マウンテンサイクリングin乗鞍2019

(2019/08/24〜25) C

 

 


 

【続々とゴールへ】

2位 森本 誠選手(54分43秒) 3位 梅川 陸選手(54分51秒)

2位は森本 誠選手、タイムは54分43秒で中村選手とはわずか1秒ちょっとの差。3位は梅川 陸選手で54分51秒で、1〜3位までがこれまでのコースレコードを上回るタイムとなりました。

スタートからゴールまでのラップを見ると、昨年と比べてCP1の三本滝(7km地点)で30秒ほど、冷泉小屋(12km地点)で1分26秒、CP2の位ヶ原山荘(15km地点)で1分18秒も速いタイムが出ており、今回は前半の集団走行はもとより、上位3〜4名になった時点でもハイスピードな戦いが見られ、天候条件に恵まれたこともあって、好タイムが得られたものと思われます。

 

4位 加藤 大貴選手(56分22秒) 5位 嘉瀬 峻介選手(56分41秒)

4位は加藤 大貴選手(56分22秒)は昨年8位から大きく順位を上げて入賞。そして、5位は嘉瀬 峻介選手(56分41秒)は現役大学院生のヒルクライマー。

 

一般女子トップ争い
牧瀬 翼選手(右)と佐野歩選手(左)
=残り1kmまでは両者互角に=

そして、女子は牧瀬 翼選手と佐野 歩選手の一騎打ち。こちらの画像はゴール1.5km手前の大雪渓付近の様子。

 

1位 牧瀬 翼選手(1時間06分48秒−コースレコード更新) 2位 佐野 歩選手(1時間06分59秒)

この後、残り1km付近から牧瀬選手がスパートをかけ単独ゴールを果たしました。タイムは1時間06分48秒で、これまでのコースレコード(1時間08分10秒、2007年、矢沢 みつみ選手)を更新。そして、2位の佐野 歩選手は1時間06分59秒で、こちらもコースレコードを上回るタイムでのゴールとなりました。

 

3位 金子 広美選手(1時間09分09秒)

そして、3位は金子 広美選手、1時間09分09秒。

 

ゴールを終えて...

ゴールを終えた選手はそのまま荷物受取エリアに...とその途中で。

泣き出す佐野選手に、「泣くなよ〜苦しい思いしたな。(兼松選手)」

涙を流しているのは2位になった佐野 歩選手、その傍らでは兼松選手が受け止めています。「泣くなよ〜苦しい思いしたな。」

 

「頑張ってね〜、成長したね!(金子選手)」 掛け抱き合って..

そこに3位でゴールした金子 広美選手が通りかかり、「頑張ってね〜、成長したね!」と、ねぎらいの声を掛け抱き合います。ご自身より若い選手が好タイムでゴールする状況の中、やさしい言葉がほろっと出るのは後輩へのやさしさ...。

 

「絶対優勝を狙っていたから悔しい〜」

「絶対優勝を狙っていたから悔しい〜」と終始おっしゃっていた佐野選手。この瞬間から、来年に向けた一年が始まるのかもしれません。

 

【レースが終わって待機場所へ − 入賞選手の談笑・感想】

下山誘導が始まるまで一時休憩

ゴールを終えて下山誘導が始まるまで、荷物預かりエリアで一時休憩です。

 

優勝した中村選手と2位の森本選手
「これからシュンスケの時代が..」
「おめでとう〜」と駆け寄る矢部選手

優勝した中村 俊介選手、2位の森本 誠選手に今日のレースについてお聴きすると...

(中村)つらかったですわ〜。結局、最後までわからなくヒヤヒヤです。やってる本人としては全然わからなくて。それはお互い様だと思う。

(森本)そうそう、去年ほど圧倒的な差はなかったと思うけど、やはり差はあったと思いますよ。

(中村)いや〜全然ちぎれなくてヒヤヒヤでしたよ。

(森本)いや簡単にちぎれたよ〜まじで(笑)。

(中村)スタートした時点では全然わかんないですよ。でも位ヶ原を抜けて脚がまだ終わってる感じは無かったので..

(森本)むしろ上げてたでしょ?

(中村)うん〜まぁ上げていける感じで走れたからよかった。

(森本)長いですよ〜これからシュンスケの時代は... 

(中村)(コースレコードについて)なかなかこれ以上は出ない。正直あのペースは序盤で引いてくれたおかげで出たようなものですから〜。去年より三本滝以降が遅かったような感じがする。(※実際には昨年よりも30秒ほど早いタイムで通過しています。)

「長いですよ〜これからシュンスケの時代は...」森本選手がかみしめるようにおっしゃったこの言葉。これまで優勝を続けてきた森本選手だからこそ、中村選手への評価を現す一言であったように感じます。

 

「優勝は...シュンスケ〜!」
中村選手・森本選手・梅川選手
3位の 梅川 陸選手
体脂肪3.3%!

「優勝は...シュンスケ〜!」の掛け声で記念撮影。そして「3位は..ボーズ!」と呼ばれた梅川選手は、昨年より体型を絞り体脂肪は3.3%とのこと。一桁台後半の選手は数多くいらっしゃいますが、一桁台前半はなかなかいらっしゃらず、またそこまで測定できる体重計があることがビックリですね〜(笑)

 

自己ベストだったけど惜しくも入賞逃して...
宮下朋子選手

昨年6位の宮下朋子選手。「今年は自己ベストを記録することができました〜」とのこと。でも7位と惜しくも入賞を逃してしまいます。それだけ今年は皆さんが好タイムだったということのようで、女子もなかなか熾烈な戦いとなっています。

 

優勝した牧瀬 翼選手
中込夫妻のペンションでお手伝いしながらの高所トレーニングが勝因

優勝された牧瀬 翼選手に今日のレースについてお伺いしました。また、牧瀬選手の優勝について、中込 辰吾選手にもお聞きしております。

(中込)ウチに3週間くらい忙しい時に手伝ってもらいながら来てたんですよ。このあとまだ台湾がある。

(牧瀬 − レース展開ついて)1キロまで(2位の佐野選手と)いっしょだったんです。そこからペース上げて...。コースレコードですね〜大幅にレコード更新。それは多分ずーっと居たからですね。(標高の高い)中込さんのところに...。そのためレース後半でも上げれたので成果はあったと思う。

(牧瀬 − 昨年優勝されてのレースでしたが...)今年はすごいマークされたレースになりました。今年は全然違いました。ライン取りとか多少研究したけど、なかなかそのように走れず、結構ペースの上げ下げは使いました。レース展開としては、三本滝あたりまでは豊島選手が引いてくださって、そのあとはほぼ私が引いていったという感じ。そのあとは残り1キロでペースを上げてゴールしたという感じです。

(中込)調子があまり良くないって言ってたから、多分1時間6分台だろうって言ってたら本当に6分台だった。だからもっと調子が良ければ、もっといいタイムが出たはずだ。来年出たらもっとすごいレースになるかもしれないですよ。それで、2位は誰なの...佐野さん?、モトハルか!そこまで来たんだ〜。相当気合が入っているなと思ったけど、あの体型で良くここまでこれたよなぁ〜。

標高1300メートルの高地にある中込夫妻のペンションに住み込みでお手伝いしながら、高所トレーニングを行ったことが今回の勝因の一つになっている模様です。

 

チームメイトと談笑する佐野選手
佐野選手をサポートしている兼松選手 まだ足らない部分があったが最高の状態に持って行けた

「チャンスをずーっとうかがってたけど力負けしてしまいました。」という佐野選手。そして、そんな佐野選手をサポートしてきた兼松選手は、

(兼松選手 − 佐野選手について)本当にデーター管理まですべてしていたんで、去年の牧瀬さんのタイムよりは速く走れるっていることはわかっていたんです。あまりプレッシャーを与えず自信を持たせて、最後、力勝負になったときにスプリント勝負なら勝てるんじゃないかなぁと思っていました。過去最高の状態まで持って行った中で負けてしまったので、やはりまだ地足が足らなかったと思う。ただ、過去最高の状態まで持って行って過去最高のタイムを出せたことは事実です。

兼松選手ご自身も2015年大会で2位の記録を持つトップ選手。そして今回はスタートから三本滝までトップ集団を力強くけん引され、それがコースレコード更新に大きく寄与していることは記しておく必要があるでしょう。

 

【レースは続きます】

8月とは思えない低めの気温、ゴール付近は強風で転倒する選手も

今日は晴天が続き、ゴール付近の気温は10℃前後と8月とは思えない低めで、条件としてはかなり良かったのではないかと思います。タイム的にも昨年よりも良かったとおっしゃる選手も多かった模様です。しかし、 ゴール付近は猛烈な強風(追い風)が吹き抜け、ゴール直前でバランスを崩して転倒される選手もいらっしゃいました。

 

7〜8月は多くの選手が毎週のように訪れる

レースが行われた県道乗鞍岳線の開通期間は7月から10月までの4か月間だけで、冬場になると10メートル以上もの積雪があり、半年以上が雪に閉ざされている山岳道路です。そのため、練習走行も7月の全線開通を待たななくてはならず、7〜8月の2か月間は毎週のように多くの選手が訪れます。

 

乗鞍はハイマツ帯が広がる山岳風景が特徴

大雪渓を通過してからゴールまでの区間は景色が特に素晴らしく、3000メートル級の高山なのになめらかな山肌を持つ乗鞍は、絨毯のようなハイマツ帯がなめらかに広がる山岳風景が大きな特徴です。裏返していえば、そんな山肌を持つからこそ、自転車や自動車が走行できる道路を作ることができたとも言えます。

 

残り1km

ゴールまで残り1km。レースもそろそろ終盤を迎えようとしています。

 

「もう足が動かない...」 「もう少しだ〜がんばれよ」

「もう足が動かない...」と立ち止まってしまう相方を、「もう少しだ〜がんばれよ」と励ましながら一緒に走り出します。

 

「もう少しだ〜!あと100メートル」
目の前に悪魔おじさん

そして、目の前に現れたのは、「もう少しだ〜!あと100メートル。がんばれ〜」と、声を掛け続ける悪魔おじさん。

 

「がんばれ〜」
訪れる選手全員に声をかける
悪魔おじさんと阪神タイガース
かつては仮装選手も多かったが..

かつては色々な仮装をして参加する選手も多かったのですが、走るだけでも過酷な大会ですから年々減少し、現在は悪魔おじさんと阪神タイガースの方のほか数名程度。でも、選手の方々からの人気は抜群で、「悪魔おじさんの応援でチカラが出たよ!」と、帰り際に声をかける選手は一人や二人ではありませんでした。

 

大雪渓前 − 今年はもう雪がなくなってしまった

こちらは大雪渓前。例年なら道路沿いにも雪渓が残っていますが、今年は先週の段階でなくなってしまいました。今年は雪が柔らかく例年よりも雪解けが早く進んでしまいました。

 

大雪渓を眺めながら休憩中..

大雪渓前の駐車場でのんびりされているこちらのチーム。このチームを率いるリーダーの方はこの大会に出場するのは今回で27年目というベテラン。「いや〜内緒で一人で参加するっていうわけにはいかないから、いつもメンバーに声をかけると『俺も行く〜私も行く!』っていうことになって、最終的に全員が来ることになっちゃうっていうパターンが結構ありますよ。」

 

来年もまたここで!

メンバーの結束力も素晴らしく、来年もまたここで同じようにお会いできることを楽しみにしております。

 

■ Next>>  Page5 【表彰式】■


 

 

Copyright (C)   乗鞍大雪渓WebSite

Top ||   <<Back  1  2  3  4  5  Next>>