●2015/07/12開催の第12回乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム特集は7月下旬掲載予定です●
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第11回 乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム

(2014/07/12〜13) @

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(Update:2014/07/24)

 

昨年が悪天候のため中止でしたから、第11回目を迎える今回の大会は、何が何でも開催したいところ...結果としては何とか大会を終了することができましたが、標高3000メートル級の高山の気象環境に、今回も予想を超える厳しさに見舞われてしまいました。

今回より乗鞍スカイラインを通行止めにしてレースが開催され、これまでのようなシャトルバスや観光バスなどと一緒にレースが展開されることに比べると、「走りやすかった」との声も多く聞かれました。また、通行止め実施の都合からゴール位置も変更されましたが、ゴールエリアの混乱もなく、思った以上にスムーズに大会は進行されました。
そこまではよかったのですが、その後の天候の急変...詳細はページを読み進めて下されば、ある程度のことがわかるかと思いますが、やはり森林限界を超えた山岳地帯のコース特有の問題には、今後に課題を残す結果となり、次回大会では課題を克服しての開催となることでしょう。

それでは、今年も大会の様子をお伝えしたいと思います。なお、過去の大会の様子は、ノリクラ ヒルクライム・マラソン大会関連(乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム) から、ご覧頂くことができます。

 

◎ 今回の目次

Page-1 : 【7月12日(土)、大会前日の受付会場】
Page-2 : 【7月13日(日)、レース当日の朝、開会式、スタート】
Page-3 : 【ゴールまでのレース展開】
Page-4 : 【いよいよゴールへ】       【ゴール後は待機場所へ、下山準備】
Page-5 : 【天候の急変・突然の暴風雨で下山困難】       【表彰式】       <編集後記>

●参考資料●
(表) − 【7月12日(土)〜7月13日(日)の大会日程】   (Page-1)
(表) − 【7月13日(日)、クラス別スタート時刻】   (Page-1)
(地図)−【乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム コース地図】  (別ウインドウ)

●過去の大会●
第10回大会(2013/07/06〜07)
第9回大会(2012/07/07〜08)
第8回大会(2011/07/09〜10)
第7回以前(→INDEX)

 

【7月12日(土)、大会前日の受付会場】

大会会場 − 殿下平総合交流ターミナル

乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムの会場は、殿下平総合交流ターミナル。かつてペンタピアスキー場として建設された施設で、現在は、乗鞍の中でも最も奥深い自然が残っている五色ヶ原の玄関口となっています。

大会の会場は殿下平総合交流ターミナルの反対側、つまり、車道の左側の部分にあります。

 

乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム コース地図
【拡大(Click)】

レースは標高1360mの殿下平総合交流ターミナルをスタートし、ここから1kmほどの分岐点から県道5号乗鞍公園線に入り、平湯峠から乗鞍スカイラインを進んで、標高2702mの畳平がゴールとなります。全長18.4km、標高差1342m、平均勾配7.2%のヒルクライムレースです。

【拡大(Click)】で、別ウインドウで地図が表示されます。地図の配信元である国土地理院からエラーメッセージが出ますが、OKをクリックして進めてください。((エラーメッセージの詳細はこちら

選手受付(12時から16時まで)

こちらが大会会場。大会本部をはじめ、選手受付、検車場などがここにあります。受付は12時〜16時までで、レース当日の受付は原則ありません。こちらの大会では検車が義務付けられていて、最寄のサイクルショップなどで事前に検車を受けて、同封されている「検車合格証明書兼参加証)」に店名の押印をもらったものをこちらの受付に提出します。

 

計測用のチップ取り付け(フロントフォーク) 計測チップの動作確認

受付が完了すると、ゼッケン、計測用のチップ、参加賞などを受け取ります。そして、計測用のチップはフロントフォークにバンドで固定し、動作確認のチェックを終えると、受付はすべて完了し、明日のレースを待つのみとなります。

 

事前に検車を受けなかった場合は、場内の検車場(有料)にて

また、事前にサイクルショップで検車を受けられない方のために、場内には検車場(有料)が設けられています。この場合、受付より先に検車を受け、「検車合格証明書兼参加証)」に検車済みのサインを記入してもらったあと、これを持って受付へと進みます。

 

検車を待つ選手の列 平日は忙しくて自転車点に行けなくて...

時間帯にもよるかと思いますが、思った以上に検車を待つ列ができています。列に並ぶ方に、事前にサイクルショップで受けなかった理由をお聞きすると、「いきつけの自転車店がちょっと遠方にあって、仕事が忙しくなかなか自転車を預けることができなかったんですよ。」とのこと。

検車係の方の話では、検車に持ってきた自転車のある程度の割合で、何らかの調整・修理が必要なものがあるとのことでした。検車の様子を拝見していると、点検整備する前に空気圧を調整するところから検車が始まる自転車もあって、もう少しメンテナンスに気を使ったほうが良いと感じられる様子も見られました。

 

応援バスの受付 応援があるとやはり違いますね!

さて、選手受付の隣には、応援バスの申し込みブースがあります。先着80名で予約などは行っておりませんので、早めにお越しになって手続きを済ませてください(応援バスは有料です)。応援バスに乗車するこちらの方は、「やっぱりゴールで見たいですよね。上がってくる選手の姿も見たいし、」という声に対して、隣の選手の方は「応援があると違いますね、早くゴールしようと思うし、プレッシャーにはなりますが、それくらいでちょうどいいかな」とのこと、そして、最後に「一番でゴールしてね!」と、笑いを誘います。

 

【7月12日(土)〜7月13日(日)の大会日程】

  時刻 実施項目
7月12日(土) 12:00〜16:00 選手受付 <殿下平総合交流ターミナル>
7月13日(日) 6:00〜7:40 荷物受付 <殿下平総合交流ターミナル>
6:00〜7:30 大会第2会場(ほおのき平駐車場)からシャトルバス運行
<実業団、男子B・C・D・E・Fの選手、ほおのき平駐車場→殿下平総合交流ターミナル>
7:00〜 出走サイン(実業団) <殿下平総合交流ターミナル>
7:50 応援バス発車 <殿下平総合交流ターミナル→畳平>
7:20 開会式 <殿下平総合交流ターミナル>
8:15〜 スタート <殿下平総合交流ターミナル> → 参照 : クラス別スタート時刻(下表)
10:00 足切り時間 <夫婦松>
11:10 競技終了 <畳平>
  自転車先導にて下山開始(夫婦松駐車場で約10分間休憩)
下山後 計測チップ回収 <殿下平総合交流ターミナル>
12:45 表彰式(12時ごろから完走証発行) <殿下平総合交流ターミナル>

レース前日の7月12日(土)、及び、レース当日の7月13日(日)の日程はご覧のとおりです。昨年からの変更点は、大会第2会場(ほおのき平駐車場)へのマイカー駐車の選手区分の変更、スタート時間・足切り時間・競技終了時間の変更です。

 

【7月13日(日)、クラス別スタート時刻】

時刻

カテゴリー

エントリー人数

8:15 実業団 E1
実業団 E2
38名
60名
<計 98名>
8:18 実業団 E3
実業団 F
85名
10名
<計 95名>
8:21 【ROAD】男子A(中学生〜22歳)
【ROAD】男子B(23〜29歳)
 
76名
60名
<計 136名>
8:24 【ROAD】男子C(30〜34歳)
【ROAD】男子D(35〜39歳)
 
90名
85名
<計 175名>
8:27 【ROAD】男子E(40〜44歳) 124名
8:30 【ROAD】男子F(45〜49歳) 116名
8:33 【ROAD】男子G(50〜59歳) 138名
8:36 【ROAD】男子H(60歳以上)
【ROAD】フェミニン(女性、年齢区分なし)
【MTB】MTBクラス(性別、年齢区分なし)
 
26名
23名
16名
<計 65名>
    合計 947名

こちらがクラス別のスタート時刻です。今年はすべての出走時間が15分遅れに変更されています(例 8:00→8:15)。それ以外の変更はありません。

 

続々と会場入りする選手

受付開始は12時より始まりましたが、それほどの混雑はなく、13時30分頃になって訪れる方々も多くなり、少しにぎわう雰囲気になってきました。受付処理そのものは混雑する時間帯はありませんが、前述でもお伝えした検車を会場で受ける場合は、時間帯によって列ができていましたので、お早めにお越しになったほうがよいでしょう。

 

飛騨乗鞍観光協会 事務局長の河合さん − 「競技も大事ですが景色も堪能してもらいたい」

駐車場への誘導を行うのは、地元の旅館などの方々。そして、こちらは飛騨乗鞍観光協会事務局長の河合さん。

「せっかくのロケーションのよい乗鞍スカイラインが舞台なので、競技も大切ですが、景色を堪能してもらいたいです。今回は乗鞍スカイラインを通行止めにして実施しますが、これが選手の皆さんのクチコミで広がって、来年以降にさらに多くの選手がお越しいただけるのではないかと期待しています。」

このエリアの各宿泊施設は、ほおのき平スキー場や国道158号線周辺に広がり、冬場のスキー客を主体とした運営のため、この時期にこのような大きな大会を実施されることは、宿泊施設にとってもありがたいこととのこと。また、それらの施設が今後も継続的に運営して行くためにもスキーシーズン以外の集客が重要だとおっしゃっていました。

 

記念撮影用のボード

さて、大会本部のテント横には、記念撮影用のボードがあります。開会式や表彰式もこのサイトで実施され、何人もの方が足を止めて、記念撮影をされる様子が見られました。

 

初めての出場−自宅裏が山なので否が応でも毎日ヒルクライム

そして、こちらの方々は初めての出場...
「嫌がるボクを彼に無理やりに連れてこられました...(隣で「いや!違う違う」)。自宅の裏が山なので走ろうと思うと山しかない。家の横からヒルクライム。どうしても山を登らないとどこにもいけないので、否が応でもヒルクライムせざるを得ない環境でした。ネットなどで大会の写真では見ましたよ。高い木がないとか全然風景が違うとか。コースレイアウトは全然わからずぶっつけ本番ですね〜。とりあえず、お互いが見える範囲内でゴールしたいです。」

 

こちらも初めての出場

そして、こちらも初めての出場。しかも、乗鞍スカイラインを走るのも、ヒルクライムをやるのも初めて!
「この大会に向けて多少下調べしましたが、最初に木が低くなるところまでがきついって聞きました。」とのこと...

「木が低くなる」...つまり森林限界のことを指していらっしゃるものと思われますが、全長18.4kmのうち、森林限界を超えるのは四ッ岳カーブ手前付近でスタートから約15km程度、また、さらに進んで、劇的に勾配が緩やかになる桔梗ヶ原にいたっては16〜17km程度あり、それまでの間に部分的に緩い区間があっても、ほぼ全区間で足を休める場所はないといってよいでしょう。特に国道から分岐して旧夫婦松料金所(約8km地点)までは、結構つらいと感じる方も多いかと思います。

 

一昨年はシンドかったが、今回はリベンジ

オリジナルのカラーリングを施したフレームのお二人。右の方は一昨年初めて出場して今回が2回目。
「一昨年の出場があまりにもシンドかったので、昨年は止めたくらいです。でも、今年はもう一度チャレンジしようと思って来ました。」とのこと。そして、左の方にお話をお聞きすると初めての出場。

...ということは、今回はお誘になっての出場ということですか?とお聞きすると...
 「いや、誘って連れて来たのではなく、ついて来た!」と、男らしい答えが...

それに対して、「親方が出るので一緒に走りたいと思ったんです。やり始めてまだ一年。ネットですごい下調べました!とにかく、足を付かずに足を回し続けることに徹します。」

今回も、初めての方を連れて一緒に参加されたり、初めて同士での参加という方も結構いらっしゃいました。

 

大会のキャッチコピー「この坂を制したものが最強」

大会事務局のスタッフ・役員の中には、初回大会から継続されている方もいらっしゃり、毎年お会いできることが楽しみです。
そして、今回、多くのスタッフが着用されているこちらのTシャツ、表には「乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム」の文字。そして、背中には「この坂を制したものが最強」という大会のキャッチコピーが記されています。スタッフ用の制服かと思いましたが、どうやらそうではなさそう...

 

このTシャツは展示販売ブースで購入可能

大会会場駐車場の一角に自転車関連用品の展示販売ブースがあり、こちらで販売されていました。このデザインのキャッチコピーは大会プログラムなどにも使用されています。

このTシャツ、大会の参加賞にしてもよいのではと感じました。

 

展示販売ブース 自転車の試乗

さて、その展示販売ブースですが、自転車の試乗なども行われていました。

 

チタン製ホイールの試乗 − ご自身の自転車よりも高価な場合も

完成車の試乗だけでなく、自転車パーツメーカーによるホイールの試乗もありました。ただし、ご自身のフレームよりも、こちらのチタン製ホイールのほうが高いなんていう場合もありますので、試乗とは言えども、間違っても落車なんてできませんね。

 

「うちのチームは若い子からジジィーまで年齢層が広いから」

そして、ブースの前でお会いしたこちらのママ...
「よかった〜元気そうで。今年は会えないねぇ〜って言ってたんですよ。こちらはうちの子供らです!今年はメンバーも増えて...明日は頑張らせます!頂上でよろしくお願いしますね!みんな、早く上がらないと撮ってもらえないから、がんばるんだよ!」と、メンバーにハッパを掛けます。

さらに、「うちは若い子からジジィー(※)まで、年齢層広いんですよ。」と、おっしゃっていました。ママの右隣は、今大会の実業団選手の中で最年少14歳、多田れおん選手。それでは、ママの言う年齢層の上のほうとは、「乗鞍6連覇」で有名な村山選手とのことをおっしゃっていましたが、残念ながら今回は出場されていません。(※表現は原文ママです。)

 

実業団の受付テント

さて、こちらは実業団の受付テント。一般選手と同様にゼッケンや計測チップを受け取ります。

 

大野 直樹選手 − 常にノリクラへ照準を合わせて

多くの選手にとって、毎日のトレーニングは欠かせないという方も多いかと思います。また、ノリクラに照準を合わせながら練習を重ねるという選手も多いことでしょう。しかし、こちらの選手は違います...一年のうち365日をノリクラのために練習を重ねる大野 直樹選手。

「毎日、ノリクラを登る感覚で練習しています。そのときの体調で、1時間で短く登るか、2時間掛けて登るのか様々です。そして、週末は大会に出場するか、TT(タイムトライアル)して自分に追い込むストレスを与えるようにしています。今年はだいぶトレーニングの方法を変えて、潰れる一歩手前がわかるようになって来ました。」

−なかなか超えられない「ノリクラ60分(※)」という目標に対して− ※ 9月第1日曜日開催の全日本マウンテンサイクリングin乗鞍でのタイムです。
「今年で7年目のトライ、毎年、戦略を変えながら、本当に近いところまできているのに...もちろん今年も挑戦です。」

−もし、ノリクラというものがなくなってしまったら−
「それは考えられない...もし、ノリクラという目標がなくなっちゃったら、もう大変なことになっちゃいますよ!(笑)」

−60分という目標を達成できたら、その次の目標は−
「それは、村山さんが60分を切れなくなる歳まで自分も続けること。それがボクの目標。村山さんが60分を切れなくなった歳が、人間的な限界だと思うんです。村山さんはスーパーマンだと思いますよ!」

国内には数多くのヒルクライムレースが存在していますが、やはり、ノリクラのヒルクライムは特別な存在であるようです。

 

各スタッフへの説明 − ゴール付近など昨年との相違を丹念に

今年は乗鞍スカイラインを通行止めにして実施する都合から、ゴール付近のレイアウトが大幅に変更されています。そのため、迂回路として長野県側の県道乗鞍岳線(エコーライン)の通行を確保する必要がありますが、県道乗鞍岳線は畳平の数百メートル手前で乗鞍スカイラインに合流することから、合流地点(T字交差点)から畳平までは通行止めにすることができません。そのため、昨年までの畳平入口ゴールを400メートルほど下げて、今年は県道乗鞍岳線と乗鞍スカイライン合流地点手前にゴールが設定されました。

そのため、選手待機場所も畳平ではなく、T字交差点にある「鶴ヶ池第2駐車場」が使用されることになっています。このような大幅な変更のため、現地スタッフには何度も繰り返し説明する場面が見られました。

また、コース全長が400メートルほど短くなり、タイムにして数十秒の違いが出てくるかと思いますので、大会レコードなどを過去の記録と比較するときは、その点を考慮する必要があります。

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