ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.17(2016/09/03〜04) @
先週は全日本マウンテンサイクリングin乗鞍が4年ぶりのフルコースでの開催を実現することができました。「フルコースはオリンピックイヤーしか開催されない」なんて揶揄する選手もいらっしゃいましたが、4年もたつとフルコース開催の感覚を忘れてしまうもので、選手だけでなく大会関係者も同様です。また、ここ数年で自転車を始めた選手などは「フルコース初めて」とおっしゃるほどでした。
さて、この大会が終わると同時にノリクラは一気に秋モードへと駆け上がります。すべてのものが秋の雰囲気を醸し出すといってよいでしょう。そして、ノリクラ雪渓カレンダーの連載も残すところ二ヶ月となりましたが、最後までお付き合いのほどよろしくお願いいたします。
9月3日(土)は、早朝に一時的に青空が見えましたが、一日を通してみると、晴よりも曇のほうが多かった一日です。終始山麓から激しく湧き上がる雲が周期的に流れ込むため、濃霧・曇から強い日差しのさす晴れ間へと変化を繰り返します。気温は大雪渓で16℃で午前中は肌寒さを感じるほどでしたが、午後から若干蒸した感じがみられました。そんな中、ヒルクライマーが続々と訪れ、一日で194名にも達し、大会が先週で終わった後も、ヒルクライマーの活況ぶりには驚きます。
9月4日(日)も、昨日とよく似た天候推移で、夜明けまえからの曇天から7時頃には快晴になり、その後、9時頃には雲が山麓から湧き上がる天候。しかし、完全に曇ではなく、時折青空がみられ、また、一時的に雨の降る状況でした。それでも雨具が必要なほどではなく、台風12号の影響もほとんど見られず、穏やかな一日でした。
大雪渓の積雪状態は、この後のコーナーで詳しくお伝えしますが、雪渓下部・中段、および、雪渓上部右側はすでに積雪がなくなり、現在残っているのは雪渓上部左側のみで、滑走は上級者・雪渓上部左側滑走経験者に限定されます。滑走距離はわずか30メートルで、今後、滑走不能になる可能性が高くなってきました。
それでは、二日間の様子をご覧ください。
【9月3日(土)・4日(日)、朝の観光センター駐車場】
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朝焼けの観光センター前駐車場 |
こちらは9月3日(土) 5時30分の観光センター前駐車場。天候は曇で雲間に青空がのぞく状況。その雲が朝焼けにぼんやりと染まる朝を迎えます。今朝の気温は15℃で寒さはありませんが、このところは一桁台の朝を迎えるようになり、朝晩の冷え込みを感じるようになってきました。
夏から秋へと季節が変わると同時に日の出もどんどん遅くなり、お盆くらいまでは5時ともなれば、空はもう明るくなってきたものの、5時30分でもご覧のように薄暗い状況です。
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天候は曇 |
そして、6時頃になるとようやく朝らしい雰囲気に...今朝はすでに100台ものマイカーがお越しになり、ご来光バスは3台も運行されました。なお、日の出時刻が遅くなってきているため、ご来光バスは、9月から出発時刻が30分遅くなって、4時10分発車です。また、例年9月末まで運行されますが、今年は9月19日(月)までの運行ですのでご注意ください。
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小さな秋があちこちに |
見る側の目線も秋を求め、また、ありとあらゆるものが夏から秋へと変化を進める...それが9月のノリクラですが、本当に「小さな秋」があちらこちらで見られるようになってきます。
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まだ明け方の気温は低くない |
山頂方面の気温は7℃・風速3メートル。これは夏場とほとんど変わりありません。しかし、ここから一気に気温が低下するのが9月の山頂方面。ご来光バスを利用の際には、真冬並みのスタイルで臨んだ方がよいでしょう。
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シャトルバス始発便 |
今日の始発便は2台。おそらくあと1ヶ月もすると寒そうに背中を丸めてシャトルバスを待つ姿となってくるはず。
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紅葉散策はタクシーがオススメ |
木々の色づきが所々に見られ、現時点では昨年よりも少し早く進んでいます。次の三連休あたりから見頃の時期に入ってくるのではと考えられますが、実際の見頃の時期が早くなるかどうかはまだわかりません。
紅葉散策にはタクシーがオススメ...途中で車を止めて記念撮影なども可能です。また、紅葉シーズンはタクシー台数が不足するため、紅葉撮影などで利用される場合で、利用時間が通常よりも長くなる場合は、事前に相談されると良いでしょう。
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天候回復 |
時間とともに天候は回復へ。その後、山頂方面もくっきりと姿を現してきました。
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大会後も休む間もなく走り続ける |
先週の全日本マウンテンサイクリングin乗鞍に出場し、多くの選手がクールダウンモードに入っているかと思いますが、こちらの方は休むことなく今週もヒルクライムに!今年はすでに20回も登っていらっしゃり、昨年の30回はクリアできそう...さて、今年は何回を目標に設定しましょうか?
「大会が終わりましたので、今日はゆっくり登り、3本くらいは稼ぎたいと思います。」 ノリクラは何度登っても楽しい山...これは登山と共通するところですね。
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今日は歩いて三本滝へ |
こちらは翌日9月4日(日)、お盆にお会いして以来の再会。お盆の時は乗鞍を起点とした過酷な自転車ロングライドに挑戦されましたが、今日は「歩いて三本滝へ...」とのこと。
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昨日は自宅からチャリ180km、獲得標高差はハンパない、 | 足パンパン..今日は軽めにウォーキング |
いつものハードライドと比べると非常に軽めのウォーキングですから、不思議に思ってお聞きすると、昨晩、乗鞍高原で開催されたバンフ・マウンテン・フイルムフェスティバルに参加するのに、「単に映画を見に来るだけじゃ〜つまんない!」とのことで、自宅から上映会場まで自転車で行こう!ということになったそうです。
ご自宅から上映会場へは、高山を経由して乗鞍スカイラインを登り、畳平から乗鞍高原へ降りるというコース(その間に剣ヶ峰登頂も)。朝4時に出発し、高山まではほぼ順調にやって来たとのことですが、そこから延々と上り坂。さらには平湯峠〜乗鞍スカイラインと地獄の劇坂が襲い掛かります。スマホのログを見てもお分かりの通り、標高はほぼゼロメートルから2700メートルまで一旦下りがあるものの上りっぱなしが続きます。
会場まで走行距離180km・獲得標高差3000m以上、到着した時には足はもうパンパン...というわけで、翌日の今日は骨休めで三本滝への散策だそうです。お会いするたびにやることのスケールがバージョンアップしていますが、もうこれ以上のオプションは装着できないのではないでしょうか?(笑)
【乗鞍高原から大雪渓へ、沿道の風景T(観光センター〜三本滝ゲート)】
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鈴蘭バス停のカエデ |
それでは、大雪渓に向かう沿道の様子をお伝えします。こちらは観光センターのすぐ先ににある鈴蘭バス停のカエデ。
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昨年の鈴蘭バス停のカエデ 2015ノリクラ 雪渓カレンダー Vol.18(2015/09/05〜06) @ |
今回の鈴蘭バス停のカエデ 昨年より色づきが若干遅い |
このカエデは周辺一帯よりも紅葉がひと足早く進むことが知られていますが、今年もお盆過ぎから少しずつ色づきが感じられるようになってきました。でも、昨年と比べると少し遅い状況のようです。
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ミズナラも色づき始める | 実(どんぐり)はまだ |
さらに進んで、善五郎の滝駐車場からすずらん橋駐車場に向かう沿道のミズナラの回廊。こちらは昨年とほぼ同じように黄色くなってきました。昨年はミズナラの実(どんぐり)ができていましたが、今年はまだの模様...例年ならあと2〜3週間ぐらいすると見られるようになってきますので、もう少し先になりそうです。
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ツリバナの紅葉 | 5裂に割れる |
先週もお伝えしたツリバナの紅葉と実。5裂に割れて中の実が確認できます。
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ゲンノショウコウ | ネジバナ |
左のゲンノショウコウは花が終わりに近づき、こちらも実ができてきました。このようにクローズアップするときれいな花であることがわかりますが、実際の道端では他の山野草に紛れてわかりにくいのが残念...
一輪だけ野生のラン、ネジバナ(ラン科ネジバナ属)が咲いています。茎を根元までたどっていくと細長い葉が一枚だけありましたが、ネジバナは花が咲くと葉がなくなってしまいます。また、画像のネジバナは右巻き(根元方向から見て時計回り)ですが、左巻きのものもあるようです。花期は6〜9月ですのでそろそろ終わりの時期です。
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今回の休暇村〜三本滝間 | 紅葉を迎えた休暇村〜三本滝間(カラマツ、昨年10月下旬) 2014ノリクラ 雪渓カレンダーVol.25(2014/10/25〜26) D |
ノリクラの紅葉エリアは標高2700メートルの大雪渓から標高1500〜1400メートルの乗鞍高原まで広がり、9月中旬の大雪渓から、10月末の乗鞍高原まで、1ヶ月半もの長期間楽しむことができます。しかし、各エリアの紅葉は長くて2週間、本当に良い状態のピーク期間は1週間もない状態。そのため、事前にいつが良いのかどこが良いのか下調べしておく必要があります。
乗鞍の紅葉情報をまとめた 紅葉情報INDEX から当WebSiteのすべての紅葉情報へアクセスでき、その中に、乗鞍の紅葉を大まかに把握するには、乗鞍紅葉情報 は初めての方にお勧めです。
また、撮影ポイントについては、ノリクラガイドマップ(紅葉上部エリア版)、ノリクラガイドマップ(紅葉下部エリア) は改訂作業が終わり、公開いたしました。県道乗鞍岳線沿線のビュースポットが地図上で把握できるようになっております。また、撮影当時のノリクラ雪渓カレンダーにもリンクされていますので詳細な状況の把握も可能です。紅葉撮影にお越しの際には一度ご確認ください。
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