第10回 乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム
 
(2013/07/06〜07) @

★ 【New!!】 第11回乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム(2014/07/12〜13)の特集はこちらからご覧ください★

★第11回乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム大会当日(2014/07/13)の速報レポートはこちらをご覧ください★

 

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(Update:2013/07/20)

 

今から40年前の1973年(昭和48年)、戦前からの「軍用道路」を大型バスが対向通行できるように拡幅し、完全片側1車線に作り変えられた乗鞍スカイラインがオープンしました。当時の乗鞍は多いときには年間50万人以上と現在の3倍もの来場者があり、乗鞍スカイラインは人気の観光有料道路でした。オープンから30年間の償還期間を終えた2003年(平成15年)、乗鞍スカイラインは無料化されてマイカー規制が実施されました。マイカー規制と同時に来場者は半分以下に落ち込んだとされました。

ただ、マイカー規制にも良い点もたくさんあります。その一つにマイカー規制と同時に自転車の通行が認められた点です。
乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムは、マイカー規制の翌年の2004年から始まりました。第1回大会の出場者は184名。それから10年が経過して、今回は1011名と1000人の大台に登りました。

今年は乗鞍スカイラインが40周年を迎え、今大会も10回目の記念すべき節目ですが、ゴール付近の畳平・桔梗ヶ原の悪天候(濃霧・強風)のため、レース中止となってしまいました。

レースは中止となりましたが、大会前日の受付から、大会当日の中止に至るまでの様子を記録として残すため、その様子をお伝えいたします。

なお、レースシーンやゴール風景などをご覧になりたい方は、過去の大会の特集をご覧ください。→  ● 第9回大会(2012/07/07〜08)   ● 第8回大会(2011/07/09〜10)   ● 第7回以前(→INDEX)

◎ 今回の目次

Page-1 : 【7月6日(土)、大会前日の受付会場】
Page-2 : 【7月7日(日)、レース当日の朝】
Page-3 : 【ゴール付近は強風濃霧、果たしてレース開催は...】
Page-4 : 【レース中止に諦めきれない乗鞍スカイライン】       <編集後記>

●参考資料●
(地図)−【乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム コース地図】 (Page-1)
(表) − 【7月6日(土)〜7月7日(日)の大会日程】 (Page-1)
(表) − 【7月7日(日)、クラス別スタート時刻】 (Page-1)

●過去の大会●
第9回大会(2012/07/07〜08)
第8回大会(2011/07/09〜10)
第7回以前(→INDEX)

 

 

【7月6日(土)、大会前日の受付会場】

大会会場 − 殿下平総合交流ターミナル

こちらは大会会場の殿下平総合交流ターミナル。左の画像が大会会場が設置されている敷地内の駐車場で、殿下平総合交流ターミナルは右の画像に写る建物で、通常は五色ヶ原へのガイドツアーの拠点となっています。

国道158号線を跨いだ形でレイアウトされているため若干複雑ですが、次のページの大会当日のコーナーで全景画像を示していますので、あわせてご覧ください。

 

乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム コース地図
【拡大(Click)】

レースは標高1360mの殿下平総合交流ターミナルをスタートし、この先1kmほどのところの分岐点から県道5号乗鞍公園線に入り、平湯峠から乗鞍スカイラインを進んで、標高2702mの畳平がゴールとなります。全長18.8km、標高差1342m、平均勾配7.2%のヒルクライムレースです。

 

選手受付 − 12時〜16時

こちらは大会会場の本部前。正午12時から選手受付が始まっています。

 

大会本部はあわただしく... 大会スタッフの方々
−今年も一緒に盛り上げましょう!−

大会本部も少しずつあわただしさが感じられるようになって来ました。スタッフの方々とも1年振りの再会。皆さん、何とかこの大会を盛り上げようと躍起です。

 

地ベタで作業 − 手作り感が感じられる良さ

会場の片隅では明日のレースに向けた掲示物の作成が続けられています。今年で10年を迎えた大会ですが、こんな光景を見ると何かほっとしたというか、ほのぼのとした雰囲気が伝わってきますね。

 

なおっき選手
−乗鞍ヒルクライムといえば−

ノリクラのヒルクライムといえば、やっぱりこの選手でしょう(なおっき選手)。

−今年の目標は−
「実業団E2で入賞が目標です。ようやく調子が上がってきて、よいときの感覚が戻ってきました。今年は筋トレを取り入れてパワーをつけるようにしてきました。パワーの使い方もゴールまでの約1時間に照準を合わせて走るつもりです。他の選手の動向もありますが、自分なりにワットの上限下限内で調整しながら、昨年タイムを少しでも更新したいです。」

乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムは一般部門の他に、全日本実業団自転車競技連盟(JBCF)の年間シリーズ戦もあわせて行われ、本大会ではクラスタE1〜E3の選手が参戦するJエリートツアー第17戦、クラスタFの選手が参戦するJフェミニンツアー第15戦が実施されます。

 

「現在、選手受付を行っております...」 選手受付

こちらが大会本部。選手受付のアナウンスが流れます。
「現在、選手受付を行っております。検車合格証明書兼参加証を必ずお持ち下さい。検車を受けていない選手の方は本部テント横で検車を行っておりますので、自転車を必ずお持ち下さい。」

受付の手順としては、@まず最初に検車を受けて検車合格証明書兼参加証への押印をもらい、A押印済みの検車合格証明書兼参加証を選手受付に提出します。(実業団の選手は、検車せずそのまま受付へ)

つまり、受付より先に検車を行う必要があります。

 

検車場(大会本部横) 簡単な調整も行う

検車合格証明書兼参加証は、お近くのスポーツサイクル店で事前に点検を受けて店印があれば、当日の検車は不要となりました。しかし、実際には大会テント横に設けられている検車場に自転車を持ち込む方が大半だったように思います。また、こちらでは自転車の点検に基づいて簡単な整備も実施されます。

整備点検をする担当の方に少しお話をお聞きしました。

−実際に点検していて、整備不良で走行に問題がある車両はありますか?−
「以前はブレーキのシューが擦り切れていて、下山に不安のある自転車を持ち込む選手もいましたが、最近はそのような車両はありませんね。普段から自転車に乗っていらっしゃる選手ばかりですから、整備も行き届いていますよ。」

 

選手受付(実業団) 選手受付(一般選手)

選手受付は実業団、一般選手に分かれていて、さらにそれぞれのカテゴリー別になっています。

 

計測チップをフロントフォークに取り付ける チップの反応テスト(必ず実施することをオススメします)

受付では、ゼッケン(実業団はナンバーカード)・計測チップ・参加賞などが手渡されます。ゼッケンはジャージの所定の位置に、そして、計測チップは付属の結束バンドでフロントフォークに固定します。計測チップは取り付け位置の高低によって反応しない場合がありますので、会場内でチップチェック(チップの反応テスト)を必ず行うようお願いいたします。

受付完了後、宿泊先などに持ち帰ってから計測チップを装着しても良いですが、受付テントの前には自転車置き場があり、計測チップを取り付けた後に出る、結束バンドの余剰部分を切り取るニッパなども用意してあります。従って、計測チップの取り付けはその場で行って、チップの反応テストまで済ませることをオススメします。

 

応援バスの申し込み(有料) − 出発は明日7時40分

大会コースである乗鞍スカイラインはマイカー規制となっていて、山岳道路のため一般の方が沿道で選手を応援することができません。
そのため、ゴールエリアでの応援を希望するご家族・知人の方をお乗せする応援バスが手配されています(有料)。選手受付と同様に前日申し込みが必要です。出発はレース開始前の7時40分で、下山は11時15分頃となっています。

なお、レース当日も乗鞍スカイラインのシャトルバスは通常運行されますので、シャトルバスを利用してゴールの畳平に向かうことは可能ですが、大会会場の殿下平総合交流ターミナルにはシャトルバスの停留所がないため利用できません。(最寄のバス停はほおのき平駐車場です。)

 

会場内の雰囲気を楽しむ

受付を済ませた選手の方々がゆっくりとされているようが見られますね。

 

全然、前に進まず、走っていてイヤになることありますよ〜!

「オレの袋には参加賞が入ってないぞ・入っているぞ!」と、それぞれの袋の中を確認し合っているこちらの方々...(※)

−走っていてイヤになることはありませんか?−
「イヤになることありますよ〜。ゴールが遠くて腰は痛くなるし...先が見えて来るといいけど、平坦になるところまでは(14km地点付近まで)本当につらい。カーブのところは曲がるたびに変化があるど、12km地点付近にあるまっすぐでキツイ坂は本当につらい...前が見ていても一向に進まない。」

「これまでの大会は大体天気がよかったんですが、一度だけ、下山のときに突然暴風雨になって、下山できなかったときがありましたよ。」
スタート地点が平湯峠から現在の殿下平総合交流ターミナルへ引き下げられた第6回大会(2009/07/12)のときは、下山時に天候が急変して、急遽バスで下山しました。(→ そのときの様子はこちら

日本で一番標高の高いところ走る乗鞍スカイラインですから、気象条件は山岳地帯そのもの...天候の急変は日常茶飯事なんです。

(※ 参加賞ですが、最終的にはちゃんと入っていたと思います...)

 

大会ボードの前で記念撮影

開会式と表彰式で使用される大会ボード。大会出場の記念撮影をされる選手の姿も見られました。

 

ヒルクライム始めたばかりなんですよ! 明日は誕生日、記念すべき10回大会にあわせて出場!

−ご婦人にお話をお聞きすると...
「ヒルクライム、はじめたばかりなんですよ。大会出場も今回でまだ2回目、おそらく最年長ビギナーだと思いますよ〜(笑)。主人は明日誕生日なんですよ。」

−そしてご主人は...
「10回目の記念すべきレース日に、自分も誕生日が一緒というめぐり合わせはなかなかないので、これは申し込まなくっちゃいけないと思ったんですよ。
ヒルクライムの魅力は頂上に登り切ったときの達成感。登っているときは何も考えずに必死に登ってますから頭の中は真っ白。でも、『わぁ〜、登った!!ゴールした!』って到着した瞬間の上から見た景色が、下から見るのとは全く別物...だから止められないんですよ。」

天気がよければ、明日は最高のロケーションが楽しめるはずです。

 

【7月6日(土)〜7月7日(日)の大会日程】

  時刻 実施項目
7月6日(土) 12:00〜16:00 選手受付 <殿下平総合交流ターミナル>
7月7日(日) 6:00〜 荷物受付 <殿下平総合交流ターミナル>
6:00〜7:20 大会第2会場からのシャトルバス運行
<実業団、男子E・Fの選手、ほおのき平駐車場→殿下平総合交流ターミナル>
7:00〜 出走サイン(実業団) <殿下平総合交流ターミナル>
7:40 応援バス発車 <殿下平総合交流ターミナル→畳平>
7:10〜7:30 開会式 <殿下平総合交流ターミナル>
8:00〜 スタート <殿下平総合交流ターミナル> → 参照 : クラス別スタート時刻(下表)
9:30 足切り時間 <夫婦松>
10:45 競技終了 <畳平>
10:45〜11:00 未完走者収容
  自転車先導にて下山開始(夫婦松駐車場で約10分間休憩)
下山後 計測チップ回収 <殿下平総合交流ターミナル>
12:45 表彰式(12時ごろから完走証発行) <殿下平総合交流ターミナル>

レース前日の7月6日(土)、及び、レース当日の7月7日(日)の日程はご覧のとおりです。昨年から加筆した点は、6:00からの大会第2駐車場(ほおのき平駐車場)からのシャトルバスの運行と、9時30分の夫婦松足切り時間です。

 

【7月7日(日)、クラス別スタート時刻】

時刻

カテゴリー

エントリー人数

8:00 実業団 E1
実業団 E2
63名
73名
<計 136名>
8:03 実業団 E3
実業団 F
125名
16名
<計 141名>
8:06 【ROAD】男子A(中学生〜22歳)
【ROAD】男子B(23〜29歳)
 
49名
68名
<計 117名>
8:09 【ROAD】男子C(30〜34歳)
【ROAD】男子D(35〜39歳)
 
67名
108名
<計 175名>
8:12 【ROAD】男子E(40〜44歳) 127名
8:15 【ROAD】男子F(45〜49歳) 125名
8:18 【ROAD】男子G(50〜59歳) 120名
8:21 【ROAD】男子H(60歳以上)
【ROAD】フェミニン(年齢区分、車種区分なし)
【MTB】MTBクラス(性別、年齢区分なし)
 
34名
18名
17名
<計 69名>
    合計 1011名

こちらがクラス別のスタート時刻です。
なお、ロード男子のクラス名称と年齢区分が昨年とは若干異なっています。またMTBの性別区分がなくなり一つのクラスになりました。これに伴い、スタート時刻は3分刻みで出走する点は同じですが、年齢によってはスタート時刻が昨年と異なっています。

エントリー数は、昨年の988名からさらに増えて1011名。一般の男子最年少は京都府の13歳の選手、女子最年少は石川県の23歳の選手です。また、最高齢は男子は長野県の80歳の選手、女子は静岡県の67歳選手でした。なお、実業団は男子は13〜58歳、女子は14〜54歳でした。

 

出場選手の方々が続々とやってくる

殿下平総合交流ターミナルの収容台数の関係から、実業団と男子E・Fの選手は、ここから1.8kmほど山麓にある大会第2駐車場(ほおのき平駐車場)が指定されています。ただ、本日は受付だけの短時間駐車のため、駐車場の指定はありません。

なお、先ほどの大会日程表にも記したとおり、明日のレース当日はほおのき駐車場からシャトルバスが運行されますので、自転車ごとシャトルバスに乗車して、会場にお越し頂くことになります。

 

乗鞍は標高が高いから空気が薄い − 調子が良くても悪く感じちゃう

実業団レースがこの大会で開催されるようになり、E3から徐々にカテゴリーを上げていったという選手にお話をお聞きしました。(本大会で実業団レースが一緒に開催されるようになったのは2006年の第3回大会からです。)

−乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムと他の大会の違いは−
「日本で一番高いゴール地点。先々週の富士山(6月16日開催の富士山ヒルクライム)とは違う。富士山は短いけどドカンとキツイ。でも、乗鞍は勾配も確かにきついけど距離が長い。さらには、標高が高いため空気が薄く、途中から疲れる感じがする。調子がよくても調子が悪いと感じちゃんですよ。」

 

スタートする前に雨だとイヤだよね〜 でも走り出してしまえば雨降って方が暑くならなくていい

−明日は天候に不安がありますが、雨の中でのレースはどうですか?−
「スタートする前に雨だとイヤだけど、一旦濡れてしまえば体が熱くならなくていい。雨降ってても汗をかくぐらいだから。でも、ゴールすると一気に寒くなるよ。だって、この時期の畳平はまだストーブ焚いているもんね。」

畳平からの下山は、ゴール後すぐに開始されるわけではなく、レースが終盤を迎えた頃から始まります。そのため、早めに到着した選手は下山まで1時間以上待機しますが、前述のとおり、畳平ではストーブを焚くほどの気温のときもありますから、レース当日朝に預ける手荷物には防寒着を必ず用意してください。

また、下山時も寒さで手が悴むほどですから、ウインドブレーカー(レインウェア)はもちろんのこと、指先まであるフルフィンガーのグローブ(別の言い方をすれば「指きりでないグローブ」)を用意されたほうがよいでしょう。

 

時刻は15時、受付終了まであと1時間

選手受付終了まであと1時間、時刻は15時を回りました。
「選手の皆様にお知らせいたします。時刻は15時を回りました。選手受付は16時までとなっております。選手受付がお済でない方は早めに大会本部までお越しください。」

 

現地視察を終えて戻ってきた担当者 − 「濃霧と風がひどい」

そして、大会スタッフ担当者がゴール付近の現地視察から帰ってきました。

「上の天候状況はひどくなってきましたね。一台前の車が見えないほどの濃霧で、風速15メートルで立っていても流されてしまうほど。濃霧は四ッ岳カーブの手前あたりからひどくなってきました。ただ、雨は降ってませんね。」

その言葉には、大会本部周辺とゴール付近の天候の違いに驚いている様子でした。日本で一番標高の高いところで実施するレースですから、天候が激変するのも仕方ないことで、大会運営は安全サイドたって考えなければなりません。

現時点の天候状況ではレース開催が微妙な状況ですが、昨年の第9回大会(2012/07/07〜08)のときのことを考えると、望みがないわけではありません。
昨年は大会前日は雨が降り続き、午後2時の時点で乗鞍スカイラインでは雨量規制値を超える状況でした。そのため、このまま降り続けば、明日は乗鞍スカイラインの通行止めは確実で、レース開催はほぼ不可能な状況だったのです。しかし、翌日は雨が止んで無事にレースが開催でき、しかもゴール付近の畳平はきれいな青空の広がる状況となりました。

ですから、最後まで望みを捨ててはいけません...

 

夕方には土砂降りに...天候回復の祈るばかり

そんな期待とは裏腹に、15時30分過ぎから会場周辺ではまとまった雨が降りはじめ、日が暮れる頃になると土砂降りとなってきました。明日の天候回復を祈るばかりです。Next

 

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