【速報バックナンバー 2008年6月分】

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◎ 6月

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■2008年6月29日(日)■     ( 今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダーVol.7 ) 

@ 2008/06/29 07:50
雨脚が波打ちながら激しく降ります
(畳平)
A 2008/06/29 08:35
最大風速30メートル、強風にバス停も耐えられません
(畳平)

B 2008/06/29 09:35
乗鞍スカイライン、強風と雨量規制で9時30分より通行止め
(平湯峠)

C 2008/06/29 10:05
天空マラソンは区間を短縮して実施
(冷泉小屋、中間折り返し時点 − 画像提供
位ヶ原山荘)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 昨日とは打って変わって、今日は朝から終日激しく降り続く雨の一日となってしまいました。
昨日夕方から降り始めた雨は、夜半過ぎあたりから激しさを増し、朝が訪れても一向に変化を見せません。6時のほおのき平駐車場は絶えず雨が打ちつけられてアスファルトが煙るほどの降りかたを見せます。気温は16℃、風は全くありません。駐車場には5台ほどの車がおこしになってますが、この雨の中でシャトルバスに乗車しようと準備を進める様子は見られません。こんな雨が降り続くものの、乗鞍スカイラインは定刻どおり7時に開門され、本日はBダイヤで運行されるシャトルバスも6時55分の始発便がほおのき平駐車場にやってきます。ただ、シャトルバスに乗車される方はゼロ。乗客のいないシャトルバスは雨脚の変わらない中を畳平に向けて出発します。シャトルバスが出発した頃のほおのき平からは夫婦松駐車場付近がはっきり見える程度の視界がありますが、乗鞍スカイラインを進むシャトルバスがその夫婦松付近にやってくると周辺は少しずつ霧が立ち込め始めます。乗鞍スカイラインの通る周辺の山肌には雨でいくつもの小川ができ、猫岳の山裾を回って森林限界を抜けたあたりでは風が強くなり、青くなり始めたダケカンバは若葉が強風を受けてあおられている様子をうかがうことができます。そして、土俵ヶ原付近からはさらに風が強くなり、シャトルバスの大きな車体すら突風にあおられることもあるほどです。また、桔梗ヶ原に広がるハイマツの絨毯も強風で激しく波打ち、山麓方面から霧や雨の粒が下から上に舞い上がるようするをうかがうことができます。シャトルバスが到着した8時ごろの畳平は17℃、西から激しく雨がアスファルトを波打ちながら叩き付け、あっという間に全身ずぶ濡れの状態になってしまいます。雨と同時に次第に風も強くなり始めます。7時30分現在の降り始めからの雨量は55mmですが、その1時間後には65mmと激しい降りかたが続き、瞬間的には風速30メートルに達するときもあり、風にあおられたバス停が横倒しになってしまうほどの突風が吹き抜けます。その後、雨と風は一向におさまりを見せることがなく、乗鞍スカイラインは9時30分に通行止めの措置がとられました。したがって、シャトルバスは始発便は通常通り運行されたものの、その次の便(平湯温泉8時40分発  ほおのき平駐車場8時55分発)から運休となってしまいました。
長野県側の乗鞍高原では信州・乗鞍天空マラソンが開催され、昨年と同様、雨の中の大会となりましたが、当初予定の三本滝ゲートから大雪渓駐車場で折り返すコースは、この天候のため、折り返し地点を冷泉小屋に引き下げ、スタート時間も30分遅らせて大会が開始されました。
14時近くになって少しずつ雨は収まりを見せてきましたが、その後、再びまとまった降りかたを見せ、今日は終日に渡って強雨が続き、生憎の一日となりました。
なお、今回取材分の ノリクラ雪渓カレンダーVol.7 は今週末掲載を予定しておりますのでどうぞご覧ください。(2008/06/29 18:00更新)
■ 7月1日(火)より、長野県側 乗鞍高原〜畳平間のシャトルバスの運行が開始されます(運賃改定) ■
5月3日より運行中の春スキーバスは6月30日(月)で終了となり、7月1日(月)より乗鞍高原から畳平の区間でシャトルバスが運行されます。ダイヤについては昨年と同様ですが、運賃は大人往復2400円に変更されています。詳しくは 2008シーズン 乗鞍岳マイカー規制・乗り換え駐車場・シャトルバス情報 長野県側(乗鞍高原〜畳平)のシャトルバス をご覧ください。

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■2008年6月28日(土)■     ( 今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダーVol.7 ) 

@ 2008/06/28 09:05
朝から青空が広がります
(大雪渓駐車場)
A 2008/06/28 08:40
百名山達成、最年少記録目指して!
(肩の小屋専用道)

B 2008/06/28 10:10
上空は徐々に雲に覆われ始めます
(大雪渓)

C 2008/06/28 14:40
午後は雲が厚く垂れ込みます
(朝日岳直下)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今日は完全に梅雨の中休みの天候を見せ、今日を逃してはもったいない一日となりました。
日付が今日に変わる頃のほおのき平駐車場は16℃、どこまで空がつながっているのかわからないような闇夜です。それでも目を少し慣らすと所々に星が弱々しく輝く様子がうかがえ、晴天の空であることがわかります。いつものように東からはそよ風が全身を心地よく吹き抜けます。その風にはさほどの湿り気を感じることはなく、ノリクラの方角である東の稜線もぼんやりと確認できる状態が続きます。
そして、早朝6時のほおのき平は薄い上層の雲がややかかるもののきれいな青空が広がります。そして、6時直前になって谷間にあるほおのき平駐車場にも日が差し込み始めると徐々に汗ばむ陽気を感じます。気温は16℃、風はほとんどなく穏やかな気候の朝を感じ、とても梅雨とは思えない状況です。このきれいな天候ですから、乗鞍スカイラインのシャトルバスは通常スケジュールのAダイヤで運行され、6時55分の始発便には1台が配車され、平湯温泉からの乗客も含めて22名がほおのき平駐車場を後にします。今日はきれいな晴天が広がりますが、車窓からの遠景はやや霞んで、笠ヶ岳や穂高連峰などはその輪郭をややにじませているものの、その雄大さを十分楽しませてくれます。シャトルバスが到着した8時の畳平でもきれいな青空が広がり、そこに上層に浮かぶ筋状の雲が絵筆をふるっています。気温は17℃、風もほとんどなく穏やかそのものです。昨日のお知らせでもお伝えしたように、岐阜県側の鶴ヶ池大雪渓は今日の夕方で閉鎖の措置がとられます。この時期の鶴ヶ池大雪渓はモーグルの方々がラインやエア台を作って練習する場としてよく知られていて、数日前に作成されたラインを目当てに最後の滑走を楽しむモーグラーの方々がシャトルバスからスコップなどの荷物を降ろすと一斉に出発されます。畳平周辺ではきれいな青空が広がりますが、東の鶴ヶ沢から雲が湧き上がってきて、大雪渓を望むことができる肩の小屋とコロナ観測所の分岐点からは位ヶ原方面が山麓から沸きあがる霧にやや覆われ、その中を春スキーバスが唸りを上げて大雪渓駐車場(肩の小屋口バス停)に登ってくる様子をうかがうことができます。今日の始発の春スキーバスは2台。約40名ほどの方が大雪渓駐車場に降り立ちます。今日は大半の方が山頂や稜線に向けて出発され、大雪渓内を繰り返し練習されるスキーヤーはやや少なめといった状態でした。春スキーバスが到着した9時頃の気温は18℃。9時前までは先ほどの肩の小屋とコロナ観測所の分岐点で申し上げたように山麓から湧き上がる霧で山頂付近も若干霞んだ状態を見せるときもありましたが、それ以降はきれいな青空に包まれ、山頂を目指す方々にとってはより一層足取りが軽くなったのではないかと感じます。また、この時期になると登山にお越しになる方も徐々に増えてきます。ノリクラも日本百名山の一座として知られていますが、百名山全山登頂まであと少しという小学3年生の女の子に出会うことができました。もし達成できれば、最年少の記録を更新されるとのことでした。
その後は徐々に上層の薄い雲が青空を覆い、太陽も薄日を見せる程度となってきますが、11時近くになるとやや冷たい風が流れ込み、それと同時に再びきれいな青空が広がります。また、その上層の雲と入れ替わるようにややモクモクとした雲が姿をあらわし、日差しも強さを増し、涼しく吹き抜ける西からの風に心地よさを感じる状態が続きます。この頃になると朝日岳直下まで登りつめたスキーヤーの方々滑り降りてきて大雪渓エリアに広がる縦溝に苦労しながらターンする様子をうかがうことができます。それでもいつもよりやや気温が高いこともあって、縦溝そのものがやや溶けて丸みを帯びて、何とかバランスをとりながらも楽しく滑走することは可能です。
正午の肩の小屋付近は14℃。今日から営業を開始した肩の小屋には山頂を目指す登山者がお土産を求めたり、ベンチに腰掛けて目の前に広がる朝日岳の山肌を眺めながらお昼を過ごす様子が繰り広げられています。そんな様子をうかがうと徐々に夏山シーズンが訪れた雰囲気を感じさせてくれます。
午後になると、広がり始めた雲が徐々に厚くまた低くなってきますが、それ以上の天候の変化はなく、稜線付近からでも位ヶ原の様子をはっきりと確認することができます。先週の段階で蚕玉岳〜朝日岳の稜線からの滑り込みはできない状態になりましたが、朝日岳直下から大雪渓への滑り込みについて問題なく滑走できます。また、剣ヶ峰〜蚕玉岳の滑り込みは稜線直下付近の雪解けが激しく、急斜面の砂礫地を雪のあるところまで歩いて降りる必要があります。それ以降は問題なく滑走できますが、明日からの降雨でかなり雪解けが進むことが予測され、稜線からの滑走は今週末で最後になる可能性が高いと考えられます。
午前中は晴天に恵まれ、午後も問題のない天候が続きましたが、17時位から小雨が降り始めました。明日の天気予報は終日に渡って雨マークが連なり、高山では90〜100%の降水確率が発表され、乗鞍スカイラインのシャトルバスは雨の日のダイヤのBダイヤで運行されることが決定されています。また、長野県側では信州・乗鞍天空マラソンが開催されます。どうやら昨年同様、雨の中での大会となりそうです。
なお、今回取材分の ノリクラ雪渓カレンダーVol.7 は今週末掲載を予定しておりますのでどうぞご覧ください。(2008/06/28 20:00更新)
■ <ご注意> − 明日 6月29日(日)は天空マラソン開催につき、大雪渓駐車場行きの春スキーバスは全便運休 ■
明日の6月29日(日)は、三本滝〜大雪渓駐車場間で実施される天空マラソン開催のため、大雪渓駐車場(肩の小屋口バス停)行きの春スキーバスが全便運休になります。したがって、当日、大雪渓方面に向う方は、岐阜県側の乗鞍スカイラインのシャトルバスをご利用ください。
■ <ご注意> − 岐阜県側の鶴ヶ池大雪渓は本日夕方を持って滑走禁止となりました ■
岐阜県側の鶴ヶ池大雪渓は雪解けにより本日夕方をもって滑走禁止となりました。今後は長野県側の大雪渓での滑走となりますが、明日は前述のとおり、長野県側の春スキーバスが運休となりますので、岐阜県側の乗鞍スカイラインで畳平まで出向き、徒歩で大雪渓に向かうことになります。

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■2008年6月22日(日)■     ( 今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダーVol.6   ) 

@ 2008/06/22 08:10
朝からまとまった雨脚
(畳平)
A 2008/06/22 09:10
雨でも視界は確保されます
(大雪渓)

B 2008/06/22 12:00
雨がやんで山麓には見事な雲海が広がります
(肩の小屋専用道)

C 2008/06/22 13:40
午後になって再び霧がたち込みます
(朝日岳直下)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今日は午前中にまとまった雨に見舞われたもののその雨も次第におさまり、雨にもかかわらず現地に訪れたスキーヤー・ボーダーにとってはラッキーな一日ではなかったでしょうか?
6時のほうのき平駐車場の気温は18℃、上空には雲が垂れ込むものの部分的に青空が見え隠れする状態です。しかし、先ほどまで東から吹いていたやや強めの風がおさまり、雲に厚みが出てきてノリクラ方面には霧がかかるようになってきます。この天候のため、ほおのき平駐車場にシャトルバスを利用するためにお越しになる方の車はゼロ。今にも雨が降りそうな天候ですが今日の乗鞍スカイラインのシャトルバスはAダイヤで運行され、6時55分にはいつものように始発のシャトルバスがやってきます。ほおのき平駐車場からの乗客はゼロですが、平湯温泉から乗り込んだ方もなく、がらんとしたシャトルバスは定刻で出発します。乗鞍スカイラインを進むシャトルバスの車窓からの眺めは比較的良好で、穂高・槍、笠ヶ岳などいつもの遠景がはっきりと輪郭を見せています。さらに上部へ進んでいっても視界そのものは変化はありませんが、夫婦松のしばらく先の5kmポスト付近から雨が降り始めます。シャトルバスの到着した8時の畳平の気温は7℃。鶴ヶ沢方面から霧が湧き上がっていて大黒岳の山頂付近が見え隠れする以外は畳平周辺は比較的視界が確保されています。また、徐々にまとまった雨脚をみせるようになってきますが寒さはあまり感じない状況です。畳平で確保されていた視界はコロナ観測所・肩の小屋分岐点から望む長野県側の大雪渓では薄い霧に覆われるようになってきます。いつものことですが、同じノリクラでありながらエリアによって天候が大きく異なることを感じさせます。分岐点から大雪渓への滑り込みはやや縦溝が凍って少しばかり固めのバーン。大雪渓全体でも昨晩の雨で縦溝が尖って、さらに再氷結によってできたたけのこ状の円錐が至るところで見かけるようになってきます。このたけのこは昨日よりもやや増えているように感じます。
9時前に大雪渓駐車場(肩の小屋口バス停)に到着した春スキーバスは2台ですが、乗客を乗せたバスは1台だけで15名ほどのスキーヤー・ボーダーの方々が雨の降る中、雪渓を登る準備を始めます。バスが到着して程なくすると雨脚がさらに強くなり、ウエアの裾からは絶えず雫が流れ落ちます。今日はほとんど風のない一日で雨はまっすぐ落ちています。10時の大雪渓の気温は8℃。まとまった雨脚に変わりはなく、さらに山頂付近に霧がかかり始めます。いつもなら、この時間になると緩んでくる雪質も日差しの全くないため、早朝とさほど変わらない状態が続きます。
しかし、この雨も徐々に小雨となり、10時30分ごろにはほぼ完全にやんできます。それと同時に山麓にはきれいな雲海が広がり始め、太陽の姿は確認することはできないものの、明るさが増し始めて蒸し暑さをやや覚えるような気候になってきます。それと同時に雪面も柔らかくなり、雪渓上部から滑り降りるスキーヤーの方々は小さなギャップが広がるバーンでも楽しそうにロングターンを切って落ちてきます。
今日の大雪渓は長野県側の春スキーバスでお越しになった方以外は、山頂に向かう登山の方スキーヤーの方はほとんどなく、大雪渓の上部の肩の小屋周辺は6月28日(土)の営業開始の準備に取り掛かるスタッフの方々の様子を除けば、静かな雰囲気が続いています。正午の肩の小屋の気温は11℃、それまではっきりと見えていた山頂付近に霧がかかるようになり、西からは少し生暖かい空気が入り込む感覚を覚えます。そして、先ほどまで雲海の下に乗鞍高原の様子を確認することができたものの、その雲海がさらに厚みを増して、肩の小屋への専用道からは重厚な雲海をバックにした位ヶ原の唐草模様が広がり、今日一日の中で一番印象に残る光景を目に焼き付けることができます。
しかし、その天候も午後になると、山頂付近を中心に霧に包まれる状態が続き、14時の蚕玉岳山頂では再び雨が降り始めます。剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線直下は完全に雪が途切れ、滑走できる箇所まで数十メートル歩いて降りる必要がありますが、それより下部では車道まで問題なく滑走できます。バーンには昨晩の雨でやや縦溝が発生していますが、雪面が緩んでいれば、板をしっかりと抑えて滑れば普通にターンできる状態です。ただ、稜線直下の雪解け箇所が今後の降雨でさらに広がると急斜面のガレ場を歩いて降りることになるため、次週末には事実上滑走できない可能性もあります。また、朝日岳直下から大雪渓の滑り込みについても次週末あたりになると大雪渓上部でバーンが途切れる可能性があります。
再び降り始めた雨はまとまった雨脚となります。15時の大雪渓は10℃。気温はやや低くなってきました。その後も雨は続きます。
朝はまとまった雨に閉口したものの、日中に関しては雨がやんできれいな雲海を楽しむことができ、梅雨の時期ではあるもののそれなりに楽しむことができ、雨ではあっても現地に訪れれば、何かに出会えることを実感できた一日でした。
なお、今回取材分の ノリクラ雪渓カレンダーVol.6 は今週末掲載を予定しておりますのでどうぞご覧ください。(2008/06/22 20:30更新)
■ <ご注意> − 6月29日(日)は天空マラソン開催につき、大雪渓駐車場行きの春スキーバスは全便運休 ■
6月29日(日)は、三本滝〜大雪渓駐車場間で実施される天空マラソン開催のため、大雪渓駐車場(肩の小屋口バス停)行きの春スキーバスが全便運休になります。したがって、当日、大雪渓方面に向う方は、岐阜県側の乗鞍スカイラインのシャトルバスをご利用ください。なお、前日 6月28日(土)の春スキーバスは通常通りの運行です。

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■2008年6月21日(土)■     ( 今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダーVol.6   ) 

@ 2008/06/21 09:05
濃霧に包まれています
(大雪渓)
A 2008/06/21 09:20
一瞬青空が広がる
(大雪渓)

B 2008/06/21 12:45
6月28日(土)営業開始!
(肩の小屋)

C 2008/06/21 15:20
霧は絶えず山麓から供給されます
(剣ヶ峰〜蚕玉岳の沢)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今日は濃霧に見舞われ、少しばかり雨に見舞われるタイミングがあったものの、まずまずの一日となったのではないでしょうか?
日付が今日に変わる頃の乗鞍高原は夜半から降り始めた雨脚が一層強まります。気温は15℃で、それまではほぼ連続してしとしとと降り続き、青々としはじめたシラカバの若葉がゆっくり揺れる程度の空気の流れがあるくらいで、激しい雨を予測させるような感じはありませんでした。
それでもこの降りかたは30分程度でおさまり、夜の明けた朝5時頃には再びまとまった降りかたをみせたものの、その後はどんよりとした雲が広がる以外はあまり雨のことを意識させるような雰囲気ではありません。それでもこの天候ですので、三本滝レストハウス前駐車場には7時の段階で6台。かもしかゲレンデより上部は霧に包まれ、7時30分頃には駐車場のアスファルトからも霧が立ち上がるようになります。この頃になると春スキーバス始発便に乗車されるスキーヤー・ボーダーの方々が準備を始めますがその数もまばら。霧に包まれるようになって来たこともあってか静かな雰囲気が漂っています。今日の春スキーバスは2台、先に観光センターから20名程の方が乗車され、全員で30名ほどです。春スキーバスが進む県道乗鞍岳線はダケカンバなどの広葉樹の明るい新緑とオオシラビソなどの針葉樹の深い緑のコントラストが見事で、荒田沢橋より上部に差し掛かるとその緑のグラデーションに残雪の白が加わり見事は車窓を見せてくれます。上部に向かっても霧の濃さはさほどでもなく、近景に写る緑と白の美しさを楽しむにはなんら問題ない状態です。春スキーバスが大雪渓駐車場に到着した9時の気温は14℃、寒くも暑くもない状態です。春スキーバスから降り立ったスキーヤー・ボーダーの方々は登行の準備を始められますが、今日は山頂や稜線に向かう方よりも雪渓を繰り返し滑走される方のほうが多いようです。9時を過ぎてしばらくするとそれまで山頂・大雪渓方面にかかっていた霧が抜け始めて上空には青空が広がり始めます。ただ、これも数分程度の出来事で今日はこれ以降青空を楽しむことはできませんでした。上空の青空を奪ってしまったのは北から流れ込む雲で、全体的に曇天になってきたかと思うと、今度は30分もしないうちに山麓から霧が湧き上がり、大雪渓周辺の視界が完全に奪われるようになってきます。今日はほんとに短時間のにわか雨に見舞われて、そのたびに雨具を着たり脱いだりします。午前中は14℃前後を推移するものの湿度が高く、風もほとんどない状態ですから、雨具を装着しているとかなりの暑さを感じます。
これまで雨戸が閉ざされていた肩の小屋では売店のシャッターが開けられて、オーナーの方やスタッフの方々が6月28日(土)からの営業開始に向けて準備を進めています。10月中旬までの3ヶ月半の大半をここで過ごす日々が始まっています。正午の肩の小屋の気温は16℃。肩の小屋周辺は室堂ヶ原から吹き込む西の風が山麓からの霧を押しやって比較的視界の良い状態ですが、それでも時折視界が奪われてにわか雨が降るようになってきます。この天候は午後になってもほとんど変わらず、霧の粒が目の前を流れて行きます。しかし、15時を過ぎる頃になるとそれまで一様だった厚い雲から次第に光が漏れ始めて、太陽の輝きが見え隠れするようになり、それと同時に霧が薄くなり始めます。それまで200〜300メートル程度だった視界が開けて、蚕玉岳山頂からは全く確認できなかった位ヶ原の様子を何とか確認できる程度にまで回復するタイミングもありました。
稜線付近は雪解けのペースが速くなり、蚕玉岳〜朝日岳稜線からの滑り込みはできない状態となってしまい、その隣の朝日岳直下から大雪渓方面に滑走することになります。また、剣ヶ峰〜蚕玉岳の稜線付近もかなり地面が出始めて、稜線直下は若干歩いて降りる必要があります。稜線付近の雪質はやや再氷結した部分がエッジに当たりますが、縦溝もなくこれまでとほとんど変わりありません。しかし、稜線からしばらく降りた沢筋の下部の県道手前付近や大雪渓ではスプーンカットとまでは行かないものの、10〜20センチ程度の間隔の細かなピッチが現れ始めて、しっかりと板に圧を加えないとやや滑りにくいバーンコンディションになっています。
夕方になって西に傾き始めた太陽が雲の間から一瞬顔を覗かせて、もしかすると明日は今日以上に良い天気になるかと期待されましたが、終日雨の予報が出ていて、乗鞍高原でも先ほどから雨が降り始めました。
今日は時折雨に降られたものの、全体的に見れは何とか天候がもってくれたといった感じで、びしょ濡れにならずに済んだことに感謝する一日となりました。
なお、今回取材分の ノリクラ雪渓カレンダーVol.6 は今週末掲載を予定しておりますのでどうぞご覧ください。(2008/06/21 18:45更新)

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■2008年6月15日(日)■     ( 今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダーVol.5   ) 

@ 2008/06/15 09:15
きれいな青空、山頂に向けて出発
(大雪渓)
A 2008/06/15 11:45
真夏のような白い雲と青い空が広がります
(大雪渓)

B 2008/06/15 13:10
山頂や稜線でも穏やかな気候が続きます
(蚕玉岳山頂)

C 2008/06/15 13:30
稜線からのロングランはまだまだ楽しめます
(剣ヶ峰〜蚕玉岳の沢)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今日は梅雨明けしたようなきれいな青空をみせ、昨日の低温と強風から開放された心地よい一日を過ごすことができました。
早朝の6時のほうのき平駐車場は8℃、上空には少し薄い雲がベールのごとくかかるもののきれいな青空が広がっています。そして昨日のやや蒸し蒸しした感覚とは異なり、少しひんやりとした空気が流れます。ほうのき平駐車場には15台ほどの車がお越しになっていますが、シャトルバスに乗車される準備を始める様子はなく、小鳥のさえずり以外は静かな清涼な朝を迎えています。6時55分のシャトルバス始発便は1台、平湯温泉から乗車された方も含めて30名ほどで畳平に向かいます。今日は昨日以上に空気が澄んでいるようで、車窓から穂高や笠ヶ岳はもちろんのこと、昨日は確認できなかった白山が手に取るように眺めることができるほど視界が開けています。シャトルバスが到着した8時の畳平の気温は7℃、北から弱い風が時折吹くものの、昨日のような身を縮める様な強風と寒さはありません。上空の空の色も早朝と変わらず穏やかな一日を予測させてくれます。今日は山麓と畳平の気温差など昨日と異なる点が目にとまりますが、鶴ヶ池遊歩道に周辺では霜柱が立っていて、昨晩の冷え込みを物語っています。それと同様に大雪渓周辺でもしっかり締まった雪質となり、若干うねりが気になり始めたバーンではありますが、滑走性のよいバーンにしっかりとグリップを効かせることができ、魔利支天から大雪渓への滑走はまだ始まったばかりの一日でありますが、もうそれだけで満足といっても良い状態でした。
9時の大雪渓入口付近の気温は9℃、空は次第に薄いベールが取れてきて気持ちのよいそよ風に包まれています。先週から大雪渓駐車場(肩の小屋口バス停)まで延長運行された春スキーバスが9時前に到着します。今日の運行は3台。約100名ほどの方が乗車されました。大雪渓入口に横付けされた春スキーバスからは板やブーツなどを運び出す車掌や乗客が忙しく動き回り、夏のシャトルバスと全く変わらない光景が繰り広げられています。大半の乗客はスキーヤー・ボーダーの方々で、今週から開放された大雪渓駐車場のトイレに立ち寄ったり、スキー板にシールを張ったり、アイゼンを装着される姿が大雪渓駐車場のあちこちで始まり、順番に山頂目指して出発します。そんな大賑わいもものの30分程もすれば再び静かなノリクラが戻ってきます。10時の大雪渓は9℃、昨日ほどではないものひんやりとした空気が流れます。しかし、日差しは徐々に強さを増し、サングラスなしでは目を開けていられない程になってきます。太陽の強さはまるで梅雨明け後の真夏そのもの。顔がジリジリと焼けてくる感覚を覚えます。そのため、早朝はしっかりと締まった雪質も9時を過ぎる頃から緩み始めます。ただ、ひんやりとした空気が終始流れていることもあって、昨日ほどの緩み方はみせず、稜線に向かってシールで登行してもスリップする場面が比較的少なく、落ち着いて登って行くことができます。11時の大雪渓は10℃、この頃になると青空にモクモクとした白い雲が上空に浮かび始めます。太陽の強さと同様に本当に真夏のような雰囲気を醸し出し、青と白の上空のコントラスト、そして、雪面の白とハイマツの緑の地上のコントラストを同時に楽しむことができ、いつまでもこの風景をのんびりと楽しんでいたいと思ってしまうほどの輝きがあります。
正午の稜線付近の気温は10℃。この頃から西から雲が流れ込むようになってくるものの、穏やかな気候と明るい太陽の輝きは変わりません。そのため、稜線付近でも弱い風が吹き抜けるものの、いつものような吹きさらしの状態は全くなく、比較的フラットなエリアである蚕玉岳山頂付近では10名ほどの方がお昼の休憩をのんびりと過ごされ、お昼寝タイムの方もいらっしゃるほどです。
午後になって西からの雲が次第に厚くなってきて太陽が見え隠れするようになりますが、それ以上の天候の変化はありません。剣ヶ峰〜蚕玉岳の稜線からの滑り込みは多くのシュプールで若干うねりが見られますが全く問題はなく、板とエッジにしっかり加圧する感覚を持って落ちて行けばこれ以上楽しいものはもうありません。剣ヶ峰〜蚕玉岳の沢は縦溝やアイスバーンといった所は全くなく、楽しいバーンではありますが、表面は柔らかくてもその下層に部分的にできた再氷結が板に当たる感触が出てきましたので、少しずつ夏の雪渓へと変化が始まっているように感じます。15時の大雪渓の気温は9℃、この頃になるとほとんど曇り空となり、誰もいなくなった大雪渓にはつめたい空気が流れ込んでくるようになります。そして山頂付近も雲に覆われ始め、今日一日の晴天が終わりを告げます。
二日間とも良い天候に恵まれ、梅雨がどこに行ってしまったのかと思ってしまう週末を送ることができました。梅雨明けすれば今回のようなきれいな青空と湧き上がる雲の夏空に巡り会うことができますが、その時期では稜線からのロングランは楽しむことができず、今日はそんな意味からも絶好の一日となったように思います。まだ、しばらく稜線からのロングランを楽しむことができそうです。天候さえ良ければ十二分にノリクラを楽しみたい時期でもありますね。
なお、今回取材分の ノリクラ雪渓カレンダーVol.5 は今週末掲載を予定しておりますのでどうぞご覧ください。(2008/06/15 19:50更新)

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■2008年6月14日(土)■     ( 今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダーVol.5   ) 

@ 2008/06/14 08:05
気温3℃、激しく流れる雲と強風で身が縮む寒さ
(畳平)
A 2008/06/14 10:10
激しい雲の流れに上空が支配されてしまいます
(肩の小屋専用道付近)

B 2008/06/14 13:35
強風が続くものの次第にきれいな青空に
(朝日岳〜蚕玉岳稜線付近)

C 2008/06/14 14:30
夕方になるにつれてさらにきれいな青空へ
(蚕玉岳)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今日は山麓では想像できない冷たく強い風にさらされたものの、時間の経過とともに見事に晴れ上がる青空を見せてくれた一日でした。
日付が今日に変わる頃のほおのき平駐車場は南西の空に明るい十日月が煌々と照らす夜空が広がります。星はその明るさに負けていつもの半分程度しか確認できないほど。幾分薄い雲のかかった東の空からはいつものように弱い風が吹き続いています。そんな夜風に吹かれても一向に寒さを覚えることはなく、月夜を楽しみながら外で団欒を楽しむ方もいらっしゃるほどです。
一夜明けた早朝6時のほおのき平駐車場は14℃。昨晩からの快晴が続き、山間の駐車場にようやく朝日が差し込むようになります。すでにしっかりとした強さを見せる日差しは若干汗ばんでくるほどの状態です。シャトルバスに乗車しようとお越しになった車は15台程度で小鳥がけたたましく囀る以外は静かな朝を迎えています。6時55分のシャトルバス始発便は1台。平湯温泉からの乗客も含めて15名ほどです。シャトルバスが国道から平湯峠に向かうにつれて外気は徐々に冷たいものに変わってきます。そして、シャトルバスが到着した畳平は北から吹き抜ける冷たい風が襲ってきます。8時の畳平の気温は3℃、山麓のほおのき平駐車場とは10℃以上の気温差があり、バスから降りた瞬間、別世界にやってきたように感じるほどで、雪渓に向かう準備を進める前に急いでアウターを着込んで厚手のグローブに取り替えるスキーヤーやボーダーの姿を見かけます。8時を過ぎる頃になると、風だけではなく雲の激しく流れ込むようになり、上空は次第に雲に支配されるようになってきます。この強風で全てのものが真横に飛ばされ、普段は穏やかな鶴ヶ池に小波が立つほどの状況で、スキー板をザックにくくりつけたスキーヤーは強風にあおられながら大雪渓に向けて出発します。
9時の大雪渓も激しく北から流れる雲に時折山頂付近が隠れる天候です。気温は6℃、少しばかり寒さが和らいで来たように感じます。春スキーバスは先週から大雪渓駐車場(肩の小屋口バス停)まで延長運行されましたが、今日の始発便は3台が運行され、肩の小屋口バス停で下車された多くの方が山頂目指して登行を始めます。ざっと見回して70名ほどの方が大雪渓を登っています。今週は肩の小屋・コロナ観測所分岐点から肩の小屋方面の除雪が実施され、これまでのような急斜面トラバースに閉口する必要はなくなりました。また、肩の小屋の先の宇宙線観測所手前の公衆トイレが使用できるようになりました。先ほどまでの晴れ間が徐々に少なくなり10時の肩の小屋の気温は6℃で気温の上昇が見られません。強風と西から激しく流れ込む雲は相変わらず、むしろ雲量が増えているように感じで太陽の前を激しく流れるとまるで照明のスイッチをめまぐるしく操作しているかのような状況を見せます。西から絶えず激しく雲が流れ込むものの、東の空はほとんど変化をみせず穏やかな表情をみせていることが印象的です。
正午の登山道は7℃、風の強さは一向に変わらないものの、空を激しく流れる雲はほとんど姿を消し、上層の薄い雲に置き換わってくるのと同時に青空が戻ってきます。今日は朝から比較的きれいに遠景を望むことができる状態でしたが、午後はさらに空気の透明度が増して、くっきりと穂高の山並みを手に取るように楽しむことができるようになって来ました。13時過ぎに一旦風が収まり、蚕玉岳〜朝日岳稜線上ですら穏やかな状態になってきます。その後、再び強い風が戻ってきますが、それでも連続的なものではなく、蚕玉岳山頂に普通に立っていることができるほどの状態になります。ここから望む遠景はいつも以上に近くに見えるほどくっきりしていいて、梅雨入りしたことをすっかり忘れさせてくれるほどの状況です。
今日は早朝の畳平周辺ですらすでにグサグサの雪質でしたが、15時を過ぎる頃の稜線付近は徐々に表面が硬くなり始めてきます。剣ヶ峰〜蚕玉岳からの滑り込みは縦溝など全くなく、下部に差し掛かっても細かなピッチも比較的少ないため、楽しく落ちて行くことができます。
16時の大雪渓はきれいな西日が燦々と差込み、いくつも重なったシュプールが斜陽にくっきりと映し出されてきれいな青空の下、今日一日が終わって行きます。県道乗鞍岳線は大雪渓駐車場より先で除雪が進み、乗鞍スカイラインとの交差点まで全線除雪が完了しています。したがって先週までのように富士見沢の急斜面トラバースに肝を冷やす必要はなくなりました。今日は強い風に悩まされたものの、午後になってきれいな青空を楽しむことができたまずまずの一日となり、明日も良い天気が続く予報が出ています。梅雨のことを忘れて楽しむことができる一日となりそうです。
なお、今回取材分の ノリクラ雪渓カレンダーVol.5 は今週末掲載を予定しておりますのでどうぞご覧ください。(2008/06/14 20:30更新)

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■2008年6月8日(日)■     ( 今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダーVol.4   ) 

@ 2008/06/08 08:50
春スキーバスは大雪渓駐車場まで延長運行
(大雪渓駐車場)
A 2008/06/08 09:05
山頂目指して!
(大雪渓)

B 2008/06/08 11:45
昼前にはきれいな青空が広がります
(朝日岳〜蚕玉岳稜線付近)

C 2008/06/08 12:45
午後になると稜線を超えて雲が立ち込み始めます 
(蚕玉岳)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今日は予想よりも良い天候に恵まれ、少しばかり得をしたような一日を送ることができました。
朝6時のほおのき平駐車場は曇で気温は14℃、寒さは全く感じません。雲は所々に明るさが見られて太陽の輪郭も何とか確認でき、どんよりとした厚みのある状態ではありません。駐車場には10台程の車がお越しになり、6時55分の始発のシャトルバスは1台、7名の乗車です。乗鞍スカイラインを進むと遠景の山並みを確認することができるようになって来ますが、この天候にもかかわらず視界はしっかりと確保され、穂高の山々の頂に若干雲がかかる程度で車窓からの風景を十分楽しむことができる状態でした。そして、シャトルバスが畳平に到着した頃の8時の気温は5℃、曇り空が続きますが先ほどよりも太陽の輪郭ははっきりとしているように感じます。西から絶えず風が吹き、時折強い風にザックにくくりつけたスキー板が少しあおられるときがあるほどです。気温は昨日よりも高い状態ですが、日差しがないこともあってアウターを着ないと寒さを感じます。その後は大雪渓に移動しますが、肩の小屋・コロナ観測所分岐点から積雪が始まる専用道は9時前ではまだ少しばかり硬い状態ですが、滑走するには適度な硬さと滑走性があって、しっかりとしたエッジングの感触を味わうことができます。
乗鞍高原からの春スキーバスは昨日から区間延長されて大雪渓駐車場(肩の小屋口バス停)まで運行されています。今日も9時前に到着し、2台のバスに35名のスキーヤーやボーダーの方々がお越しになりました。シールを装着して山頂を目指すスキーヤーの中に大雪渓周辺で何度も登り返しながらトレーニングされるアルペンレーサーの方もいらっしゃり、徐々に夏のノリクラに近づいてきている様子がそんな所からも感じ取ることができます。大雪渓の9時の気温は8℃、この頃から少しずつ太陽が強くなってきて、時折雲間からしっかりとした太陽が姿を覗かせるようになってきます。この頃になると大雪渓は締まった雪質のエリアは全くなくなって柔らかいバーン状態が広がります。今日は畳平方面からお越しになる方も少なく、春スキーバスでお越しになった方々が山頂方面に向かっていった後の大雪渓はほとんど人影はなくなり、静かで穏やかな情景が広がります。10時の大雪渓は8℃、雲はさらに薄くなり日差しが差し込むようになってきます。そして、雲は一つ一つがちぎれてその雲間から青空が広がるようになってきます。あまりよい天気予報が出ていなかったため、こんなにきれいな青空が広がり、今日ノリクラにお越しになった方は少しばかり得をしたような気分になったのではないかと思うほどです。すでに稜線に登りつめたスキーヤーの方々は歓声を上げながら誰もいない沢筋を独り占めするかのように楽しく滑り降りて来られます。
正午の蚕玉岳〜朝日岳稜線は8℃、きれいな晴天を眺めていると、山麓から激しく雲が湧き上がり、冷たい空気が下からせりあがって来るのと同時に西からは稜線を越えて雲が大雪渓に流れ込み始めます。雲が入り乱れて流れ込む大雪渓では所々で小さな旋風が発生しそれと同時に一瞬視界が奪われ、それまでの晴天は完全に失われてしまいます。その後は部分的に青空が広がるときもあるものの、絶えず西から流れる雲が上空を覆い、山頂付近には雲がかかる時間が長くなるようになってきます。剣ヶ峰〜蚕玉岳稜線からの滑り込みは昨日同様、楽しいバーンが広がっていますが、多くの方が滑り込んでいることもあって、表面が若干うねってきた所もあります。それでもバーン下部の細かなピッチ以外は縦溝などもほとんどなく、稜線からの滑り込みはもちろん大雪渓エリアも十分楽しい滑走ができると思います。
今日は全く雨に降られることなく、青空もとき覗かせてくれて、梅雨の時期としては貴重な一日を楽しむことができました。
なお、今回取材分の ノリクラ雪渓カレンダーVol.4 は今週末掲載を予定しておりますのでどうぞご覧ください。(2008/06/08 19:30更新)
【大雪渓駐車場から畳平へ帰りルート(富士見沢付近のトラバースはアイゼンが必要)】 
県道乗鞍岳線の除雪は大雪渓駐車場の数百メートル先までしか進んでいません。その先の3号カーブから2号カーブへは富士見沢の急斜面の雪上をトラバースすることになります。踏み跡がありますので、雪面が緩んでいる状態ならばツボ足でも可能ですが、気温が低く硬く締まった状態になるとアイゼンが必要になります。また、ここをシールで歩いて踏み跡を消してしまうと後の方がかなり苦労することになりますので、シールでの通行はされないようにお願いいたします。
今年から乗鞍スカイラインのシャトルバス下り便は各便10分早くなり、最終便は16時50分となっています。時刻に余裕を持って大雪渓駐車場を出発されるようお願いいたします。(大雪渓駐車場から畳平までは約2km、標高差100mです。)

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■2008年6月7日(土)■     ( 今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダーVol.4   ) 

@ 2008/06/07 08:00
朝は快晴
(畳平)
A 2008/06/07 19:10
次第に薄い雲がかかり始めます
(肩の小屋専用道)

B 2008/06/07 14:00
思いっきり落ちて行けるきれいなバーン
(剣ヶ峰〜蚕玉岳の沢)

C 2008/06/07 14:40
春スキーバスは本日から大雪渓駐車場まで延長運行開始 
(大雪渓駐車場)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 今日はまずまずの天候の中、梅雨の時期としてはしっかりと楽しんでおきたい一日となりました。
日付が今日に変わる頃のほおのき平駐車場は細かく瞬く星が満天に広がる快晴の夜空です。周辺は国道が通って街灯も数多くある中でこれだけの星屑を見ることができますから、かなり透明度の高い空気に包まれていることがわかります。気温は10℃、風は東から西へ流れ、その風にしばらく身を置くと若干の寒さを感じますがそれほどでもありません。ただ、きれいな夜空をしばらく眺めていると指先から感覚が失われて行くことに気づきます。
一夜明けて6時のほうのき平駐車場は昨晩からの快晴が続き真っ青な空が広がっています。駐車場に停められた車は10台と少なめ。そして気温は10℃。若干寒さを感じる気温で始発の6時55分のシャトルバスに乗車しようと準備される方の大半はアウターを羽織ってバスターミナルに向かいます。乗鞍スカイラインの四ッ岳カーブ付近の落石撤去工事は昨日までに完了し、今日のシャトルバスは定刻どおりの運行が行われます。始発便は1台でほおのき平駐車場からの乗車は17名でした。
ほうのき平駐車場を出発したシャトルバスが到着した畳平の8時の気温は3℃。きれいな快晴に強い日差しが差し込むものの、やはり寒さを覚える気候です。そしてこのきれいな快晴は残念ながらさほど長続きはしないようで、上空には徐々に薄い雲が広がりだすようになってきますが、強い日差しは相変わらずで、さほどの天候の変化を感じさせません。9時の肩の小屋・コロナ観測所分岐点付近の気温は6℃、この頃になると徐々に空の青さが薄くなってくるものの、それでもきれいな青空が広がる状況には変わらず、剣ヶ峰から大雪渓そして位ヶ原の大パノラマをくっきりと楽しむことができます。
長野県側の春スキーバスは本日から大雪渓駐車場(肩の小屋口バス停)まで延長運行となりました。始発便は4台が運行され9時前に大雪渓駐車場に到着します。準備を整えたスキーヤー・ボーダーの方々が一斉に大雪渓から稜線に向かう様子はまるで蟻の行列のようで、約80名ほどの方が登って行かれる様子を目にすることができ、早い方は10時前には稜線に到着されたようです。10時の肩の小屋は上空かかる薄い雲で太陽が少し覆われていることもあって気温は6℃と一向に上昇しません。それでもしっかりとした光線を降り注ぎ、晴れた空が広がっています。西から強弱を繰り返しながら吹く風には冷たさを感じます。肩の小屋からの登山道は徐々に雪解けが進み、部分的に地面が出ているところがありますが、まだ雪に覆われたエリアのほうが多い状態。今日は低い気温のため雪面がさほど緩まず、ツボ足でもそれほどの沈み込みはありません。それでもお昼に近づくにつれて緩んできて、稜線直下の急斜面に差し掛かるとシールが効きにくい雪質となり、シールがしっかりとグリップしていることを確認しながら一歩一歩を登行して行くことが必要でしょう。正午の蚕玉岳〜朝日岳の稜線は6℃。この頃になると稜線の西側で激しい動きをみせる雲が乗り越えて大雪渓方面に流れ込んでくるようになります。それでも風はさほど強くなく、蚕玉岳の山頂でランチタイムを楽しむグループがのんびりと過ごす様子をうかがうことができました。
午後になると太陽はほとんど姿を隠してしまいます。それでも雪面が急激に硬くなることなく、剣ヶ峰〜蚕玉岳の稜線からの滑り込みは細かなピッチや縦溝などなく思い切って落ちて行けるきれいなバーンが広がり、途中で止まるのがもったいないという感覚にさせられます。
15時近くになると完全に曇り空となり、雪渓下部付近でも強めの風が吹き始め、明日の天候を予測させるような雰囲気を漂わせています。明日はあまりよい天気予報は出ておりませんが、乗鞍スカイラインのシャトルバスはAダイヤ(通常ダイヤ)で運行されます。今日は梅雨の時期の貴重な一日を楽しむことができましたが、明日も何とか雨に降られない天候になってほしいものですね。
なお、今回取材分の ノリクラ雪渓カレンダーVol.4 は今週末掲載を予定しておりますのでどうぞご覧ください。(2008/06/07 20:20更新)

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■2008年6月1日(日)■     ( 今回取材分のノリクラ雪渓カレンダー  →  ノリクラ雪渓カレンダーVol.3    第5回乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム  ) 

@ 2008/06/01 09:24
第5回 乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム
=トップは46分32秒
A 2008/06/01 11:10
第5回 乗鞍スカイラインサイクルヒルクライム
=エントリー者数 510名=

B 2008/06/01 13:00
山肌にハイマツの帯がいくつも出来始めます
(肩の小屋専用道)

C 2008/06/01 14:55
今日は終日に渡って好天が続きます 
(蚕玉岳山頂)

画像・記事の転載・引用・リンクについて

 ▼ 昨日とは打って変わって朝から雲ひとつない晴天に見舞われて夕方まで楽しい一日を送ることができました。
早朝6時のほうのき平駐車場は少しひんやりとした空気としっかりとした青空に包まれたすがすがしい朝を迎えます。気温は6℃、一枚羽織らないと寒さを感じる気温です。ほおのき平駐車場には30台ほどの車があり、普段ならスキーキャリアやジェットバックをルーフに取り付けたスキーヤーやボーダーの方々の車を良く見かけますが、今日はそんな車に混じって自転車を何台も乗せた車をちらほら見かけます。今日は乗鞍スカイライン起点で標高1684mの平湯峠をスタートして標高2702mの畳平までの14.4kmの自転車ヒルクライムレース、第5回 乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムが開催されます。ほおのき平駐車場では大会会場に向かう前に自転車の整備をされる姿があちこちで見かけられます。乗鞍スカイラインのシャトルバスの始発便は6時55分。始発便を待つ方々は20名ほどですが平湯温泉からの乗客もいらっしゃることから、今日は2台のバスが配車されました。しかし、乗鞍スカイラインは凍結のため7時の開門時間が遅れるとの連絡があり、しばらくの間ほおのき駐車場で待機します。その後、8時に開門が決定され、50分遅れの7時45分に始発便が出発しました。シャトルバスは畳平に向かうにつれて徐々に気温が低下するものの青空は一向に変わらず、猫岳の先の上部エリアでは一面銀世界が広がって太陽の日差しがダイレクトに差し込む強いコントラストに真っ青な空が広がり、シャトルバスに乗車された観光客の方々は一様に歓声を上げています。シャトルバスの到着した8時30分の畳平は気温は4℃、強い日差しのためこの気温でもさほどの寒さはありません。
第5回 乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムは8時30分にクラスごとに出走します。最初に出走した選手は9時18分ごろにゴールし、その後、各クラスの選手が続々と到着します。今回のエントリー数は昨年よりやや多い510名で年々増加を示しています。また、総合トップとなった選手のタイムは46分32秒で昨年よりも1分以上早いタイムを記録しています。真っ青な上空は大会開催中全く変わることなく続き、11時過ぎにはスタート地点の平湯峠に下山が始まります。11時の畳平の気温は7℃。ひんやりとした空気が流れていますが、強い日差しが燦々と降りそそぎ、下山を待機する選手もさほど寒い表情を見せていません。この頃になると上空には雲が湧き始めます。
正午の畳平も7℃。西から連続した風が吹き込むようになりますが相変わらず冷たい空気が流れます。午後は大雪渓方面に移動しましたが、稜線付近からはいくつものシュプールがすでにできていて、13時時点では約50名ほどの方が大雪渓や稜線付近で確認できました。春スキーバスは今日から大雪渓駐車場(肩の小屋口バス停)まで区間延長の予定でしたが、早朝のパトロールの結果、今日の区間延長は見合わされて位ヶ原山荘止まりとなりました。早朝便は2台が配車されて最初の1台がピストン輸送して都合3台で運行されました。
午後になって上空には雲がゆっくりと流れるようになり、時折日差しが隠れるようになってきますが天候に大きな崩れはありません。位ヶ原や高天ヶ原などは雪解けが進んでハイマツの帯がいくつもでき始め、季節の移り変わりを感じさせます。それでも肩の小屋から先の稜線付近では昨日の雨が雪だったようで、若干新雪の部分が残っていて縦溝もなく稜線からフォールラインに絡んで落ちて行く感覚はスキーヤーの心を否応なくくすぐってくれます。
16時の大雪渓は8℃、上空に浮かぶ雲はゆっくりと南に流れて行きます。今日は強い日差しでも日差しの突き刺さる感覚を冷たい空気がやわらげてくれ、また、寒さを強い日差しがやわらげてくれたといった状態で、暑くもなく寒くもなく本当に気持ちのよい一日を送ることができました。昨日の辛い一日とは打って変わった良い天候に恵まれて、こんな日もあるからこそ、ノリクラにまた訪れてしまうんですね。
なお、今回取材分の ノリクラ雪渓カレンダーVol.3 は今週末掲載を予定しております。また、本日開催された第5回 乗鞍スカイラインサイクルヒルクライムの様子も後日お伝えいたします。掲載はトップページでご案内いたしますのでどうぞご覧ください。(2008/05/31 21:00更新)

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