ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.21(2013/09/28〜29) G
【紅葉情報−位ヶ原山荘付近(標高2350m付近)】
★見頃まであと一歩(例年の見頃:9月下旬〜10月上旬)★
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先週の屋根板・富士見沢 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.20(2013/09/21〜22) F |
取材一日目の屋根板・富士見沢 (9月28日) |
取材二日目の屋根板・富士見沢 (9月29日) =昨日よりも色鮮やかに= |
標高2350メートルの位ヶ原山荘付近は、ダケカンバとウラジロナナカマドの二種類の構成となりますが、ダケカンバの比率の方が多くなり、黄色から褐色の屏風にウラジロナナカマドの赤が点在する構成となります。
左の先週と比べると、明らかに康応が進んでいる様子がはっきりしています。また、取材一日目の中央の画像と翌日の取材二日目の画像を比べても、一日違いだけで色合いがさらに鮮やかになり、紅葉が始まりだすと一気に進行する状況がわかります。
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昨年の屋根板・富士見沢 2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.21(2012/09/29〜30) E =今週は昨年よりもやや遅い= |
こちらは昨年同時期の屋根板・富士見沢方面の様子。赤いウラジロナナカマドの鮮やかさとダケカンバの黄色が見事です。今週の進捗具合としては、昨年のこの状態よりもやや遅れていています。また、ウラジロナナカマドに関しては、ここまで鮮やかに色付くことはないと思いますが、今後、ダケカンバに関してはこれに近い状態まで発色するのではないかと思います。この状態のダケカンバになるには、おそらく、あと数日程度かと考えられます。
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まさに錦絵 | 「こんなに綺麗な紅葉が見られるなんて思いませんでした。」 |
この錦絵にしきりにシャッターを押すこちらの二人。「こんなに綺麗な紅葉が見られるなんて思いませんでした。」と、おっしゃります。WebSiteでは昨年・例年と比較しながら、今シーズンの紅葉の状況をお伝えしておりますので、色合いなど若干シビアに評価してお伝えしております。でも、実際に現地にお越しになれば、綺麗な光景に感動されると思います。
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取材一日目の位ヶ原山荘付近 | 取材二日目の位ヶ原山荘付近 違いがはっきりと |
こちらも取材一日目と二日目の様子を比較しておりますが、さらにその違いがはっきりしています。
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昨年の屋根板・富士見沢 2012ノリクラ 雪渓カレンダーVol.21(2012/09/29〜30) E =あと数日程度で同じような色合いに= |
昨年同時期はダケカンバの黄色がより鮮やかで、今週の状況はおそらくあと数日程度で同じように色合いが深まると思います。
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先週の位ヶ原山荘〜冷泉小屋 ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.20(2013/09/21〜22) F |
取材一日目の位ヶ原山荘〜冷泉小屋 | 取材二日目の位ヶ原山荘〜冷泉小屋 |
位ヶ原山荘から冷泉小屋に向かう沿道の様子でも、同様に紅葉が始まりだすと一気に色合いが深まる様子が見られます。
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いつも紅葉シーズンを逃してしまってましたが、今年はちゃんと計画してきました! |
ノリクラの紅葉に訪れようと毎年計画するものの、いつも時期を逃してしまっていたというこちらの方。「今年こそは!」と、色々調べて9月下旬頃が良いと知り、今日お越しになりました。紅葉に恵まれただけでなく、雲ひとつない真っ青な青空にも巡り合え、乗鞍紅葉散策にはもってこいの一日をすごすことができたのではないでしょうか?
【紅葉情報−冷泉小屋〜魔利支天付近(標高2220〜2000m付近)】
★色付きが始まりました(例年の見頃:9月下旬〜10月上旬)★
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冷泉 − かなり色合いが進む |
標高2230メートルの冷泉小屋から標高2000メートルの摩利支天付近にかけては、ダケカンバやウラジロナナカマド以外の広葉樹が増えてきて、彩りにバリエーションが見られるようになってきます。
こちらは冷泉付近の様子ですが、かなり色合いが進んできました。
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昨年の冷泉 2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.21(2012/09/29〜30) F =今週はほぼ同じ状態まで色付いた= |
左の画像は昨年同時期、右の画像は先週のものです。先週の段階では昨年よりもやや遅い状況でしたが、今週はほぼ同じ状態まで紅葉が進んでいます。
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紅葉に囲まれる |
冷泉小屋から摩利支天の中腹エリアでは、上部エリアの大雪渓・位ヶ原のような広大な広がりはありませんが、周囲が紅葉に囲まれていて、手に取るように間近に楽しむことができるところが魅力かと思います。
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冷泉小屋〜魔利支天中間地点(28号カーブ) |
冷泉小屋と魔利支天バス停の中間付近にあり荒田橋(あれたばし)を少し下ったあたりの28号カーブ付近。先週と比べると明らかに発色が豊かになってきました。ただ、早くから紅葉が進んだ一部の箇所では、すでに枯れ始めたものも見られます。ただ、全体的にボリュームがあって、枯れた箇所がそれほど目立たない状況でもあります。
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昨年の冷泉小屋〜魔利支天中間地点(28号カーブ) 2012ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.21(2012/09/29〜30) F =今週は昨年よりやや遅れている= |
こちらは昨年同時期のもの。上部の大雪渓・位ヶ原エリアと同様に綺麗な発色をしています。進捗状況としては今週は若干遅れている状況です。
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紅葉中のもの、これあら紅葉するものは比較的状態はよい |
早くから紅葉が進んだ木々では、すでに枯れ始めていますが、現時点で紅葉しているもの、また、まだこれから紅葉するものは、ご覧のように状態のよいものが残っています。
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中腹エリアはこれからまだ楽しめる |
大雪渓・位ヶ原エリアのようなウラジロナナカマドの霜枯れの影響は、こちらでも見られるものの明らかに少なく、まだまだこれからが楽しみのエリアです。
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中腹より山麓側はまだこれから |
さらに下って、28号カーブの山麓側から29号カーブの間にある直線部分。この付近まで下ってくると、まだまだこれからといった状態です。
【昨年の今ごろは?】
9月最後のノリクラ雪渓カレンダーをお届けします。
おそらく、多くの方がこの日の到来を待ちに待っていたのではないでしょうか?大雪渓・位ヶ原エリアではくすみのない鮮やかな紅葉がようやく訪れ、久々に良いコンディションの紅葉に巡り合えました。
取材一日目の9月29日(土)は、若干雲がかかるもののまずまずの青空の朝から始まります。朝の気温は8℃。気温の割には冷え込みがありません。観光センター前駐車場も若干あわただしい雰囲気が流れ、朝一番からカメラマンの方々が山頂方面へと急いで向かいます。台風17号の影響が懸念されましたが、曇〜晴の天候で日中は台風の気配をまったく感じさせませんでした。むしろ、遠景の山並みも穂高連峰や八ヶ岳までしっかりと確認できるほどよい天候だったといってもよいでしょう。
終日ひんやりとして空気に包まれ、午前中はまだはっきりとした色合いではなかった大雪渓・位ヶ原エリアの紅葉も、夕方までにはほぼピークの色合いになります。そして、沿道には三脚を並べるカメラマンの姿が見られ、毎年恒例の紅葉シーズンの様子が夕方まで繰り広げられました。
取材二日目の9月30日(日)は、曇空ですが今日も台風の影響をまったく感じさせない穏やかな朝を迎えます。早朝6時の乗鞍高原の気温は11℃でまったく寒さを感じさせません。寒さを感じさせない程度の適度な冷え込みにより紅葉はさらに色合いを増して、上部エリアから中腹まで全エリアで見頃を迎えました。また、9時ごろから1時間ほどは台風直前の晴れ間が広がり、錦色の紅葉を一段と輝かせ、思わぬ青空に恵まれたカメラマンの方も、忙しそうに右往左往される様子もありました。しかし、天候の変化は早く、あっという間に雲に包まれたかと思うと、午後の大雪渓付近は視界が30メートルを切るほどの濃霧になり、雨が降り始め、次第に台風到来の様相となってきました。
今回も 紅葉情報(5ページ目〜) をお伝えします。9月26日(水)に畳平で初霜が観測されましたがその影響もほとんどなく、大雪渓・位ヶ原エリアはピークを迎えました。かなりよい状態だった2009年に匹敵するほどの鮮やかな状態を見せています。また、中腹の冷泉小屋〜摩利支天にかけてもピークに近い状態となり、広範囲にわたって見頃を迎えました。
<編集後記>
「ウラジロナナカマドの霜枯れ・最低気温」
まだ、今年の紅葉シーズンは始まったばかりですが、ウラジロナナカマドは残念な結果に終わりそうな状況です。過去の気象データーと照らし合わせてもそれを裏付ける状況がわかります。
【9月15日〜30日 最低気温(アメダス奈川)】 |
2013年 | 2012年 | 2011年 | 2009年 | |
【紅葉状況】 | − | ○ | × | ○ |
9月15日 | 15.7 | 12.9 | 15.1 | 11.7 |
9月16日 | 6.1 | 14.6 | 12.3 | 10.4 |
9月17日 | 3.9 | 14.9 | 17.4 | 11.2 |
9月18日 | 5.2 | 16.5 | 14.3 | 10.8 |
9月19日 | 4.9 | 14.5 | 11.8 | 9.3 |
9月20日 | 7.7 | 11.8 | 13.5 | 7.2 |
9月21日 | 6.2 | 13.2 | 13.5 | 6.5 |
9月22日 | 7.7 | 12.9 | 6.4 | 11.8 |
9月23日 | 9.1 | 11.3 | 3.1 | 13.2 |
9月24日 | 10.7 | 9.5 | 0.6 | 11.1 |
9月25日 | 9.5 | 8.8 | 3.3 | 9.2 |
9月26日 | 5.2 | 6.5 | 7.7 | 10 |
9月27日 | 2.3 | 6.1 | 5.6 | 10.7 |
9月28日 | 4.3 | 4.6 | 3.3 | 11.2 |
9月29日 | 5.3 | 9.3 | 4 | 14.2 |
9月30日 | 5.9 | 12.8 | 11.3 | 13.3 |
●5℃以下の日数 | 4 | 1 | 5 | 0 |
●最も低い最低気温 | 2.3 | 4.6 | 0.6 | 6.5 |
こちらはアメダス奈川(松本市奈川、乗鞍エリアに最も近いアメダス地点)の9月後半(9月15日〜30日)の最低気温を表にしたものです。
まず、紅葉状況から説明すると、2009年と2012年は見事な紅葉を見せた年で、2011年は壊滅的な状況でした。そして、最低気温が5℃以下の日数は、2009年と2012年はほぼゼロ(2012年に1日)に対して、2011年は5回もあり、2013年(今年)は4回ありました。また、15日間で最も低い最低気温を見ても、2011年と2013年(今年)は低く、2009年と2012年は比較的高い状態が見られます。
最低気温(霜枯れ)以外にも紅葉の良し悪しを決める要因はあるかと思いますが、一般的に言われる「急激な冷え込みで紅葉が色付く」というコトバは、ノリクラには当てはまらないことだけは確かなようです。
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