ノリクラ 雪渓カレンダー

Vol.2(2018/05/15・19) D

 

 

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(Update:2018/05/24)

 

【天候は夕方近くに回復、山頂方面への登攀ルート】

肩の小屋から下山

多くの方は肩の小屋まで進んだものの、午後になっても、天候の回復は見込めず、位ヶ原山荘に向けて下山を開始します。

 

肩の小屋 − 例年の6月中旬並みの積雪

こちらは肩の小屋、現在冬季閉鎖中で、例年6月下旬から7月上旬に営業開始されます。こちらはこの時期としてはかなり積雪が少なく、例年の6月中旬並の状態です。

 

14時過ぎに天候回復

そして、天候は14時過ぎにようやく回復。目まぐるしく雲が流れる様子は見ていて感動するもの。今日は山頂に行けなくても、この光景を見ることができただけで満足といえるでしょう。

 


拡大

先週の大雪渓から山頂方面に向かうルート
ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.1(2018/05/12) A
ハイマツ帯が降雪で埋まっている
ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.1(2018/05/12) A

さて、大雪渓から山頂方面への登攀ルートですが、先週はご覧のような大雪渓の上端中央から稜線を目指すルートを通ることができました。

 

大雪渓から山頂方面に向かうルート
ハイマツ帯出現のため、○印ルートで登る
蚕玉岳〜朝日岳稜線直下
今週は雪解けが激しい

しかし、今週は雪解けが激しく、大雪渓の上端部分にハイマツや岩場が出てきてしまいましたので、大雪渓の上端中央から登るルート(×印のルート)は登ることができません。ハイマツは成長が遅く、また、雷鳥の生息域であるので、ハイマツ帯に入ることはせず、大雪渓の上端左側から稜線を目指すようお願い致します(○印ルート)。

 

【ツアーコース積雪状況、今シーズンの滑走は困難に】

位ヶ原急斜面

それでは、最後にツアーコースの積雪状況をお伝えします。こちらは最上部の位ヶ原急斜面。まだ十分な積雪がありますが、問題がないのはこの箇所だけで、これより下部はかなり雪解けが進んできました。

 

5番標識付近 5番標識 − 積雪30センチ

こちらは5番標識付近。積雪は30センチほどで、積雪部分よりブッシュのほうが多い状態です。このような状態は、下山滑走を進めるとさらにひどくなります。

 

2番標識上 2番標識下

こちらは2番標識付近。ほとんどがブッシュに覆いつくされ、横滑りで雪の箇所を探しながらの下山となります。

先週の2番標識上
ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.1(2018/05/12) C
先週の2番標識下
ノリクラ 雪渓カレンダー
Vol.1(2018/05/12) C

こちらは先週の様子。今週は激しく雪解けが進んでいます。

 

1番標識付近
★ここからは歩いて下山★

こちらは1番標識付近。ここまでは何とかスキーを装着したまま下山できたものの、ここからは、板を外して進む以外に方法はなくなります。

 

入口急斜面上端
★クマザサが滑りスキーブーツでは下山困難★
入口急斜面
★完全に積雪がなくなり、今後は春山バスで下山を★

そして、こちらは入口急斜面。ほぼ完全に積雪がありません。隣の樹林帯に残った積雪部分で下山する方法も、困難に近い状態で、また、画像に写るクマザサはかなり滑りやすいため、スキーブーツで降りるのがほぼ不可能で危険な状態です。安全に下山することが困難ですから、今後は位ヶ原山荘から乗鞍岳春山バスにて下山することを強くお勧めします。

 

<編集後記>

「自転車ヒルクライムの人気...」

平成29年の乗鞍岳入れ込み数は、前年より1万人ほど少ない10.4万人で、毎年更新し続けている過去最低をさらに更新してしまいました。色々な原因が考えられますが、乗鞍スカイラインの通行止め日数が一昨年よりも多かったことが影響しているかもしれません。

ただ、自転車に関しては7150名で前年比109%増でした。自転車通行止め日数はバス・タクシーよりも多いため、稼働日数あたりの伸び率はさらに大きいものと考えられます。そして、ヒルクライマーの方々は、SNSなどによる発信力が非常に高く、ノリクラの魅力の伝え方という点を学ぶには格好の学習材料とも言えます。

今や、ハコモノや環境整備だけではなく、どのように情報が伝搬していくのか?伝搬されやすい情報とはどのような形態があるのか?ということをしっかりリサーチしないと成功しない時代に入り、情報に対してもっと高い価値を認識しなければなりません。


 


■ご注意■

今回の取材記事は、バックカントリースキー・ボードの経験のある方を対象としたもので、初めての方へのイントロダクションという位置づけの内容ではありません。
初めてツアーコースなどにトライしてみたい方は、経験者と同行するか、ガイドツアーに参加されることをお勧めします。(乗鞍高原などにはガイドが同行するツアーを企画する会社がありますのでお問い合わせください。)

 

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