ノリクラ 雪渓カレンダープレリリース版

Vol.6(2015/04/25) C

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(Update:2015/04/30)

 

【ツアーコースV−位ヶ原急斜面】

ツアーコース − 位ヶ原急斜面

こちらはツアーコース最後の位ヶ原急斜面。これまで樹林帯を切りとおしてコースが作られていましたが、この付近からはオープンバーンになります。

 

昨年の位ヶ原急斜面
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.6(2014/04/24〜27) D

先週の位ヶ原急斜面
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.5(2015/04/18) C

今週の位ヶ原急斜面
先週より80センチ減少、昨年より60センチ少ない

位ヶ原急斜面の積雪は、先週より80センチ減少し、昨年より60センチ少ない状況です。1週間で80センチも減少することは、この時期ではあまり見られません。

 

気温0℃ − バーンは適度に緩んで適度に締まる

正午の位ヶ原急斜面の気温は0℃まで低下します。バーンは日差しで表面が適度に緩むものの、低めの気温で適度に締まっていて、滑りやすい雪質。

 

この付近が一番滑りやすい 山頂方面はさむい − 悴んだ指をこする

途中でアイゼンに履き替えて剣ヶ峰山頂直下まで行かれたこちらの方。「上は結構寒くバーンが固いですよ。この付近が一番滑りやすく、寒さも和らぎホッとしますね。」と、悴んだ指をこすりながらおっしゃってくださいました。

 

冷えた体には温泉直行が一番!

「体が冷えましたから、このまま温泉に直行です...」とのことでした。

乗鞍高原の温泉は、白濁した特有のにおいのある硫黄泉が有名ですが、そのほかにすずらん温泉、安曇乗鞍温泉、わさび沢温泉があり、硫黄泉が苦手な方は、これらの温泉を巡るのも良いかと思います。

 

【下山ルート】位ヶ原急斜面 【ルート間違い】伊奈川の谷 −過去に何度も遭難発生 

こちらは位ヶ原急斜面周辺を上から見た画像。左は位ヶ原急斜面で右はその隣にある伊奈川の谷です。特に濃霧の時は同じような地形に見えてしまい、ツアーコースへ下山する際に間違えて伊奈川の谷へ進み、これまで何度も遭難が発生しています。乗鞍岳春山バスが運行される4月下旬には、伊奈川に立ち入らないようにロープが設置されますが、この時期はありませんので注意が必要です。

 

位ヶ原急斜面と伊奈川の谷は隣り合っているので間違いやすい
ノリクラガイドマップ冬スキー版

ツアーコースの位ヶ原急斜面は青い部分、伊奈川の谷は赤い楕円の箇所です。ご覧のとおり隣接していて、大雪渓・位ヶ原や山頂方面からツアーコースに下山する際、間違いやすい位置にあります。位ヶ原急斜面と伊奈川の谷、その周辺の位置関係は、ノリクラガイドマップ冬スキー版 で確認できますので、ぜひ一度ご覧ください。

また、これからの春スキーに向けて ノリクラガイドマップ春スキー版 もリニューアルいたしましたので併せてご確認ください。4月25日(土)より運行が開始される乗鞍岳春山バスで春スキーにお越しになる方には、ぜひともご覧いただきたいと思います。

 

【位ヶ原】

位ヶ原

ツアーコースを登りきった先の位ヶ原。標高約2500メートルの台地は森林限界を超えます。目印となる木々が極端に乏しくなってきます。

 

昨年の位ヶ原
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.6(2014/04/24〜27) D
先週の位ヶ原
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.5(2015/04/18) C
今週の位ヶ原
先週より50センチ減少、昨年より60センチ少ない

位ヶ原の積雪量は、先週より50センチ減少して、昨年より60センチ少ない状況。

 

先々週の位ヶ原
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.4(2015/04/11) C

先週の位ヶ原
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.5(2015/04/18) C
今週の位ヶ原
激しい雪解けで再び先々週と同じ状態に

背後のハイマツ帯は先々週から姿を現しましたが、先週は降雪で再び埋まったものの、今週は激しい雪解けでまた同じような状態に戻っています。

 

稜線雪解けが激しく、ハイマツ帯が出てきたので、富士見沢行くのをあきらめました

今朝、三本滝駐車場でお会いしたこちらの方。富士見岳に行く予定でしたが、摩利支天岳東斜面(通称:すべり台)の上部稜線箇所の雪解けが激しくハイマツ帯が出てきてしまったため、それを乗り越して富士見沢方面をあきらめたとのこと(ハイマツ帯保護のため)。

「ノリクラはいいところなんですが、利便性の面などでもう少し工夫があってもよいかと思います。魅力がいっぱいある場所なのにそれが伝わらず、もったいないと感じます。」
おそらく、ノリクラにお越しの方の中には同じように感じていらっしゃるのではないかと思います。「あか抜けていない田舎くささ」が、今となっては魅力の一つであると再認識してもよいかと思いますが、その魅力を生かしながら、来場者の立場に立った利便性を実現することが必要なんでしょうね...きっと...

 

山頂方面全景

ツアーコース内でも今週は雪解けが目立つ状況ですが、特に山頂方面は激しく雪解けが目立っています。

 

先週の剣ヶ峰方面
先週の位ヶ原
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.5(2015/04/18) C
今週の剣ヶ峰方面
激しく雪解け − 例年の5月中旬〜下旬並みの積雪量

先週は降雪により、先々週から現れたハイマツ帯がすっぽり冠雪しましたが、今週は再び雪解けし、先々週以上にハイマツ帯が多くなっています。例年の5月中旬から下旬並みの雪解けで、積雪量の多かった昨年と比べると6月上旬の状況です。

 

蚕玉岳からの滑走エリア
赤丸〜青丸間が狭まってきた − ここが途切れると滑走不能
朝日岳方面からの滑走エリア
赤丸のハイマツ帯が出現 − 雷鳥保護のため進入自粛を

左の画像は蚕玉岳からの滑走エリアです。赤丸で示したハイマツ帯ですが、この時期は雪に埋まっていることが多く、また、隣の青丸で記した岩場との間が今後狭まると稜線からの滑走ができなくなります。例年なら6月中下旬に途切れますが、この状態だとかなり早まりそうです。

右の画像は朝日岳方面からの滑走エリアです。山頂直下に岩の頭が出始め、また、赤丸で示したハイマツ帯は、雪解け前は大雪渓方面から朝日岳へ直登する際に通るケースが多いのですが、ご覧のようにハイマツ帯が出てしまっていますので、やや斜度が急になりますが、左側から沢筋にしたがって登るしかありません。ハイマツ帯は雷鳥の生息域のため、昨年はここを登らないようにお願いする記事を2014年5月31日の速報にてお伝えしております。今年はすでに同じ状況になっていますので、一度ご確認ください。

 

先週の摩利支天岳方面
先週の位ヶ原
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.5(2015/04/18) C
今週の摩利支天岳方面

こちらは摩利支天岳方面。先週との違いは一目瞭然です。

 

分岐点から大雪渓への滑走エリア 東斜面(すべり台)上部 − 上端はハイマツ帯出現

左の画像はコロナ観測所と肩の小屋との分岐点付近から大雪渓へ滑走するエリアで、バーン中央に数多くの岩場が出てしまっています。そして、右の画像は東斜面(通称すべり台)の上端部分。先ほど摩利支天岳から滑り降りてきたテレマークの方がおっしゃっていたように、ハイマツ帯が出てしまっています。雪に覆われている時期なら、ここを乗り越えて富士見沢へ向かうことができますが、先ほど申し上げたようにハイマツ帯は雷鳥の生息域のため、立ち入りはされないようにお願いいたします。

 

富士見沢・鶴ヶ沢・大黒岳方面

こちらは富士見沢・鶴ヶ沢・大黒岳方面で、こちらでも激しく雪解けが進んでいます。

 

【大雪渓下部】

ここからは大雪渓下部の様子をお伝えします。

 

昨年の大雪渓入口
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.6(2014/04/24〜27) D

先週の大雪渓入口
ノリクラ 雪渓カレンダー
プレリリース版 Vol.5(2015/04/18) C

今週の大雪渓入口
先週より65センチ減少、昨年より20センチ多い

先週よりも65センチ減少して、昨年より20センチ積雪量が多い状態です。大雪渓はゴールデンウィーク前あたりに最大積雪量を迎えますので、今後、積雪量が増えることは期待できません。

厳冬期は乾いた雪質のため、絶えず強風にさらされる大雪渓や位ヶ原では積雪量が増加しません。そのため、厳冬期に入っても大雪渓内には最後まで姿を見せている大岩(※)があり、例年なら3月以降になってその姿がようやく埋没するのですが、今年は2月には完全に埋没してしまいました。(※当WebSiteでは「モーグルコースの岩」と呼んでいる大岩です。)

 

大雪渓入口から北側へ50メートルのところにトイレ小屋と避難小屋があります。

トイレ小屋(冬季閉鎖中)−利用可能は5月下旬〜6月上旬以降

この時期はどちらの小屋も閉鎖されていて使用できません。利用できるようになるのは、乗鞍岳春山バスが大雪渓まで延長運行される5月下旬〜6月上旬以降です。

 

昨年5月下旬のトイレ小屋 − 石垣の積雪が今週とほぼ同じ
2014ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.4(2014/05/31〜06/01) A

こちらは昨年の春山バスが大雪渓まで延長運行された初日の様子(2014年5月31日)。トイレが利用でき状況になりましたが、トイレ下の石垣部分の状況を見ると、今週とほとんど変わらない積雪状況です。そのため、今年はトイレを開放して利用できる状況にすることは可能と考えられますが、道路が大雪渓まで開通していないため、おそらく、管理上の問題から開放することはできないと考えられます。

 

道路部分 駐車場の一部で雪解けが

さて、その道路ですが、まだ積雪に覆われているものの、駐車場の一部はすでに雪解けが始まっています。積雪の薄いところはご覧の状態ですが、この先へ数百メートル進んだところに4号カーブという積雪量の多い個所があります。例年、高さ10メートルもの積雪があります。

 

【大雪渓からツアーコースへの下山ルート】

今回も大雪渓方面からツアーコースへの下山ルートについてお伝えします。まずはトイレ小屋の向こう側に見えるハイマツ帯に沿って進んでいきます。

ここでお伝えするルートでなければ下山できないというわけではありませんが、安全にわかりやすく下山できるのではないかと思います。また、雪解けの時期によって見え方が異なりますので、厳冬期には通用しないと思います。

 

下山ルート(大雪渓→ツアーコース)
ノリクラガイドマップ 冬スキー版
より

これからお伝えする大雪渓からツアーコースへの下山ルートはご覧の青線のとおりです。地図上の@〜Cは画像の位置を表示していますが、7号カーブの付近からの赤線は伊奈川への谷底への間違ったルートで、道迷いが頻繁に発生していますのでご注意ください。

 


拡大

@ハイマツ帯が切れたあたりから、先のハイマツ帯へ

【地図番号 − @〜A】 トイレからハイマツ帯に沿って進み、ハイマツ帯が切れたあたりから、遠方に見えるハイマツ帯が確認できますからそれに向かって進みます。

 

A ハイマツ帯に沿って右

ハイマツ帯に到達したら、その手前に沿って右へ...

 

B7号カーブを左方向へ巻く B 谷筋には行かない(伊奈川の谷へ)

【地図番号 − B】 そうすると7号カーブのミラーポールがありますので、それを左方向へ巻くように進みます。左方向へ変更せず、そのままフォールライン(谷筋)に沿って進むと、伊奈川の谷方面に進んでしまい道間違いを起こしますので、フォールライン(谷筋)から左方向へ進路変更してください。

 

谷筋に沿って伊奈川方面へ行く間違いが多い

今回も谷筋に沿って進んで伊奈川方面に進む方がいらっしゃいました。
「あら!下山のコースは登ってきたコースとは違うんですか?」 登ってきたコースをそのまま下っていると錯覚されているケースが多く、それがコース間違いの原因の一つです。

 

C ダケカンバの林に向かって進む

【地図番号 − C】 7号カーブを左に巻いて進むとダケカンバの林が現れますのでその中を突き進むと...

 

ツアーコース位ヶ原急斜面に到達(正規の下山ルート)

ツアーコース位ヶ原急斜面の上部に出ます。「左にルートを取る」という意識をが強すぎると、位ヶ原急斜面のさらに左側に行ってしまうケースがあって、そのあたりが難しいところです。

 

<編集後記>

「乗鞍高原は花の春...」

冬の初めは10月ごろに見られる山頂付近の初冠雪から始まり、その後初雪が山麓へと降りて行きます。春はそれとは逆に、山麓の乗鞍高原から山頂へと進んで行き、ちょうど、今まさに乗鞍高原から「花の春」がスタートしました。

この時期の乗鞍高原といえば、言わずと知れた水芭蕉ですが、乗鞍高原は標高差が300メートル近くあるため、標高1200メートル付近の宮の原地区ではすでに見頃を迎え、標高1500メートル付近の一の瀬園地では、ゴールデンウィーク後半あたりが見頃になります。

水芭蕉の季節が終わると、今度はスモモの季節で、5月中旬から下旬あたりが見頃の時期で、乗鞍高原内のあちこちで、桜の木と同じくらいの大きさですが、真っ白な花をつけますので、その違いはよくわかるかと思います。

バックカントリースキーヤー・ボーダーの方々の中には、「山頂は何度も行ったことはあるけど、乗鞍高原は素通りするだけ...帰りに温泉に入るだけかな...」という方も結構いらっしゃいますので、ぜひとも、温泉に入った後でも結構かと思いますが、乗鞍高原内を少し散策してみてはいかがでしょうか? きっと、今まで知らなかったノリクラが見つかると思います。

 

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