 速報(2011/12/31) |
【超快晴 − 終日雲ひとつない青空】 速報(2012/04/08) |
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【強い日差しで表面がパックし始める】 速報(2012/04/08) |
【午後になってようやく天候回復へ −
全山真冬のパウダー】 速報(2012/04/07) |
ただ、一旦天候が回復すると、そこには別世界が待っています。そんなまたとない厳冬期の晴天にめぐり合えると「まるで日本じゃないみたい!」と、おっしゃる方もいらっしゃるほど...
そこにパウダーがあれば、バックカントリースキーヤー・ボーダーの方々にとっては、これ以上の至福のときはないものです。
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【本日も雪崩発生 − 長さ40m×幅75m】 速報(2012/02/25) |
【ピットテスト
−雪質が変化するこれからの時期は重要】 速報(2012/01/21) |
しかし、時に自然は人々に牙を向く瞬間もあります。比較的なだらかな山容をもつノリクラでも、厳冬期にはご覧のような雪崩が発生しています。今年は雪崩に巻き込まる事案は発生していませんが、過去には死亡事故も発生しており、雪山に入山される場合は、弱層テストの実施やそれなりの装備が必要です。
今シーズンは、滑落による負傷、ツアーコースを外れた道迷いによる遭難、ツアーコース内での転倒負傷が発生していて、いずれもスキー場パトロール・遭対協・県警ヘリコプターによる救助がなされました。「ノリクラは比較的安全...」と、過信することのないよう注意が必要です。
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【快晴無風の位ヶ原に除雪の重機が唸りを上げる】 速報(2012/04/27) |
【雪壁はバスより高く、車幅すれすれをすり抜ける】 乗鞍岳春山バス試運転(2012/04/26) |
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【快晴無風 − 今日の春山バス始発便は4台運行】 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2012/05/12〜15) D |
気温7℃ − 穏やかな気候の中を出発 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2012/05/12〜15) D |
スキー場の営業が終了すると、県道乗鞍岳線の除雪が始まり、標高1600メートルの休暇村から標高2350メートルの位ヶ原山荘までの約13kmの区間は、ゴールデンウイークから始まる春山バス運行開始に間に合うように、除雪は急ピッチで実施されます。
この春山バスが到着し、大勢の春スキーヤー・ボーダーがお越しになると、にぎやかな雰囲気に包まれるようになり、ピーンと張り詰めた静かな冬からを突破するように春の雰囲気が充満して行きます。
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【乗鞍登山バス出発式】 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.1(2012/05/12〜15) F |
【頂上小屋、稜線から越冬新酒の蔵出し】 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.3(2012/05/26〜27) C |
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【今日はまさに春スキー日和の一日でした】 速報(2012/05/13) |
【大雪渓にドロップイン】 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2012/06/02〜03) A |
そして、乗鞍スカイラインが5月15日にオープンすると、両県から入山できる体勢となり、稜線からの大滑走が楽しめるこの時期はノリクラを最も雄大に楽しむことができる季節といえるでしょう。
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【乗鞍岳春山バス、始発便が大雪渓に到着】 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.4(2012/06/02〜03) B |
【春山バスと共に来て春山バスと共に今シーズンが終わる】 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.8(2012/06/30〜07/01) B |
時には汗ばむほどの陽気となることもあり、雪渓をひんやりと流れる冷たい空気を楽しむ夏スキーの感覚と、広大に広がる稜線からのビックバーンからの大滑走を楽しむ春スキーが同時に楽しめる時期でもあり、バックカントリースキーヤーにとっては、最後のシーズンを名残惜しげに楽しむ様子には、後ろ髪引かれる惜別の雰囲気が漂っていました。
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【「しりとり、やろうか!!」】 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.12(2012/07/28〜29) D |
【雲間から時折見せる夏の空】 |
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【めまぐるしく天候は変化 − 濃霧と雷鳴】 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.15(2012/08/16〜19) E |
【今シーズンの「ノリクラ通い」も今日で終了!】 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.23(2012/10/13〜14) D |
7月になると長野県側の県道乗鞍岳線(エコーライン)も冬季閉鎖が解除され、シャトルバスの運行が始まると多くの夏スキーヤーが一斉に押し寄せるようになります。国内で最もアクセスの便利な夏スキーエリアでもあり、一般スキーヤーをはじめ、基礎・レーシングなどのスキーキャンプも盛んに行われるようになります。
大半の夏スキーヤーはお盆頃までですが、「常連」といわれる方々はそれ以降も毎週のようにノリクラに通い続け、今年は9月中の気温が高く、真夏とほぼ同じような柔らかいバーンコンディションが保たれ、10月中旬まで「ノリクラ通い」を継続されました。
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【空には透明感が続く − 空を目指してみんなで登り続ける】 |
【秋の青空と夏の雲 −
ヒルクライマーが続々と】 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.19(2012/09/15〜16) A |
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【5時14分 −雲海を赤く染めながらご来光】 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.15(2012/08/16〜19) G |
【来てよかった〜!もし来なかったら一生公開してたかも...】 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.22(2012/10/06〜07) B |
夏は最も活動できる時期でもあります。そして、夏スキーばかりがノリクラではありません。登山、ヒルクライム、そして、ご来光バスを利用した日の出の瞬間を体感できるのもこの時期に限定されます。3000メートル急の高山でありながら、比較的容易にご来光を楽しむことができるのは、ノリクラ以外にはあまり多くはないはずです。
そして、秋ともなれば、紅葉撮影のカメラマンも多く訪れ、今年は近年まれに見る色彩を放った紅葉のロケーションに魅了されたものです。そして、紅葉のピークが10月三連休と重なったことから、シャトルバスの一日乗車人数が過去最高の記録となりました。
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【いつもWebSiteを見てますよ!】 第7回乗鞍天空マラソン(2012/06/23〜24) C |
【雪の大壁
−折り返し地点500メートル手前(4号カーブ)】 第7回乗鞍天空マラソン(2012/06/23〜24) C |
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【いよいよレースが始まります】 第9回乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム (2012/07/07〜08) B |
【さわやかな風に包まれ絶好のヒルクライム日和】 第27回全日本マウンテンサイクリングin乗鞍 (2012/08/25〜26) C |
ヒルクライムに訪れる多くの方は、ここで繰り広げられる全日本マウンテンサイクリングin乗鞍や、乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムといったヒルクライムレースに出場されることを目標に、トレーニングを重ねる様子が大会開催まで続きます。特に、毎年4000名近くの方が出場する全日本マウンテンサイクリングin乗鞍が開催される8月最後の週末は、一年の中でノリクラがもっともにぎわう二日間で、この大会を境に、本格的な夏が終わるといってもよいほどのビッグイベントなのです。
また、最近はヒルクライムだけでなく、トレイルラン(マラソン)に訪れる方も徐々に増え、6月に開催される天空マラソンも出場者数が徐々に増加しています。
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【秋空の散策はそれだけで楽しい】 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.23(2012/10/13〜14) B |
【3年連続の偶然の再会】 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.17(2012/09/01〜02) E |
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【今シーズンの初ノリクラはスキーで...】 ノリクラ 雪渓カレンダー プレリリース版 Vol.6(2012/04/26〜30) C |
【いや〜すばらしい...】 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.23(2012/10/13〜14) B |
笑顔がほころぶ瞬間は、一瞬であっても幸福を感じるとき...ノリクラに訪れる方が少しでもたくさんの笑顔を見せてくれることを期待しています。そして、今シーズンもそんな方々にお会いできたことをうれしく思います。
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【今日も夏空・ヒルクライム】 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.13(2012/08/04〜05) F |
【目線の遠くには「非日常」を感じる】 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.13(2012/08/04〜05) A |
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【ダイレクトに輝く朝日を浴びて】 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.15(2012/08/16〜19) G |
【虹の二重橋 −こんなきれいな虹見たことありませんよ!】 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.16(2012/08/24〜25) F |
WebSiteで紹介する風景は、ノリクラに訪れた方ならどなたでも体験できるもの。「WebSiteを見ているだけでノリクラに行った気分になれる」と、おっしゃってくださる方がたくさん見えます。ノリクラの中のごくありふれた風景を、奇をてらわない画像作りに一貫しているためだと思っています。
そして、実際にその現場にやってきて、訪れたあなた自身がその風景を凝視して、自分だけのノリクラの思い出を焼付けてくだされば幸いです。
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【早く行かないと、刺しちゃうぞ〜〜】 第27回全日本マウンテンサイクリングin乗鞍 (2012/08/25〜26) D |
【来年もまた会いましょう!!】 第7回乗鞍天空マラソン(2012/06/23〜24) E |
ノリクラ雪渓カレンダーの取材の大半は、事前の打ち合わせなしで、いきなりの出演交渉で成立しています。快諾していただいた方々には、本当に感謝しております。また、今までノリクラ雪渓カレンダーを見てくださる方も、今度は情報発信する側として出演して下されば、さらによりよい情報を今後もお届けできると期待しています。
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【三本滝ゲート】 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.19(2012/09/15〜16) @ |
【エイドステーションで振舞う山菜の仕込み】 第7回乗鞍天空マラソン(2012/06/23〜24) @ |
ノリクラは色々な人々のかかわりで成り立っています。
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【タクシーの運転手の方々】 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.20(2012/09/22〜23) @ |
【乗鞍岳春山バス試運転
−法面の雪が崩れる】 ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版 Vol.6(2012/04/26〜30) A |
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【乗鞍環境パトロール】 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.13(2012/08/04〜05) G |
【遭難救助訓練】 長野県警察山岳遭難救助隊・遭対協 合同訓練 (2012/03/10 乗鞍高原) |
観光産業が大きなウェイトを占める中、遠方からお越しになる方々で支えられていると言えますが、でも、観光や登山などでお越しになる方は、直接的に、または、間接的にノリクラに従事している方々の手助けを受けているということを認識していただきたいという側面もあります。
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秋のような澄んだ空気 − 水墨画の光景を行く ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.13(2012/08/04〜05) A |
【初雪・初冠雪・三段紅葉】 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.22(2012/10/06〜07) D |
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【一の瀬大カエデ −
お目当ては牧場の中の紅一点!】 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.24(2012/10/20〜19) E |
【秋色のシャワーを浴びて...】 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.24(2012/10/20〜19) D |
以前、「ノリクラ好きの方がノリクラをガイドするということは、単にノリクラを知っている人がガイドすることとは全く別物です。知っていることを伝えることと、魅力を伝えることには大きな違いがあり、案内する方がノリクラを本当に魅力あるものだと心底感じていなければ、訪れた方の満足度もおのずと異なることものです。」と、お伝えしたことがあります。
ノリクラを知っていることよりも好きであることのほうが大切ではないかと思います。自分自身のお気に入りの場面を、どれだけたくさん持っているかということにつながると思うのです。
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【笑顔で駆け抜ける】 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.20(2012/09/22〜23) A |
【今日の目標は40本!】 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.20(2012/09/22〜23) C |
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【ノリクラにまた来たい!】 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.20(2012/09/22〜23) A |
そして、WebSiteをご覧になった方が、「ノリクラに行って見たい!」と、思ってくださるような記事を来年もお届けできればと思います。
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