ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.16(2018/08/25) B

 

 

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(Update:2018/08/30)

 

【雪渓上部 T】

雪渓上部全景
全体的に昨年より3週間早い雪解け

それでは雪渓上部の様子をお伝えします。雪解けが進むと中央から尾根が縦に伸びて、雪渓上部を左右に分断します。右側での滑走は8月下旬〜9月上旬まで。左側は9月下旬から10月上旬まで滑走可能ですが、左側はかなりの急斜面で、下が岩場になっていますので、雪渓での滑走に慣れた上級者のみとなります。

中央部分の岩の大きさや上端の高さなどは昨年とほぼ同じですが、全体の面積では昨年より3週間早い雪解けを見せています。

 

雪渓上部の下端部分

雪渓上部の下端の位置は先週より28メートル上昇し、昨年より2週間早い雪解けを見せています。先週は11メートル上昇で、今週は急激に増えているように見えますが、昨年とほぼ同じ進捗です。

 

先週の畳の岩
ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.15(2018/08/18) B
今回の畳の岩 − 昨年より1週間早い状況

畳の岩周辺の雪解け状況から、下端位置の雪解けは、昨年・2014年より1週間早く、2015年より4週間も早い状況です。

 

雪渓上部右側 鉄塔土台(赤丸部分) −土台まで44メートル
昨年よりやや遅い雪解け

左の画像は雪渓上部右側、中斜面が続き、ポールレッスンが盛んに行われるエリアです。そして、雪渓上部右側エリアの下部、ちょうど雪渓中段につながる位置にある鉄塔土台です。雪渓から土台まで44メートル離れ、昨年よりやや遅い状況です。

 

上下に分離し始める 上半分 − 岩の頭が出始める

ご覧のように雪渓が上下に分離を始めていますので、雪渓上部右側での滑走はそろそろ困難となり、おそらく、次週末には上半分に岩の頭が出始めることと思います。右の画像のように岩の頭をよけながら滑走することは現時点では可能です。

 

雪渓上部右側の上端部分 − 昨年とほぼ同じ雪解け

こちらは雪渓上部右側の上端部分。先週より21メートル下がって、昨年とほぼ同じ雪解けです。

 

雪渓上端から下端まで128メートル

雪渓上端から雪渓下端までの距離は128メートル。2017年は188メートル。2016年は3週間前の段階で雪解けが完了し、2015年は195メートル、2014年は155メートル、2013年は230メートル、2012年は110メートル、2011年は測定不能、2010年は118メートル、2009年は81メートル、2008年は160メートルでした。

 

【雪渓上部 U】

昨年の雪渓上部左側
2017ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.16(2017/08/25〜26) B
今回の雪渓上部左側
昨年より横幅・下端部分の積雪が少なく急斜面

こちらは雪渓上部左側。大雪渓の中でも急斜面のバーンが広がり、シーズン終盤まで積雪の残るエリアです。

大雪渓エリアの中でも最も遠方に位置することから、他のエリアが滑走可能なこの時期は訪れる方は少ない状況です。しかし、今後、他のエリアが滑走できなくなって、雪渓上部左側しか滑走できなくなる8月下旬頃になると、冷え込みの影響からバーンは硬くなってきて、スプーンカットのほか、大きな氷の柱が一面に現れ、初心者の滑走は困難な状況になって行きます。さらに、雪渓上部左側は他のエリアよりも急斜面であることに加え、バーン下部は全面岩場であるため、滑落すれば大怪我となる可能性もあります。

昨年と比べて、上端付近やモーグルコースのある北寄り部分の積雪に大きな差はないものの、横幅や下端部分で極端に積雪が少なく、中央部分が急斜面になっている点が目立ちます。

 

昨年の落書きの岩(10月上旬)
2017ノリクラ 雪渓カレンダーVol.22(2017/10/07) B
今回の落書きの岩 − 昨年より6週間早い雪解け

こちらは下端部分。下端部分は落書きの岩の上方35メートルのところにあり、昨年より6週間早い雪解けを見せています。下端の位置に関しては1ヶ月以上も早い雪解けですが、上端や横幅などは、昨年とほぼ同じか1週間程度早い雪解け状態です。

 

雪渓上部左側(北寄り部分)

先週まで存在していたモーグルコースはほぼ消滅しています。

 

先週のモーグルコースは消滅(丸印部分) 中央寄りは斜度変化が激しく
最大斜度40度以上(丸印部分)

先週までのモーグルコースは雪面が黒くなっている部分ですが、これよりも右側(南側)に1本だけ作成できそうです。しかしそれより右側では、斜度がかなり強く、40度近い急勾配のため、滑走は危険と思われます。

 

雪渓上端

こちらは雪渓上端部分。

 

上端部分 − 昨年より1週間早い雪解け 上端から下端まで74メートル
昨年より2週間早い雪解け

上端部分は昨年より2週間早い雪解け。また、上端から下端までの距離は74メートルで昨年より3週間早い雪解けで、2017年は122メートル。2016年は47メートル、2015年は171メートル、2014年は125メートル、2013年は130〜120メートル程度、2012は108メートル、2011年は濃霧で測定不能、2010年は102メートル、2009年は105メートル、2008年は125メートル、2007年は120メートルでした。

 

<編集後記>

「全日本マウンテンサイクリングin乗鞍が終わると」

この大会が終わるとノリクラは完全に秋へとコマを進めます。今年で33回を迎え、国内のヒルクライム大会としては最古の大会です。4400名ちかい選手がノリクラに集まるのですから、一大イベントであることは間違いありません。

この大会のために7月の冬季閉鎖解除と同時に、多くの選手が練習に訪れ、週末には200〜400名もの方がお越しになります。シャトルバス乗車の人数が1000名前後もいらっいますから、大した数ではないかもしれませんが、SNSなどでの宣伝効果は大きく、選手自身が広告塔のようになっているケースもあり、より注目していかなければならない存在です。

大会までの2か月間、ノリクラに訪れたヒルクライマーが色々な角度でノリクラを宣伝してくれます。それは何気ないヒルクライム途中の風景だったり、畳平からの記念写真だったりと様々です。しかし、それが多くの方が新鮮に感じ取ったノリクラそのものだと常々思ったりもします。

決して、バッチリ撮れてなくてもいい。なんとなく雰囲気がわかるような写真がいい。最近はそんな写真が好まれているようです。定石の構図での撮影画像ばかりでなく、時にハズレの画像を入れることで、何か動きが生じたり、雰囲気が変わったりと、それはなかなか面白いと感じます。ノリクラに携わる人とは違った目線をそこに感じたりします。

全日本マウンテンサイクリングin乗鞍が終わり、ノリクラシーズンも残すところ2ヵ月。ノリクラが最も色鮮やかな季節がやってまいります。秋の雰囲気が伝わるように、残すシーズンもやっていきたいと思います。


 


 

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